Faces / A Nod Is As Good As A Wink ...
To A Blind Horse  <1971>

おすすめ度★★★★

共同プロデュースにGlyn Jonesを向えた事も功をそうしたか、初期の粗削りな英国スワンプ風味のR&Bも徐々に消化に向い、彼ら独自のルーズなロックサウンドがたっぷりと堪能できる。

またRonnie Laneの地味とも言える楽曲を要所で楽しめるのもRodのソロ名義と違うFacesの大きな強みで（当たり前か...）Rodの派手なロックナンバーの後には必ず彼のトラッドな味わいが待っている。

楽曲的には彼らの唯一とも言って良いシングルヒットナンバーの5がアルバムの核として永遠の輝きを放っている。こちらの出来は流石に素晴らしく、彼らのLiveでの楽しさを最良の形で残した名トラックだ。

Rodのソロに続いてのバンド名義のヒットで遂にイギリスきっての人気バンドに成長した彼らは、さらに加速を加えながら活動の場を広げていくのである.....

っと、その状況を移したようなジャケが実は一番素晴らしい。ん〜拡大してプリントアウトしよ。

〜特にお気に入りな曲達〜
（って、長くなったらどうしよう.....＾＾；）

まずはMiss Judy's Farmで幕開け。彼らの初期の魅力を引きずるかの様なヘビーなR&Bだ。Kenny、Ronnie、Woodyが奏でる渦巻くようなリズムの間を縫うかの様なRodのヴォーカルとIanのピアノが光る。後半のアップテンポも彼ららしいなぁ。

そしてRonnieによるYou're So Rudeだ。ルーズなバックに乗っての半分語り調のヴォーカルが何とも魅力的。何でも無いと言えば何でも無いんだけどね....

続くLove Lived Hereは、どちらかと言えばRodのソロタイプのトラッド的なナンバー。しかし、アレンジは間違いなくFaces。Woodyの独特のギターサウンドが光りまくり、一瞬だけ入るRonnieのハモリも最高。

そしてまたしても何でも無いRonnieナンバーLast Orders Pleaseが入る。単なる失恋ソングみたいなんだけど、IanのブギウギピアノとRonnieのホンワカしたヴォーカルが魅力的。抑えの効いたWoodyのギターも彼らしくて好き。

続くStay With Meはご存知の彼らの代表曲。全ての楽器が不器用にまとまりながら滑走するスピード感はたまらんの一言。ヴォーカル部分になるとルーズになっちゃうアレンジがまた最高だけど、再加速してのソロがまた素晴らしい。この曲の楽しさは彼らの象徴ですね。

DebrisはまたしてもRonnieのヴォーカルナンバーだが、出来の方はアルバム中最高。アコースティックギターを中心とした進行ながら、Woodyの奏でる独特のエレキギターが素晴らしい響きを奏でる。Ronnieのヴォーカルと共に、とても美しい仕上がりだ。

Memphisは大御所Chuck Berryのカヴァーだ。ココではまるで酔っ払っているかの様にひたすらルーズに演奏する彼らが目に浮かぶ。こんな演奏は彼らにしか出来ないでしょう！

ラストのThat's All You Needは彼らにしては珍しく、少しだけスケールの大きさを感じさせるナンバーだ。

前半のRodとWoodyの鬼の様な掛け合いからのハードな展開はいつも通りだけど、ソロを挟んでのパーカッションを加えた後半部分はアルバムの最後を飾るに相応しい至高感を感じる。ちょっとStonesみたい？

1 . Miss Judy's Farm
2 . You're So Rude
3 . Love Lived Here
4 . Last Orders Please
5 . Stay With Me
6 . Debris
7 . Memphis
8 . Too Bad
9 . That's All You Need

やっぱFacesの魅力も
捨て難いなぁ〜