Faces / Ooh La La <1973> |
おすすめ度★★★☆ |
||
ソロアーティストとしての地位を確立しつつあったフロントマンのRod Stewartとバンドとのイザコザもあってか、彼の参加は歌入れのみだったいう話も聞こえる彼らのラストアルバム。 既にこの時期Rodにはソロ契約のレーベル移籍の問題も浮上しており、それに振り回される形で他のメンバーが活動できない状態が続いたりもしていたらしいので、彼らの間に多少の溝が生じても何ら不思議ではない。 そんな空気を察してか、本作の出来は何となくまとまりに欠けている。当時の彼らの力量を持ってすればもっともっと素晴らしいアルバムが期待できるだけに残念でならない。 しかしそれを証明するかの様な楽曲自体の素晴らしさが本作の最大の魅力。特にRonnieが主導権を握ったであろう後半の味わいが出色で、もしレコードで持っていればB面のスリ切れ度が尋常じゃなかった事は確実だ。 ココで彼は後の自身のソロ作品に通じる、英国臭漂う美しいナンバーの数々を提供。バンド内が分解状態でも、それをRodにしっかり歌わせるFacesとしての最後の美しきパートナーシップを我々に聴かせてくれる。 この後、あまりに商業的になったバンドの方向性を嫌ったRonnieがFacesを脱退。Facesは後任に日本人ベーシスト山内テツさんを向え、精力的にLive活動を展開するもシングル2枚を発表するのみで解散する。 Rodはご存知の通り大西洋を渡ってRock'n Roll & Ballardのアメリカの永ちゃんとなり、WoodyはThe Rolling Stonesのギタリストに収まる。残りのメンバーはSmall Facesの再結成への夢を暖めることとなる。
〜特にお気に入りな曲達〜 Cindy Incidentallyは、Woodyのヴォーカルも聞こえるミディアムテンポのR&Rlナンバーだ。Ianによる美しいピアノに誘われるかの様に響き出すWoodyのルーズでファンキーなリズムギターが最高の境地。後期の彼らのカッチョ良さを象徴するかの様なナイスなナンバー。 Flags And BannersはRodとWoodyの共作ナンバーをRonnieが歌うという珍しいパターン。ファンキーなギターに続くマンドリンとオルガンの音色がRonnie色を臭わす。相変わらずパンチの無いRonnieのヴォーカルも魅力的だ。 RodとRonnieの共作であるIf I'm On The Late Sideから美しき後半部分がスタートする。 美しいアコギのカッティングから刻まれる単調なリズムに乗って展開されるギターやオルガン、そして味わい深いRodのヴォーカルがどこまでも眩しいナンバー。エンディングの余韻も最高じゃ。 そしてその余韻に浸ると、どことなく聴こえてくるピアノに耳を奪われる.... Glad And Sorryである。1stの頃からチョコチョコ試しているRodとRonnieのデュエットが、ココで最高の輝きを持って完成する事となっている。 しかしこの曲の美しさを際立たせているIanのピアノ、そしてソロでのWoodyのフレーズも忘れがたい。奇麗な曲です、マジ。 続いても美しいナンバーJust Another Honkyが、またしても静かに鳴り響き出す。タイトル通りホンキートンク調のピアノを奏でるIanに乾杯である。 とても味わい深いヴォーカルを聴かせるRodのテイクは、Faces史上最高の名唱だと思う。自分の曲なのに....Rodに歌わせたRonnieって、やっぱセンスあるなぁ〜 そしてWoodyとRonnieの共作によるタイトルナンバーOoh La Laは、ラストナンバーにしてアルバムのハイライト。つい最近までRonnieが歌っていたと思ってたのに...Woodyがヴォーカルらしいです。後年のガラガラ声を思うと信じられませんね。 最高に美しいアコギとピアノに乗って、淡々と展開する本作はBritish Rock史上でも指折りの名曲です。あぁ、ウィスキー飲みたくなってきたぁ....
|
1 . Silicone Grown
あぁ、何処へ行く |
(2000.1.9 再更新)
〜関連アルバムの簡単な紹介〜
Ron Wood & Ronnie Lane / Mahoney's Last Stand
Rodが契約問題でゴタゴタしてて動けない間に、WoodyとRonnieが
吹き込んだ同名映画のサントラ盤。っが、映画自体は全然知らない。
エンジニアにはFacesからの付き合いであるGlyn Jonesを起用。
参加ミュージシャンもIanやKenneyといったFaces組を初め、元Blind FaithのRick
Grechや
StonesのツアーメンバーであるBobby KeysやJim Price、
そしてRonnieがソロで活動を共にするBenny Gallagherの名前も見られる。
内容の方は後のRonnieのソロ作品に直結するかの様なホノボノしたルーツミュージックで
実際に彼の1stで再演される事となるChicken Wiredが収録されている。
他にもFrom The Late To The EarlyやJust For A Momentといった
Ronnieファンにとって見逃せない決定的名曲も散りばめられている。
Woodyの方もギターにハーモニカに大活躍でブルースナンバーの'Mona'
Bluesや
彼の独壇場と言って良いWoody's Thing等も聴き所のひとつ。
また最近再発されたリィシュー盤にはリマスター処理が施され
曲順も少し入れ替えられている。そして何とOoh La La録音時の
未発表テイクも収録されている!お得じゃ。
順路1 : Ronnie Laneコース
Ronnie Lane / Anymore For Anymore... へ!
順路2 : Ron Woodコース
Ron Wood / I've Got My Own Albm To Do へ!
順路3 : Rod Stewartコース
Rod Stewart / Atlantic Crossing へ!