Yoichi Aoyama / EQ <2000>

おすすめ度★★★★

個人的には実を言うと本HPのBBSに突如として本人が登場して以来、彼の活動には自然と興味が湧いてしまっている。

正直言って、こんな田舎にいては彼の様な存在の活動等はなかなか届きにくく、BBSに登場しなければ本作を聴いていたかどうかという話になると非常に疑問であるが、Good　Musicに触れるキッカケなんてどうでもいい。良いアルバムは良いアルバムなのだ。素直に本作に出会えた事を喜ぶ今日この頃である。

内容的には70年代初期のUK　Rock界に蔓延していたアメリカンロックへの美しき羨望のスピリッツを現代に蘇らせた様な肌触り。それが彼独特のギターポップ風味で料理され、終始開放感いっぱいにルーズに響き渡る。とてもギターリストらしいアルバムだ。（良い意味で）

また数曲で登場するニューオリンズ風なリズムも心地良く、楽曲のバラエティは絶妙。多すぎでなく少なくもないアルバム全体の構成もまた良しだ。

１でのスライドギターに誘われて、11の爆発ポップソングまでの一気に駆け抜ける爽快感はいつ聴いても僕をご機嫌な気分にさせる。

次作も楽しみである。今度熊本にインストアライヴに来た時は話し掛けてみよ....っと。

〜特にお気に入りな曲達〜
（っていっぱいあってすんません＾＾；）

オープニングは爽快感いっぱいのQuick Talkでスタート。文句なしの名曲である。静かに鳴り出すキーボードとアコギが絡み始めた瞬間から飛び込んでくるご機嫌なリズムにもうイチコロ。

しばらくすると自然と溶け込んで来てるエレキのポップな響きも最高。そしてハイライトとなるスライドソロが入る瞬間の開放感はいつ聴いても鳥肌モンだ。何だかんだ言ってこの瞬間を求めていつもCD棚から本作を取り出してる気がする。いいね、いつ聴いても。

次の燃える女とスネイクは、イントロの印象的なリフを核としたロックソング。前曲に続いてドラムの音色がご機嫌で、そのリズムに気分は高騰する。クラビネット風味のキーボードや女性コーラスの絡みもGoodだ。

ポップなキーボードとヴォーカルが好印象のElephantでホっと一息ついた後のDrop The Faceがまたお気に入り。ドブロギターの泥臭い音色が粘っこく響くブルースナンバーだ。途中途中に入ってくるドブロギターがいちいちカッチョ良くて聴き入ってしまう。

続くTragic Magic Homeは再びポップなリフを核としたナンバー。この曲のハイライトは何と言ってもソロの前にチラっと入る妙なテンポダウン。このアクセントが絶妙で、直後になだれ込むポップなキーボードソロの風貌を更に心地良いモノにしている。

えらくポップな肌触りから入るThunderboltもお気に入り。単調なのか変なのかよくわからん展開も何だか面白くて、続くHideawayへの橋渡し的なニュアンスも香るたたづまいも好印象だ。

そのHideawayはアコーディオンとの絡みも心地良いアコギを中心としたポップなナンバー。自身の声を重ねたヴォーカルもなかなか。この2曲の流れは好きだな。

そして本作のハイライトと言えるのが電波組曲だ。女性ヴォーカリストやホーン隊も絡ませながらグイグイ進んでいくポップな展開には、自然とその世界に引き込ませる魔力が存在する。

特にホーン隊を絡ませながらのポップなギターソロと、ブリッジ部分での流れるような展開は本作の中でも屈指の聴き所と言えるだろう。名曲だね。

んで、前曲で締めくくっても全然不思議でないところに、最後でGood Aliensなんてアバンギャルドでポップなナンバーを持って来るところに何だか妙な親近感を感じてしまう。

よくわからんけど「へへ、この人音楽好きなんだなぁ〜」って印象が自然と湧き上がってくる展開で、とっても爽快である。ゲストの女性ヴォーカルもシャウト！ギターソロもご機嫌だ。あっぱれ。

1 . Quick Talk
2 . 燃える女とスネイク
3 . Elephant
4 . Drop The Face
5 . Tragic Magic Home
6 . On The Dunes
7 . Starlab
8 . Thunderbolt
9 . Hideaway
10 . 電波組曲
11 . Good Aliens

前作より
Aoyamaさんの足でごわす