Little Feat / Dixie Chicken (1973) |
おすすめ度★★★★★ |
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ヒットにこそ恵まれなかったものの、前作の出来にはそれなりの手ごたえを感じていたであろう彼らがベーシストの脱退を期にDelaney & BonnieのFriendsのメンバーであったKenny Gradneyとコンガ奏者のSam Claytonを加え、更に腕利きギタリストPaul Barrereを加入させて6人編成で望んだ3rdアルバム。 南部出身のミュージシャンを加えてより豊かになったリズム隊、軽快に転がり回るピアノ、二人のギタリストから奏でられるスリリングなフレーズの数々.... 彼らの目指したのはニューオリンズに通じる独自のリズム、圧倒的なビートだった。それぞれのミュージシャンが奏でる様々なリズムとビートが重なりながら迫る本作の魅力は正に名盤という言葉がふさわしいものに仕上がっている。 特にPaulの加入によりギタリストとしての負担が軽減されたLowellの活躍は素晴らしく、自らが描いていたサウンドの実現に向けてプロデュースも担当し、一方で素晴らしいヴォーカリストとしての仕事も見事にこなしている。また要所でキメてくる必殺スライドギターの魅力も十分だ。 更に見逃せないのが新加入組みの素晴らしい活躍ぶりで、アルバムを通して絶妙のアクセントをつけるSam Claytonの貢献度も見逃せないところだ。 結果的に本作もヒットに恵まれることがなく、メンバーは経済的な問題に悩まされ続けたそうであるが、それでも積極的にLive活動を展開。一時活動停止の危機にも陥るが、再びグループとしての活動を開始していく。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずはタイトルナンバーのDixie Chickenでアルバムは華麗に幕を明ける。イントロのリズムが鳴り出し、遠くでLowellがカウントしているのを聴くだけでもう昇天モノになっちゃう最高のRock'n Rollナンバー。 まさにアルバム全体のリズムを決定付ける絶妙のサウンドには何度聴いても圧倒される。転がるピアノとスライドギター、そして粘るリズム隊とどれを取っても100点満点。これほどカッコ良いオープニングってそうないぞ。カッチョエエ〜!の一言に限るっス。 続いてはファンクロックといった感じのTwo Trainsで、これまたカッチョ良い。ワウを使ったリズムギターが独特の浮遊感を奏で、それを無視してるかの様に直球勝負で迫るLowellの圧倒的なヴォーカルとスライドギターが素晴らしい。女性ヴォーカルが絡んでくるアレンジも絶妙だ。 Roll Um Easyはカントリーブルーススタイルのバラードナンバー。要所で絡んでくるコーラスとスライドギターがイイ感じ。これもLowellの別の側面の魅力である。ん〜、イケてる。 Allen Toussaint作のOn Your Way Downは奇妙な雰囲気を持ったスワンプロックナンバー。ちょっとCCR辺りが演奏しそうなナンバーだがココでもアルバム全体を包むリズムは健在で、コンガとドラムの絡みが絶妙のアクセントをつけながら展開していく。 またココでのケバケバしさを匂わしている張本人であるBill Payneの活躍も素晴らしく、時にリードとして時にリズムとしての役割を果たす彼のキーボードも当然本作に大きく貢献している。 後に正式メンバーとして迎えられるFred Tackett作のFool Yourselfは爽やかなRockナンバー。本作も中盤に差し掛かり、終始ホっとされる息抜きナンバーといった役割か。こうして聴くと彼らのハーモニーもなかなかの味わいである。 Bill PayneとPaul BarrereによるWalkin All Nightは、一転ルーズで粘っこいRockナンバー。サビでの展開はどこか英国スワンプを思わすナイスなアレンジだ。 再び独特のファンクリズムが鳴り出して突入するFat Man In The Bathtubも絶妙のファンクロック。ドラムとピアノが絡み合いながら曲全体を包み込むリズムがとても心地良く、サビでの高潮感も最高だ。何でこんなに楽しいんだ!?胸が躍ります。 アルバムを締めるのはインストナンバーのLafayette Railroad。南部の沼地地帯に迷い込んだ錯覚を誘う怪しげなリズムとそれを突き通すスライドギターの音色が魅力的。
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1 . Dixie Chicken
この二人のギターの絡みは |
(2001.7.22 更新)
順路はこちら(工事中)
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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Delaney & Bonnie / Original Delaney & Bonnie
KenneyとSamが参加してたのは第二期なんですけどね...
Allen Toussaint / Southern Night(工事中)
ニューオリンズサウンドのボス!名盤です