The Beach Boys / Pet Sounds <1966> |
おすすめ度★★★★★ |
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デビューからその独特のハーモニーとポップなサーフィンソングで人気を博したBeach Boysであったが、リーダーのBrian WilsonがBeatlesのRubber Soulに一発かまされてから、バンドクォリティは飛躍的に増大する結果となる。 メンバーがツアーに出て、我が日本でも侍の被り物なんて被って浮かれてる隙に、Brianは新たなパートナーTony Asherと組んでスタジオミュージシャンと共に黙々とレコーディングを重ねていったのである。(この時、既にBrianはツアーメンバーからは外れていました) 他のメンバーがスタジオに帰って来た時には、既に作品は完成間近。Brianはメンバーにヴォーカルのレコーディングのみを要求。更にヴォーカルアレンジも完成済みと来ればメンバーの怒る姿も目に浮かびます。 つまり、これはBeach Boys名義でありながら「Brian Wilsonのソロアルバム」と言っても過言では無いアルバムである。 Rubber Soulに触発された本作品は、今までのポップなBeach Boysの作品とは一線どころか二線くらい違い、あるメンバーが「何だ!この音楽は?誰が聴くんだ!? 犬か?」っと行った事からタイトルが決まったらしいです... しかし!完成されたアルバムは実験的で冒険的でありながら極めてポップでハッピーな最高のアメリカンポップアルバムとして、発売されて30年近く経った現在でもその魅力は色褪せる事無く輝いている。 まず、耳を付くのはBrianを始めとするBeach Boysの素晴らしいヴォーカルワーク、そして次々に飛び出す斬新な音作りであろう。特にBrianの本職であるベースは、曲の進行と全く関係無い空間を走り出す。そして、怒涛のパーカッション。 一度CDをかけるとその魅力から逃れる事はできない、素晴らしいアルバムであるぅ! ...っで本作品発売後、今度はBeatlesが本作品にノックアウトされて、ロック史上に燦然と輝く金字塔的アルバムSgt.Peper's Lonely Hearts Club Bandの制作に取り掛かるです。 かのPaul McCartneyも「Pet Sounds無くしてSt Peper's〜は無かった」と認めています。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずは何と言っても頭の Wouldn't It Be Niceは名曲です!イントロのゆらゆらギターをドラムが一括してからの怒涛の展開。いつもこの瞬間に鳥肌を立ててます。Happyな歌詞も最高ですねぇ。 イントロから妙な音作りが冴える You Still Believe In Meもたくさんのアイデアが詰まった曲だ。中でも自転車の音まで入れ込んだ凝った音作りには圧巻。後半のコーラスワークも魅力。 珍しくBrianのソロとなっているDon't Talkもお気に入り。ストリングにより浮き出た形となってるベースも良い感じだ。 そして、このしっとりとした曲の後に来るI'm Waiting For The Dayの怒涛の展開には圧巻。しっとりとしたテンポとアップテンポな部分とのスリリングな交差や、フルートのソロ、畳み掛けるエンディグ!スゴイです。 本作品においては「異色」でそれまでのBeach Boysソングという感じのSloop John Bも素直に良い曲と捕らえてしまう。何と言っても楽曲自体が最高のPOPソングだ。軽快なコーラスワークが光りますね。 God Only KnowsはPaul McCartneyもフェイバリットと言ってる名曲中の名曲。当然、僕も大好き!何だか一歩一歩進んでいるような独特のベースに乗ったBrianのヴォーカルが素晴らしい。正に天から振ってきた様な美しいサウンドですねぇ。 不思議なベースラインが印象的な Here Todayもこの時のBrianにしかできないようなアレンジが最高に光るテイクだ。中盤の不思議な間奏ではBrianの掛け声なんかも聞こえてスリリングだ。この辺は最近発売されたBOXで充分味わえる。あら?でも、この部分.....Beatlesにも....... I Just Wasn't Made For These Timeは、Brianの苦悩が聞えてきそうな陰に満ちた美しきナンバー。寂し気なBrianの声に胸が締め付けられる。 妙なエフェクトが掛かったリードギターが響くタイトル曲Pet Soundsも何だか聞き入っちゃう曲。そして、最後を飾るCaroline, Noは初のBrianソロとして発表された名曲。Brianのメロディアスな曲作りの極み。ヴォーカルも光る。
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1 . Wouldn't It Be Nice 〜Bonus Tracks〜
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(1999.12.12 再監修)
〜関連アーティスト・アルバムの簡単な紹介〜
The Beatles/Sgt. Peper's Lonely Hearts Club Band
「サイケデリックロックの金字塔」「ロックを芸術の域まで高めた歴史的名作」と何かと誉めちぎられる
Beatles最高傑作!っでしょうねぇ、やっぱり。アルバムに一つのコンセプトを持たせるという試みも初めて
だったようだし、何と言っても「ROCK」という文化の社会的地位の向上に関しての功績は素直に最高だろう。
内容も勿論、充実!の一言。中でもJohnのA
Day in The Life、Lucy in the Sky with Diamonds、
Being For the Benefit Of Mr.Kite!はロック史上の名曲でしょう。言い出しっぺのはずのPaulが、
結構タイトル曲以外にはコンセプトっぽい曲を書いてないのが面白い。
Georgeもマイペースにインドな曲をレコーディングしてるし...
いくら最高傑作のレッテルが貼られてるからって、このアルバムからBeatlesに入るのは間違いです。
ちなみにまだケツの青かった15歳の僕は、このアルバムを初めて聴いた時、
あまりの奇妙な音作りに恐怖を覚えて、震え上がったのでありました。あぁ、可愛らしい...
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