Ron Sexsmith / Cobblestone Runway <2002> |
おすすめ度★★★★ |
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マイペースに次々と良質なアルバムを届け続けてくれているRonが2002年に発表した5作目のアルバム。 鉄壁と思われたMichell Froomとのコンビを3作目にして解消し、前作では何とオルタナカントリー界の異端児Steve Earlをプロデュースに迎えて新境地を見せた彼が、今度はロンドンに出向いてレコーディングを行ったのが本作だ。 今回Ronがパートナーとして選んだのはスウェーデン出身のMartin Terefe。知らん。ま、文献によるとロンドンを中心に活動しているポップなセンスを持ったお方らしい。 なるほど作風を聴くとストリングや重厚なコーラスがRonの世界に一層の深みというか、ちょっとジャケのイメージも重なっておとぎ話の世界のようなメロォな香りを吹き込むことに成功している。 っがしかし主役はその素晴らしい楽曲にあり、それを中心としてあくまでその効果音達が楽曲を引き立てる為に存在するかのような謙虚なアレンジには拍手!だ。 中にはロンドン録音の為か、ダンスミュージックのような9などの異色な作品も含まれているが、これも不思議とすんなり溶け込むナイスな仕上がり。 様々なパートナーと組みながら新境地を開き続けながらも一点の曇りもない素晴らしい楽曲を作り続けるSongwriter Ronの活動から今後も目が離せない。
〜特にお気に入りな曲達〜 新しい彼のアルバムを聴く。そしていつもと変わらぬ魅力を放つ彼に触れ、何故かホっと胸をなでおろしながらも新しい彼の名曲に身を任せる。良いな、やっぱり...そして次の展開に期待が膨らむ自分を感じる...... 正にそんな気持ちにさせてもらったのがオープニングのFormer Gloryだ。Ronの世界がいきなり満喫できる彼の新しい名曲である。ちょっとチープなリズムとラジオから聞こえてるかのようなRonのヴォーカル、そして絶品のメロディと、どれを取っても大満足な仕上がりにオープニングから胸が躍る。 ヘビーなリズムに誘導されながらも楽し気なコーラスが楽曲の印象をいきなり軽やかにするThese Daysも前半のハイライトとも言える素晴らしい仕上がり。終始絡んでくるコーラスが何処までも楽しい印象を運んでくる。 大きな愛を歌ったGod Loves Everyoneもしっとりとした味わい。ほぼRonの引き語りで展開するアレンジは1stや2ndの頃に聴かれた彼の魅力を想わす。名曲ですね。 一転してRockっぽいDisappering Actも彼独特の力の抜けた歌いっぷりのハマったカッチョイイ仕上がり。ラフなカッティングとイントロと要所で入ってくるキーボードのメロディも印象的だ。 こちらもRon独特のメロディが印象的なFor A Mormentも素朴なアレンジが素晴らしい。柔らかい生ギターの音色と硬いリズムマシーンの音の対比が不思議な魅力を放っている。こういうリズムマシーンの使い方って上手いと思うな、この人は。 再びRockっぽいHeart's DesireもヘビーなアレンジながらもRonの柔らかい魅力が同居した印象的な仕上がり。単調なリズムの中から飛び交う様々な音やRonのヴォーカルがご機嫌だ。またブレイクした後に少しだけインストナンバーも含まれており次の曲への橋渡しをしている。 そして始まるのがアルバム中最も異彩を放つDragonfly On Bay Streetだ。モロダンスナンバーなこの曲を初めて聴いた時は正直余りの意外な曲調にぶっ飛んでしまったが、何だかんだ言って一番お気に入りだった。アルバムの中にも不思議と溶け込む本ナンバーは間違いなくRonの新しい側面を見せ付けるものだ。Liveで演奏している姿を見てみたいね。 続くThe Less I Knowは後半のハイライトと言える名曲で、Paul McCartneyを想わすメロディとアレンジが素晴らしい。ストリングも効果的に使われ間奏で登場する妙な音色のキーボードも何処か、Wings。 様々な生楽器が絡んでくるUp The Roadも和やかな印象。エスニックな香りが僕らの体をリラックスさせてくれる。前曲に続いて登場するキーボードの不思議な音色もまた、いい感じ。 ボーナストラックとなるYou Cross My MindはRon自身による多重録音のコーラスが印象的な軽快ナンバー。使われている楽器も温かみのある物ばかりで、ボーナストラックとは思えない程後半の楽曲に溶け込んでいるのがいい感じ。オリジナルのアルバムから外すには惜しい仕上がりですぞ。 |
1 . Former Glory 〜Bonus Track〜
いつまでも素晴らしい 僕は君のアルバムをいつまでも |
(2003.7.12 更新)
順路はこちら
Yoichi Aoyama / EQ へ!
〜Ron Sexsmithが影響を受けたと思われるアルバム〜
(勝手に選出!)
Beach Boys / Pet Sounds
まぁ、これは本人も認めてます。音作りの手本でしょうねぇ...
The Kinks / Village Green
Preservation Society
歌詞作りの面ではRayの影響エラク大でしょう。
Wings / Red Rose Speed Way
本作を聴く限り、この辺のPaulの横顔が伺える