The
Kinks /The Village Green |
おすすめ度★★★★☆ |
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UKバンドの中でも最もイギリスらしいバンド、Kinks。音作りにおいても歌詞においても彼ら程イギリスという国を臭わすバンドはいないだろう。 初期Kinksのいわゆるキンキーサウンドも勿論好きだけど、60年代後期からのコンセプト的なアルバム作りを始めた頃のKinksが最高に好きだ。そんな中でもっとも気に入ってるのが本作である。68年発表で初のRay Davis自身によるプロデュース作品。 内容はイギリスの片田舎での生活や失われていく古き良き時代への羨望の意を表現したモノで、それに合わせるかの様に響くアコースティックな音作りが最高に響く永遠の名作。 僕の様に究極の田舎町に配属された者にとってのテーマソングがふんだんに収録されている。 Ray DavisのPaul McCartneyのも通じるセンスの良い曲作りや音作りが最大限に発揮され、それをサポートするかの様なバックの気の利いた演奏も彼の楽曲の素晴らしさを一層に引き出している。 またRay Davisのヴォーカルも後年のしつこさもマイルドに、とてもイイ感じに響いており、曲の長さも5以外は全て2分台と非常に聴きやすいアルバムである。ヨーロッパの車でド田舎をドライヴする時は、こいつを連れて行くのが一番です。 最近ではこれにミックス違いなどを加えたCDが再発されている。散々迷った挙げ句に最近購入。 音質的にはさほどの向上は感じないものの、素晴らしきボーナストラック23に感動!これだけで買う価値は充分ですね。
〜特にお気に入りな曲達〜 Ray Davisあんちゃんはオープニングからカマしてくれます。Village Green Preservation Societyは高らかにアルバムのコンセプトを歌い上げるフォークロックだ。 自らを「村の緑を守る会」と宣言し、あのジャムを守ろう!昔からの方法を守ろう!訛りを持った英語を話そう!っと徹底しておかしくなった新たな価値観を批判する。この歌詞を聴くだけで心が和み、自然と笑みがこぼれてきます。名曲。 時の流れによる人間の心理の変化を歌うR.Davisお得意のフレーズが連発されるDo You Remember Walterもロマンチックに響く名曲だ。優しく響くR.Davisの声が印象的です。 フォークタッチのビートナンバーPicture Bookも大好き。時代を感じるモコモコしたベースとセンスの良いDave Davisのギターサウンドが最高だ。特に僕はDave Davisのギターのポップなセンスが大好きだ。時々カントリーっぽいし。 アルバム中唯一4分を越える時間が裂かれているThe Last Of The Steam Powered Trainsは、機関車ソングらしくブルース調のナンバーだ。時代と共に衰退していくモノを蒸気機関車に例えて歌っていいる。 しかし実は音楽業界の波に置いていかれるRay Davis自身の事を歌っているらしい。ハープをフューチャーした渋いブルースナンバーだが、どこかKinks臭さを残すアレンジは流石で、4分という時間を感じさせない好トラック。 Ray Davisの語り調のヴォーカルがハマりまくりのBig Skyも名曲。しかし途中から入ってくる控え目のDave Davisのコーラスが妙にKinksっぽいし、アコギの響きもイイっすね、また。 Sitting By The Riversideは、とことんノンビリした雰囲気の名曲。晴れたあったかい日に川辺に座って全身の力を抜きながらこの曲を聴けたら、どんなに幸せでしょうねぇ...飛んで行きそ。 Animal Farmは再びフォークタッチのビートナンバーといった感じで攻めてくる。重厚なアコースティックサウンドと絶妙の歌い回しが心地良い。 アルバム中最もポップな味わいが聴けるStarstruckも、Kinks独特の曲作りが堪能できるナンバーだ。ここらのアレンジは彼らの独断場でしょうね。Monicaもポップな味わいが楽しめるが、こちらはラテン風のアレンジが施されている。 アルバムの最後を飾るのは、村のダンスパーティを思わすPeople Take Pictures Of Each Otherだ。軽快でCoolなアレンジがとってもKinksっぽくて最高の味わい。テープを作る時なんか絶対入れてしまいそう.... そしてボーナストラックのMr. SongbirdはUS盤のみに収録された素適なポップナンバー。70年代中期のアメリカ辺りから聴こえてくる素晴らしき世界を感じます。これぞRay Davisのセンス爆発って感じ。 |
1 . Village Green
〜Bonus Tracks〜
彼らが「村の緑を守る会」だ! |
(2000.1.10 再監修)
散策路はこちら
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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
The Beatles / White Album
Ray Davisに通じるというPaul McCartneyの曲作りも堪能して下さい