機材、VST簡易レビューINDEX

所持しているシンセ

メーカー機材名紹介など

AKAI

CD3000XL

S3000XLにCD-ROMドライブを内蔵したモデル。 S3000XLに比べ、サンプル再生の尻切れ問題が小さいとかいう話だけど、詳しくは知らない。 エフェクトボード、セカンドフィルターボード増設済み、RAMは32MB。 豊富な市販ライブラリが魅力。聞いていて安心な出音。

SG01k

1UハーフラックのGM音源。 全体的に高音域の音質が良くないが、低音域は結構雰囲気が出るような気がしている。 フルートやその他木管、Honkytonk、ドラムスなど、使える音も多い。 他のSG01シリーズに比べると、出力レベルが低く、SNRも若干落ちる印象。

SG01p

1Uハーフラックのピアノ音源。 モノラルとステレオの両方のプログラムを内蔵。軽い音色に仕上がっていて扱いやすい。 HONKY GRAND、Rhodes、Digital EPなど好みの音が多い。

SG01v

1Uハーフラックのヴィンテージシンセ音源。 アナログシンセ、ディジタルシンセ、オルガン、電子ドラムの音などが収録されている。 全体的に軽いノリで、ポップな音楽に向いていそう。

ALESIS

DM Pro

結構便利なドラム音源。 多数の波形が搭載されていて、基本的にはやや重めの音質のものが多い。 ドラムセット以外の音などでも、よいと感じられるものも入っている。 DM5に比べ、キットを組む際のピッチ設定幅等も大きくなり、 QSシリーズと同等のシンセサイズ機能も搭載。 エフェクト内蔵、パラアウトもステレオ3系統と、使い勝手は上々。 ついでにQCardが1枚挿せて、カードの波形でもキットが組めるらしい。

S4 Plus

Quadrasynth Plus相当の音源モジュール。QCardが1枚挿せる。 全体的にきらびやかで透明度の高い音が多い。 木管、金管、ストリングズなどでは、QSRに比べて優れている面があるように思う。 古さを感じさせるシンセパッドなども良い味。 大き目の液晶、4つあるノブとそれに対応するボタンで、操作性は上々。 フィルターはあまり強力ではなく、レイヤーとエフェクトで作りこんでいくようなタイプ。 モジュレーションマトリックスも持っているので、ちょっと手の込んだ音作りも可能。 エフェクトのルーティング機能はやや複雑だが便利でもあり、質感もなかなか。 欠点は、フィルターにレゾナンスが無く、パンが発音中に動かせず、 パンを設定するとすべてのレイヤーがそこに定位すること。

QSR

Quadrasynthの後継、QSシリーズの音源モジュールで、QCardが2枚挿せる。 各種ピアノ、オルガン、ハープシコード、適度に低音の鳴りのあるベースなど、使える音多数だけど、 S4 Plusに比べ、ステレオ音色が多く、その出来自体もイマイチだったりして、 場合によってはミックスし辛いかも。 内部の仕組は、S4 Plusとほとんど違いは無いものの、操作性はだいぶ落ちる。 目だった欠点もS4 Plusと同様だけど、QSR内蔵のプログラムは、 モノラル化すると音痩せがひどいものも少なくないので、より一層の注意が必要。

QCard

S4 Plus, QSR, DM Proなどで使える、PCMCIAタイプの拡張カード。 うちでの使用機材が複数に渡る上、着脱が容易なので、独立した項目にした。

Z3:Sanctuary
本来は、キリスト教的な宗教音楽のためのカード。 パイプオルガン、クワイヤ、ベルを筆頭に、チェンバロ、ハープ、フルート、 透き通ったDigital EP、ベース、流麗なシンセパッドなどが入っている。 パイプオルガンの出来は大変によい。チェンバロはQS内蔵のものに輪をかけてよい出来。 ついでに、アーーーメーーンと喋らせられる。
Z7:Latin
名前の通りラテン系の音が中心。 ラテン音楽は様々なジャンルとつながりがあるため、このカードも色々なジャンルに使える。 パーカッション類が豊富で、また、アコーディオンの出来も非常に良いと思う。 トランペットやトロンボーン、サックス、アコースティックギターの補強としても強力。
Z8:Classical Instruments Plus
オーケストラの楽器音が入ったカード。繊細かつ迫力があり、奥行き感もある。 ソロの弦、パーカッション類の質が高い。 弦セクションのプリセットは若干少ないが、 コントローラ(デフォルトでCC#12,13,91,93)にて調整可能。 木管はそこそこで、Clarinetは個人的にかなり好き。 金管は、用途によっては重宝しそうな内容。 Cornet、Trumpetなど、場面によっては十分に使えるだろう。
ZB:Stereo Jazz Piano
アコースティックピアノのカード。 平均律版とストレッチチューニング版のプリセットが用意されている。 「主張するピアノ」として使えると思う。 豊富なプリセットのいずれもに、個性がしっかりと存在する。

CASIO

GZ-50M

幅およそ1/4ラックの小さなGM音源モジュール。見た目よりは実力派で、実は結構好き。 ピアノやオルガン、ベースなんかはまずまずの感触。 ドラムは、ハイハットとバスドラムは結構いい。スネアドラムはコンプの効いたような独特のチープな音。 プログラムによっては発音可能な音域が狭すぎたりと、音源モジュールとしての全体的な完成度はイマイチ。

VZ-10M

iPD(interactive Phase Distortion)方式のシンセ。 Ring Modulation、Phase Distortionの二つの変調方式と、加算合成を使って音を作る。 基本波形が多く、モジュール同士のルーティングの自由度もそこそこ高い。 CASIOらしく、エンベロープポイントが多いのもポイント。 出せる音は、FM音源に近いものの、基本波形として鋸歯状波なども持っている。 音を作るのが楽しく、かなり好きなシンセのひとつ。 操作性が洗練されているとは言えないが、液晶画面の見通しがよいので何とか。

E-mu

Emulator III Rack

EIIIの希少なラックモジュール版。安かったので、なんとなく買ってしまった。 アナログフィルター搭載のその出音は、落ち着いていて綺麗だなー、と思った。 サンプリングしてキーグループを組むのは、意外とやりやすい。 OS 1.21はCD-ROMドライブの相性がかなり厳しいらしく、未だ使えるものが見つからず。

E5000 Ultra

E4 Ultraシリーズと言われるサンプラーの中で、最下位のモデル。 純正ライブラリ20枚セットで安かったので購入。RAMは128MB搭載。 操作性は、一画面の情報量が多いのでまずまず。音は、特にクセがあるわけでもなく素直だが、 ミックスしてみると、独特のまろやかな厚みと、どっしり感が出る気がする。

OSは、2005年3月に公式ページで再公開されたEOS 4.70 Betaを使用。 FAT32が使えるので、Windows機との連携がとり易い。
RFX-32周りの不具合の話を聞くこともあるが、私は積んでいないので問題無し。 2005年にE-mu公式ページで公開された文書に、 「EOS 4.7ではプラグイン形式が変わったから、RFX-32ユーザーは4.7にアップグレードする前に、 予め既存の古いRFX用プラグインを削除すべし。」みたいなことが書いてある。

PROTEUS 2000

E-muの比較的最近の音源モジュール。 出音は迫力があるようでいて、ミックスでは控えめになるのが、長所でもあり短所でもある。 エフェクトは、リバーブが特徴的。ディストーションはオマケ程度。 プリセット等については、下の「COMPOSER」の項を参照のこと。

フィルターが強力で、パッチコード(モジュレーションマトリックス)の自由度も半端ではなく、 シンセサイズのやりがいは高い。 但し、浅い階層にページが多すぎる上に、その大量のページをめくるには、 カーソルを合わせてダイヤルを回すしかない。 Auditionという、自動デモフレーズ再生機能をOnにしたまま、 エディットしたり音色選択したりできるのは、非常に秀逸。

ノブが物理的に4あり、スイッチ切り替えで12という数のコントローラー(CC#はアサイナブル)になる。 パッチコードで設定して、内部の色々なパラメータを操作できる他、 MIDI Outもできるので、他のシンセを(CC経由で)コントロールすることも可能。

COMPOSER
PROTEUS 2000に標準で刺さっているROM。取り外しも可能。 プリセットは、ヒップホップやテクノ向きのプリセットがやや多め。 ジャズなどにも、そこそこいいと思う。オーケストラ系の音はかなり不足。 シンセ音、ベース、アコースティックギター、サックス、フルートなどが、個人的に好き。 素材的な波形や面白い波形を多数搭載して、作りこめば、無数の「使える」シンセ音が得られる。
PROTOZOA
PROTEUS/1,2,3の波形・プログラムと、このボードのオリジナルプログラムが収録されている。 1,2,3は、それぞれ、POP, Orchestra, Ethnicの音源モジュール。 PROTEUS 1の音は、GMなPCMシンセの礎とでもいうべきなシンセ音が入っていたりする。 D-50を意識したと思われるパッドが、あんまり似ていなくて独特な雰囲気を持っていて面白い。 PROTEUS 2の音は、小編成の弦セクションに強く、また、オーボエは格別だと思う。 PROTEUS 3の音は、Auditionのフレーズはちょっと変な気がするけれども、 鳴らしてみると、結構自然だったりする。
XROM
XK-6/XL-7のROMで、Xtreme Lead-1に搭載されているXLeadとは、 波形は同じでプログラムが若干異なり、ID(BankMSB)も異なる。 リード、パッド、シンセベース、ベル、その他シンセ音など、 非常に質の高いプリセットが用意されている。ドラムスも結構骨がある音。 波形そのものは、COMPOSERと被るものも少なくない。
MROM
MK-6/MP-7のROMで、Mo'Phattに搭載されているPurePhattとは、 波形は同じでプログラムが若干異なり、ID(BankMSB)も異なる。 HipHop、R&B向けという位置付けで、インスピレーションを沸かせるような、 凝ったつくりのプリセットも多い。 ベース、ドラムス、ギター、エレクトリックピアノ、シンセ音など、 変わった音も普通の音も揃っている。 全体的に音の存在感が強い。ムーディで綺麗な音も多数。

ENSONIQ

ASR-X PRO

グルーヴ系サンプラーの高級品。出音は結構素直な方で、抜けがよく太い。 2MBの内蔵ROMのドラムスやシンセ音も、使える音が押さえてある。 エフェクトの質はかなり高く、外部入力にエフェクトをかけることも可能。 操作感は、シーケンサーを除けば、概ね良好。 サンプラー部は、この手の製品だけあって、録音してから鳴らすまでの手間が比較的少ない。 ASR-10用などのライブラリのコンバートは、ちょっと不完全なところもあったりする。

The Real World
元来は同社シンセのMRシリーズ用の拡張ボード。 エスニック系の音や、ごく普通のドラムキットなど、多数の音を搭載。 エスニック系のリアリティはなかなかに高く、非常に質がよい。 但し、ややアヤシイものもある(MRに差すとちゃんとしてたりして)。

SQ-R PLUS 32VOICE

ensoniQの数少ないラックタイプシンセのひとつ。 SQ-Rに16bit Pianoのサンプルを追加したSQ-R PLUS、 それに更に波形追加をして発音数を拡張したモデルが32VOICEらしい。 アコースティック楽器、エレクトリック楽器、シンセ系の音など、 リアルでは無いけれども豊かで説得力のある音が出る。 エフェクトも、多芸ではないけれども良質なもの。 トランスウェーブ搭載で、変なリード、パッド作りにも力を発揮する。 ドラムスも迫力があっていいんじゃないかな。 適度な波形の少なさと、それなりにツボを押さえたパラメータ、 まずまず綺麗な階層構造が、音を作ろうという気にさせてくれる。 これのフィルターは結構好き。

HAMMOND-
SUZUKI

BH-1000

愛称はSOUND SAURUS。製造は鈴木楽器で、販売は今は亡き (有)日本エニアック。海外ではHAMMONDとして売られていたみたい。 バランスのよいGS音源に、プリセットを選ぶだけの簡易的なオルガン音源と、変な音を少し詰め込んである。 エフェクトにレスリーシミュレータがあるので、オルガンもまあいいと思う。 SUZUKIだけに、鍵盤ハーモニカ "メロディオン" の音が名指しで収録されている。 音は抜けがよいのだが、やや薄く感じる。

KAWAI

GMega

イロモノDTM音源。独特な、丸くて太い音が出る。 エフェクトはリバーブのみ、かつ自由度は低いものの、質はなかなかよいと思う。 シンセ音もそうでないものも独特の質感と説得力のある表情をしている。 ブリブリと鳴るシンセベースとか鋸状波リードとかは、結構凄い。 シンセサイズでは、AM変調まで使えるけど、1ソースで作っている音色を2ソースに直接変更できないし、 エディットバッファが無く、内部メモリを直接編集することになるため、気軽さが無く有効活用できていない。

GMegaLX

GMegaの後継廉価版。 音も内容も、普通に良質のPCM音源といった感じで、GMegaに比べインパクトは薄い。 流行りもののギターやシンセ系を中心に、一発モノなども収録したバンクが新設されていて、結構使えそう。 Drumsの音は、より普通っぽくなってオールマイティになったといえるかも。

K11

とりあえず、私の2台目のキーボード。音源部はGMegaそのもの。 GMegaより微妙にだけど操作感がよく、パフォーマンスモードがあり、簡単に4レイヤー/スプリットができる。 音質はハイの出がGMegaより若干よく、低域のノイズも少ない (個体差かも)。 鍵盤は、あまり重すぎず柔らかめのタッチで私好み。 本体も軽く扱いやすいので、一応うちの打ち込み用マスターキーボードでもある。あんまり使わないんだけどね。

K1r

PCM + VMという方式のディジタルシンセのひとつ。 VMというのは、倍音加算合成によって得られた短周期の波形、ということみたい。 PCM波形及びVM波形を4つまでレイヤーし、それぞれのレイヤーでAEGを使って音色変化を作るというもの。 AMも使え、綺麗な音から結構エグい音まで作れる。 音の抜け感や存在感が結構強いが、ミックスで大変に馴染みやすいという性質を持つ。 パッド、ベルパッド、シンセリードなどに力を発揮する。 操作性は、直感的とは言い難いものの、全体としては悪くない。

XD-5

パーカッションシンセサイザー。音を作り、キットを組んで演奏する。 リアルな音ではないものの、面白い音が多く、シンバル類が弱いことを抜かせば、意外と様々な曲にマッチする。 同社K4やGMegaと同じシンセシスだが、2Uの割に操作性はあまりよく無い。 ちゃんとプレビューボタンがついているのはポイントか。

KORG

M1REX

Korgの名機M1に、Tシリーズの波形を追加したもの(M1EX)の、モジュール版。 Tシリーズには、M3Rの一部の波形が含まれているみたい。 効果音的な音やベース、Tシリーズのプリセット、その中でもパッド類など、使える音も多い。 エフェクターの質も関係しているのだろうけど、気持ちの良い音が鳴る。 マルチティンバーで使うことは、通常は考えない方がいいんじゃないかな。 私はM3Rよりも後で手に入れたんだけど、液晶が大きく、エディット時の見通しの良さは段違い。 操作性もまあまあよく、使える波形が多く、かといって多すぎないので、音作りの作業に集中しやすいと思う。

M3R

M1Rの弟分で、波形変更と、パネルの大幅削減の廉価版機種。 プレイモードはコンビネーション・プレイしかなく、エフェクトはコンビネーションに対してしか設定できない。 プログラムのオシレータモードにDOUBLEが無い、など、内部の仕組みも結構違う。

出音は、レンジが若干狭く、荒くどっしりとしている。 M1に入っている音で、この機種に入っていない音も結構あるけれども、逆にM3Rにしか入っていない波形も結構ある。 そういった波形の中で特に、Rhodesの音に人気があるし、パッドとかベルパッドとかに使えそうな波形があって、 それを愛用している人もいるみたい(M1EXには、それらは搭載されている)。

残念ながら、私の持っている個体は、ボタンが弱っていて、とても音作りに集中できるような状態ではない。 本来の操作性そのものは、あまり良くないとは思うけど、可のレベル。

N1R

Nシリーズのラックモジュールの中では一番音のよいもの、だと思われる。 やや音が軽いけれども、それでもKorgといった面持ちの音。 SGproX相当のステレオピアノを搭載しているらしく、 透明感とヌケのよいその音は、どうしても使いたくなることのある逸品。 他、EP、ベルパッド、ちょっとした歪みギターなどをはじめ、諸々で活躍。潰しが利きやすい。 操作体系は、理解しやすいが煩雑なものとなっている。 一応、05R/WやX5DRのバンクにも対応可能(NS5Rのバンクには非対応)。

01/W FD

M1直系の子孫。 出音はどっしりとしていて、ダイナミックレンジも広めの印象か。 ウェーブシェイピングで派手に音を壊せるので、シンセとしての可能性もそこそこ高く、エフェクトもそこそこの品質。 ソロを任せるにはもってこいだと思う。 実力は高いと思うけど、うちにある個体はかなりスイッチ類の反応が悪くなっているため、ほとんど使わない。 UIは比較的理解しやすいし、操作しやすい方だろうと思う。

X5DR

01/Wの子孫。1UハーフラックのDTM音源という名目だけど、ウェーブシェイピングが無く、 マルチモード向けの強化がされているくらいで、本質的な構造は01/Wとあまり違わない。 音質がちょっと軽くなっている気はするものの、第一線で使っても遜色は無いはず。 特に、同時発音数64というのは、大規模なコンビネーションを鳴らすのに向いていると思う。 ただ、お世辞にも操作しやすいとはいえない。 私は05R/WやX5DR用のSMFを作ったり聞いたりするために持っているようなもの。

KURZWEIL

K2000R

ある意味定番なシンセ。独特の温かみと迫力のある音がする。 内蔵エフェクターは、ノイズ発生器にもなっているが、質感はまずまず。 パラアウトから出力すると、エフェクターを通らないためにノイズも少なくなるし、ダイナミックレンジも上がる。 シンセサイズでは、フィルターに相当するステージで色々な機能が使える。 また、PCMプレイバックとは別に、アナログ風オシレータも用意されていて、 それを使うと、同時発音24音の壁を越えることも可能。操作性も比較的よい。 ついでにサンプリングオプションを装備しているので、単体でサンプリングも可能 (いわゆるプレイバックサンプラーとして使うなら、オプションは不要)。

Orchestral ROM
名前の通り、オーケストラ系の波形・プログラムを拡張するROM。 ティンパニやTAm-TAm(オーケストラでよく使われる銅鑼)の音などは、 この音源や、PC2R用の拡張ROMのものが使いやすい。 管楽器などは表情豊かな音が多く、内蔵ROMの音とはキャラクターが違うので、適宜使い分け。 Stringsは繊細な感じのするものが多く、扱いにはある程度の技術や工夫が必要。 シンセ音なども拡張されたりする。

PC2R

Kurzweilの普及価格帯(?)の、音源モジュール。 即戦力となる音色がプログラムされ、エフェクトOFFでも十分にしっかりとした音を出す上、 マルチティンバーで使った場合も、それなりに扱いやすいため、曲の構築の時に、とりあえず電源を入れる率が高い。 但し、悪い意味で、上品とは言えないプログラムがあるため、どうしても本番収録でその音が使いたい場合などは、 分け録りしてEQで調整などが必要になる場合もあるだろう(パラアウト無いし)。 エフェクトは、音質も、パート毎に量が調整できたりといった機能面も、ともに申し分ないと思う。 プリセットでは、ピアノのプログラムが多数搭載され、よい表情をしているように思う。 パーカッション類も使える音をしている。 アコーディオンとか、ウッドベース(アップライトという名前だけど)とかも、結構好きかも。 KB3モードのオルガンは、機能、出音ともそこそこ。 他、使える音多数だが、拡張ROMを搭載することを前提にしているのか、ソロの擦弦、管楽器などが一切含まれない。 内部的には色々と複雑なシンセサイズの仕組みを持っているようなのだが、 パネルからいじれるパラメーターは限られており、基本的にプリセットを少しいじる程度の使い方が主体。 操作は比較的しやすいが、マスターEQなど一部パラメーターは、 電源を落とすたびに手動で設定しなおさなくてはならなかったりする。

Orchestral ROM
名前は同じだが、Kシリーズ用のものよりも容量が大きく、内容も異なる。 ステレオサンプルが多数搭載されていて、Pizzicato Strings、ティンパニ、TAm-TAm等は圧巻。 また、チューバとかトロンボーンの音色がかなり秀逸で、パーカッション類も全体的に優秀だと思う。 String EnsembleはKシリーズ拡張ROMのものより、使いやすそうな音になっている。 ユーザーバンクを使ってGMにも対応可能。ユーザーがいじれないパラメーターまで使われていたりして、意外と侮れない。 全体的に、奥行き感があり、迫ってくるような感じは抑え目で、ある意味扱いやすいと言える。

PEAVEY

Spectrum Bass

ベース専用シンセ。音色はアコースティック、アップライト、エレクトリック、アナログ、FMとそろっている。 フルエディットはSysExでしか行えないが、一般的な70番台のCCで、軽くエンベロープやフィルターなどの調節が可能。 音はソリッドかつ滑らかな印象。極低音域が少し押さえ気味で、ミックスが楽。

Roland

CM-500

CM-300相当(≒SC-55)のGS音源と、CM-32L相当(≒MT-32)のLA音源とを、ひとつにパッケージした音源。 CM-300とCM-32LをMIDI THRUでつないだようなモード、CM-64エミュレーションモード、 CM-300モード(GM/GSデータ用)、 CM-500モード(1〜10ChがCM-300、11〜15ChがCM-32L、16Chがレイヤー)の、 4つのモードを搭載している。
GS音源部のAPianoやEPiano、LA音源部の笛や木琴や鉄琴やパッドなど、目立たない箇所で結構使われていたりするし、 そういうのを耳にするたび、この音源を使うのもいいのかなと思ったりもするけれども、結局はあまり使わない。 CM-32L部は音量が小さく、S/N比も落ちているんだけど、全体として出音はそれなりに良いと思う。

ちなみに、GMマーク付き、代理発音機能あり、初期化エクスクルーシブに関するバグ無し。 結構恵まれた55系だと思う。

D-110

マルチティンバーのLA音源。 シンセとしての能力は結構高く、LA音源ならではといえるものがちゃんと出る。 但し、ノイズが結構乗る。 本体だけでのエディットのしにくさは、うちの全シンセ(本体で操作できないもの以外)の中で、文句なしのNo.1。

D-550

初代LA音源のモジュール版。落ち着いた、妙に馴染む音がでる。 何らかの楽器の真似をしたと思われる地味に面白い音や、独特のキラキラした音、軽くて濃密な雰囲気のパッド、 生楽器の音をどうにか作り上げましたといったような音など、このシンセならではの音は多数。 色々な曲に混ぜ込んでいきやすい、縁の下の力持ち的な存在。
シンセサイズでは、パーシャル2つでトーン、トーン2つでパッチという構成で、 ストラクチャーを暗記するか確認する必要のあるD-110よりも簡単。 しかし、パラメータの配置や整理の仕方はかなり下手だと思う。

EM-101

SOUND PLUSと銘打たれた、PIANO PLUSというキーボードの拡張モジュール。 プリセットDCOアナログシンセで、ベロシティによる音色変化度と、LPFとが軽くいじれるだけ。 BRILLIANCEを押したまま電源を投入すると、アナログピアノモジュールになる(MIDI Ch=2)。 あとは、なにか押しながら電源を投入すると、受信MIDI Chを変えられる。 私の持っている個体はどこか壊れているのか、ポリモードの音が変になるけれど、 モノシンセとして割り切れば、意外と使えるかも。

JV-880

初期JVシリーズのモジュール版。 音はRolandそのものといった雰囲気。明るく元気で、存在感が強く、まとまりも良い。 エフェクトはリバーブ/ディレイ1基にコーラス1基。 内蔵の音は、生っぽくは無いものの、アコースティックピアノに元気があり、使い出があると思う。 Strings、Pad、Vox、Bassなど、全体的に無難だが元気で瑞々しい印象。 やや古い感じのする光りものの類も結構入っている。Drumsは軽快な感じで、場合によっては結構使える。
エディット画面はパラメータがズラズラと並ぶ、Rolandの伝統的なものだが、 DATAダイヤルの「押し回し」時の、ページやパラメータ値の遷移がよく練られているので、 操作性はまずまず良好といったところ。 発音数28は、パッドやコードなどを鳴らしまくると、すぐに使い切ってしまうのが難といえば難。

SR-JV80-01 "POP"
スタンダードな音色が、広く浅く収録されているボード。よく通る良質な波形が多い。 生楽器、電気楽器類は、比較的素直でクセが少ない。 特に管楽器の類は、場面をあまり選ばないため、個人的にかなり使いやすい。 ピアノは、私にとって郷愁を誘われる音色で、結構好き。 シンセ音は、プリセットのパッチはディレイを切らないと汎用性は低い。 波形として面白いあたりを持っているので、作りこめば結構いけそうな気がする。 全体的に古い感があるので、それを狙って使うのがいいかも知れない。

M-SE1

ストリングアンサンブルの音源。 弦楽器のアンサンブル音色や、ソロ、ソリ音色を中心に、 ホルン、ハープシコード、ティンパニ、ハープ、それとシンセ音やSFXなども若干搭載。 モノ・レガート対応パッチや、RSSという擬似立体音響っぽいものを利用したパッチなども搭載されている。 パッチの数がそれなりに多く、出音は明るめなので、本格的なオケのみならず、 色々な目的で弦の音が欲しいときにもいいと思う。

P-330

RD-300相当の音源を搭載した、SA音源方式のピアノ音源。 発売された時代が時代だけに、アコースティックピアノのリアルさは、 大容量のサンプリング音源には到底太刀打ちできない。 でも、硬質で粘っこいような独特の音をしていて、強弱に対するレスポンスも良好。 今となっては、無い環境が考えられないほどに気に入っている。 EPやビブラフォンの音も入っていて、それらも良好な感触。 ついでにハープシコードとクラビも入っている。 上位機種であるMKS-20とは、EQのポイント数が少なく(3→2)、コーラスエフェクトの回路も違い、 音質はそれなりに落ちるということだが、ハードウェアの丈夫さはこちらが上らしい。

R-8M

ドラム・パーカッション音源。 Rolandのマルチ音源に搭載のドラムスに比べて、やや荒っぽく、とげっちい音が出る。 ニュアンスというパラメータで、微妙な音質の調整も可能。 フィールパッチというもので、バラツキを出して、打ち込みの単調さをなんとかしようという仕組みもある。 本体内蔵の音色もそこそこだけど、拡張カードがあってなんぼ。

SN-R8-01 "Contemporary Percussion"
ドラムス以外の、ラテンやオーケストラ系を中心とした基本的なパーカッションの入ったカード。 割と大したものでもないが、あれば何かの役に立つこともあるかも。音はRoland風味が漂う。
SN-R8-02 "Jazz Brush"
Brushで叩いたドラム音、普通のKick音、アコースティックベースなど。 出来はまあまあといったところで、本格的なBrushを求める向きには物足りないと思う。
SN-R8-03 "Sound Effects"
Roland的な効果音集。質感は結構しっかりしたもの。 SCとかJVのものとはちょっと違うので、あまりにありきたりというほどではないが、音のつくりはやっぱりRoland。 ついでに銅鑼の音も入っていて、かなり良い出来だと思う。
SN-R8-04 "Electronic"
TR-808に加え、いかにも電子な感じの音が少し入っている。割と音抜けが良い感じ。
SN-R8-05 "Jazz"
よく出来たアコースティックドラム集その1。 普通のKick、Snareに、ややとんがったタムの音、相応のシンバルなど。おまけでFretless Bassの音。
SN-R8-06 "Ethnic Percussion"
名前の通り。日本のものもいくつか入っている。 サンプルネタ自体はSC-88Pro内蔵のものと大体同じだと思われる。ただ、質は少し上かなあ。
SN-R8-08 "Dry"
よく出来たアコースティックドラム集その2。名前の通りドライな音が入っている。 スネア、タムが結構いいかな。普通のクラッシュだけでなく、チャイニーズシンバルも入っている。
SN-R8-09 "Power Drums U.S.A."
力強い印象のドラムや、ややファンクな音、響き線無しのスネアドラム、甘ったるいタムの音などが入っている。 目立つ割に邪魔になりにくい音が多く、名前から連想するよりも使える一枚だと思う。
SN-R8-10 "Dance"
現代っ子の必需品? TR-909、CR-78を中心に、らしい音がいくつか入っている。オマケで、TB-303の音が入っている。 この303は、Nuanceパラメータでレゾナンスが "少しだけ" 変化する。 これはこれで、使えるとは思うんだけど、ダンス用の303としては物足りないかも。
SN-R8-11 "Metallic Percussion"
収録漏れを埋めるような、妙なカード。 まず、ハイハット、クラッシュ、ライド、チャイニーズ、スプラッシュ、ハンドの各種シンバルが入っている。 そして、Cowbell、Sleigh Bell、Metallic Castanetなどの普通のパーカッション、CanやBowlといった音などなど。 FlexToneという(たぶん有名な)効果音も入っている。

SC-55ST

SC-55mkII相当の廉価版GS音源。 このmkII/ST系列は、SC-55やCM-300などの初期GS音源に比べて、若干の音色追加などがされている。 素のSine、Square、Sawなどが追加されているので、古いゲーム機のサウンド再現なども、やりやすくなっている。 使える音が無いとは言わないけど、あえて引っ張り出すのも面倒なので、 GSリファレンスとして以外に役立てたことはまったく無い。

SC-880

海外のみ発売のモデルで、音源部はSC-88Proと同じ。88Proとは出音が違って、多少シャッキリとした印象。 JV由来の音を薄くしたような音が一杯入っているので、それなりに使える音も多い。 木管・弦楽器などの生音や、シンセ音のいくつかには、「おっ」と思わされることもある。 操作性は良好で、M-FXをはじめユーザードラム/パッチ/パフォーマンスなどもしっかりと使っていける。 また、ダンプアウト機能の拡充やメモリ管理インターフェイスの向上なども見られる。 他のパートやボーカル等の邪魔になりにくいという特徴があるので、コード楽器をたくさん入れたい場合などに有用。

U-110

Roland PCM音源の初期の頃のもの。 シンセとしての機能はかなり低いが、入っている波形そのものは、なかなか立派といって良いと思う。 使いたい音かどうかは人によるだろうけど。 ノイズが多めだけど、よく言えばスモーキーな感じなので、そういう雰囲気を出したい時には敢えて使うのも手。 ステレオアウトのパンポットが、パートごと固定だったりと不便があるけれど、拡張カードが4枚させるのはポイント。

U-220

U-110のブラッシュアップ版。ノイズが大分払拭されている。 柔らかめのシンセ音、キラキラした音や、結構素直な生音は、今でも十分通用する。JVなどとは違った質感の音が多い。 個人的には、マリンバの波形が気に入っていて、マリンバとしてはもちろん、 高音部をシロフォンのように使うと、ちょっと柔らかめの音がして好み。 エンベロープは、いわゆるDTM音源のようにオフセットエディットなんだけど、 どの波形を使っても、ちゃんと減衰音も持続音も作れるので、実はかなり扱いやすい。
機能面では、U-110に比べて少々煩雑になった気がするが、パンポットやアウトプットアサインなどは自由になっている。 操作に関しては、ボタンの数が多めだけれども、機能の割り振りやメニュー構成が中途半端なためか、 よりボタンの少ないR-8MやU-110の方が、良いように感じる。

YAMAHA

MU128

私が音楽製作用として導入した最初の1台。 音は比較的満遍なく搭載されているが、特にドラムスや、浮遊感のあるパッドなどは、使い出がある部分かと思う。 内蔵のインサーションエフェクト等も充実している。 特筆すべきは、全パート(ドラムは各ノート毎)に対して、2バンドEQ、HPFでの調整ができること。 これらをしっかりと調整してやりさえすれば、非常にメリハリのあるミックスに仕上げることも可能。 定価の割に、ボリュームつまみやボタンの造りが大変にチャチなのはいただけない。

PLG100-DX
DX7の再現ボード。DX7のプリセットと、ボードのオリジナルプリセットの、合計1000近いプリセットを持っている。 本格的な音作りはエディタソフトでないとダメらしい。 EPっぽい音やベルっぽい音、あまり凝っていないリードの類なら、そんなに苦労はしないけど、 その他の音は、まだまだ私の勉強不足。 MU本体のエフェクトやフィルターが使えるので、可能性そのものは相応に高くなっている。

TG300

YAMAHAのDTM音源のかつてのフラッグシップ。 キラキラした音色、Square、Sawといった単純波形、ハープや金管楽器など、味があって結構いいと思う。 それと、ドラムスが結構使える。
「パフォーマンス」は無いけれど、ボイスを自由に組むことが出来る。 エレメントを選び(レイヤー数は最大2)、EGやフィルターを絶対値パラメータで組み、128まで保存可能。 保存した音色は、シングルモード、マルチモード双方で使うことができる。 エフェクトは、リバーブ前段 + リバーブ、コーラス、バリエーション前段 + バリエーションエフェクト、 といった構成になっていて、ドライラインを切ったりもできる。
出音は若干薄いが、(内部・外部問わず)エフェクトのノリが結構良い。 ボタンが少ないが、液晶表示は精細で見通しがよく、ショウエクスクルーシブ機能も導入されている。

TG55

TGシリーズの中でも、FM音源を搭載しない純然たるPCMシンセの1つ。 YAMAHAのその後のPCMシンセに比べると、エフェクトやEQに頼らなくても、のっぺり具合がやや少ない。 内部での音割れもしにくく、出力部の品位は悪くないんじゃないかと思う。 内蔵エフェクターは1系統で、質はまあまあ。 プリセットの方は、チープでややダーティなドラムスが意外と使えるんじゃないかと思う。 あとは、シンセパッドやシンセリードなどが、結構使えそう。
パフォーマンスモードは無いが、ボイスは4エレメントまで。 エレメント毎に2系統(LPF/HPF選択1系統、LPF1系統)のフィルターが使える。 レゾナンスはLPFの場合にのみ使え、LPF2つにしてレゾナンスを効かせると、結構変な音が作れる (ちなみにレゾナンス設定値は2つのフィルターで共用)。 波形数が数十程度と少なく、生楽器重視といった揃え方でもないため、音を作りこむべきシンセだろう。 内部的にはかなり近代的になっており、使い勝手は悪くは無い。 操作の方は、TG500ほど煩雑ではないが、変な部分もやっぱりある。

TG500

SY99のPCM波形を搭載した、純然たるPCMシンセモジュール。
内蔵エフェクターは2種類接続されたものが2系統あり、オーディオ入力の場所や量など、 結構気の利いた調製が可能で使い勝手も良い。 但し、マルチ、パフォーマンス、ドラムボイスでは、 パートの最終ミックス時のドライラインが2本あるんだけど、片方は切っておくこと。 具体的には、エフェクトの片方をWET:DRY = 100:0にするか、パート毎に片方のドライをOFFにする。
EPianoや、ちょっと変なハープ、YAMAHAらしい木管の音、結構表情豊かな金管類、厚みのある軽いStrings、 色々作りこんであるリード、パッドの類や、効果音の類など、使えるプリセットは多い。
私にとっては、最もちょうど良い感じの数や種類の波形が収録されているような気がする1台。 ボイスは1エレメントで、パフォーマンスは4ボイスまでなんだけど、 ボイス4エレメント、パフォーマンス無しのTG55の方が、見通しは立てやすい。 もっとも、TG500の特殊事情(32音ポリで収録波形を異にする音源部が2つ搭載されている)もあって、 ボイスとパフォーマンスを独立させる必要があったのかも知れない。

ZOOM

RT-323

比較的新しめのPCMリズムマシン。ウケの良さそうな音をしていると思う。
ライブな音もドライな音も入っているし、パラアウトも搭載しているので、それなりに使い出がある。 もっとも、ドライな音といってもHPFとEQはある程度調整済みだと思われる。 ベース音源としても使えるが、こちらのサンプリング周波数は、 リズム音に比べてやや落ちるみたい(それが問題とは思わないけれど)。
パッドの感触はまあまあといったところ。 本体が結構しっかりした出来で、家に置いておく分には十分な小ささが、私にはありがたい。


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