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PC2R

音色あれこれ

Strings、StringPad、PanPipe、Organなどが好き。 Stringsは、よりPopな分野によく合うと思う。 Organは、サンプル音も良いが、KB3モードでドローバーを設定して作り込む音色も良いと思う。 APianoはSteinwayっぽい音で、色々と使いやすい。 EPianoはClassicalなものの丸みのある音、ちょっと歪んだ音の甘い感じがいいかな。 ちょっと感情的なFM Tine EPも特徴的。Brass Sect、Sax Sectはかなり使えるものだと思う。 BassはKurzweilらしく低音までどっしりと出るタイプで、曲風によっては使いたいもの。 他、キャッチィなSynth Key音やその他鍵盤楽器音、リアル系のChoirなども面白い。 Synth Padは使いやすそうなものや、柔らかいイメージのものが揃っている。 Synth Leadもそれなりに面白いものもあるが、太いものを期待するとちょっと違うかも。 Drumsは非常に使えるキットが揃っていて、特にクラッシュシンバルの音は格別。 その他のパーカッションは、やたらと音が立っているように思う。

エフェクト

基本的なリバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャー、フェーザー、いずれも質は高い。 ロータリースピーカーも質は高い。ディストーション、コンプレッサーは目的と好み次第かな。 LaserVerbという、ちょっと変な余韻のリバーブのようなエフェクトもあって、これも面白い。 リバーブはクリアーで、センド量を増やせば自然に深くなっていくのが特徴で、Popな分野によく合うと思う。

システムエフェクトユニットは2基で、マルチエフェクト1基(FXA) とリバーブ専用1基(FXB) がある。 マルチエフェクトには最大3つ直列したものも含まれているし、 中にはFXA/FXBの2系統を駆使して、DSPパワーを食う3つのエフェクトを直列にしているものもある。 パートごとにFXA、FXBへのセンド量が決められる他、FXA to FXBの値を全体で1つ決められる (パート設定でFXAを通せば、センド量が0でもFXA to FXB分の効果がかかる)。 エフェクトのパラメータ自体はかなり簡略化されていて、どれを選んでも4つしかないが、その分種類は豊富に用意されている。 全体にかける3バンドEQもあり、ちょっとした調整には役に立つ。

出音の傾向

今風の、さわやかで抜けの良い音をしていて、重心もしっかりとしている。 きらびやかな音、アタック感の強い音などが映える、今風のクールな音質だが、温かみも若干残るか。 ミックス時のさせたときの圧や迫力の出方はやはりKurzweilと思う。

シンセサイズ

基本的にはプリセットシンセ。 プリセットそれぞれに固定されたレイヤーの数とDSP機能しか使えず、パラメータも豊富というほどではない。 しかしその分、ちょっとしたモディファイは非常にやりやすくなっている。 まあ、希望通りの構造をもつプリセットを見つけて、最初からプログラムを組むことは可能だと思うが。

KB3モードは、44Voices分のDSPパワーを消費して実現される(KB3の音自体はポリフォニック数は無限)。 ドローバーの開き具合が自由に調整できる他、色々な機能が揃っており、オルガン専用音源並の音作りが可能。 4本のつまみと3つのシフトとを組み合わせて、9本のドローバーをリアルタイムにコントロールできる。

つまみとボタン類で色々と操作でき、ボタンの数もしっかりとあるため、操作はしやすい方。

他、長所と感じるところ

RPNでベンダーレンジを設定できる。 AUX BENDが存在し、±1oct分のピッチベンドとして使える。 他、CCを中心としたMIDIによるコントロール機能が充実している。 Drum Remap機能で、GM配列に一発で変更できる(但し、扱えるインストの数は相応に減るが)。

他、短所と感じるところ

MIDIによるエフェクトタイプの変更機能や、マルチパートのダンプアウトが存在しない。 FX Change Modeが、電源を入れ直すと必ずAUTOになってしまう(新しいOSバージョンでそうなったらしい)。 シーケンサーからマルチで使う場合、MIDI Recieveモードを使うのだが、 音を細かくエディットしたければ、Internal VoicesモードやKB3モードに切り替える必要があり、そうなると当然、マルチパート設定が壊れる。

向いていると思われること

Popsを初め、さまざまなジャンルの基本音源として。 ピアノ音源やオルガン音源としても、専用音源並に優れたものであると思うので、単機能だけ使うのもいいかも。

私の使い方

メイン音源として基本骨子の組み立てに。

使い方Tips

MIDI経由で設定できないエフェクトの値は、2系統でパラメータも4つずつしかないので、メモでもしておけば簡単に再現できる。 でも、どうしてもMIDI経由で設定したい場合は、ダミーのエフェクト設定プログラムを作成し、曲冒頭にそのプログラムをまずダンプ。 GlobalのEffect Change ModeをAUTOにして、FX Channelの設定を確認。 FX Channelで設定してあるChannelにそのダミープログラムを呼び出すProgram Changeを書く。

注意用語
キーマップ

サンプラー的な概念。あるキーを押したらどのサンプル波形をどのように鳴らすか、という対応を割り当てたもの。 PC2では、キーマップという呼び方はするものの、その中身をいじることは出来ず、 事実上、PCMによるシンセサイズの最小単位となっている。

セットアップ

Korgでいうコンビネーションのようなもの + MIDIコントローラとしての機能。 プログラムを複数利用したレイヤーやスプリットが簡単に作れ、受信したMIDI情報を加工して出力する機能もある。 K2000ではゾーンは3つだったが、PC2では4つのゾーンになっており、 バンクセレクト+プログラムチェンジの外部機器への送信も汎用性が強くなっている。

メーカーサイト

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