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K2000R

音色あれこれ

APiano、AGuitar、木管楽器、金管楽器、擦弦楽器などが好き。 オルガンも非常にいい味が出せる。 アナログシンセ系は、かなり出音が太く抜けが良いと思う。 Lead、Pad、Vox、BellPadなど、いずれも扱いやすいものが揃っている。 ドラムスも、今風ではないが結構好み。

エフェクト

リバーブ系の響きはかなり雰囲気が出る。他はあまり使ったことがない。 モノラル接続されているが、それがかえって、ちょっと曖昧な定位感を出していて良いかも。

エフェクトユニットは1基で、送り量はマルチパート全体しか設定できない。 但し、エフェクト自体の設計の自由度はそれなりにある。 D/A→A/Dを通してからエフェクトに入力され、更にD/Aを通して出力されるため、 ノイズ発生器になってしまっているよう。 ある意味、K2000の出音を独特にしている最大のものの一つであるように思う。

出音の傾向

全体的に音の存在感が強く、艶があり、ふくよか。 ミックス時のさせたときの圧や迫力の出方が半端じゃない。 波形的に今ひとつリアルでなくて、やや古くさい感じがしても、 実際に混ぜると、音に命みたいなものが感じられる…って、 これは流石にひいきが入ったかな。

シンセサイズ

レイヤーにキーマップを選び、アルゴリズムというものを選ぶ。 それから、選んだアルゴリズムで使えるDSP機能を選択(加工用DSPの数はアルゴリズムによって1〜3と変化)し、 そのDSP機能をエディットする。DSP機能は、フィルターやEQといったものから、 Dist、Wrap、PWM、Shaper、Hi Freq Stimulatorといったものまであったりする。 さらにアルゴリズムによっては、オシレータにもDSP機能を使って発生させるサイン波、矩形波、鋸波などを選択したりできる (これらのDSPオシレータだと最大同時発音数72らしい)。 既存のサンプルにそれらの波形を加える機能や、Shape Mod Oscという、サンプルと波形とで演算をしてモジュレーションさせる機能もある。 途中で2つのパスに分割されるアルゴリズムを使うと、アンプ部分で掛け算を行って出力したりもできる…。 鋸波2つでSYNCさせるアルゴリズムもある…。 更に、2つのSrcを選び、それぞれを演算(和・差・積からLPFやその他色々な演算がある)してから、 1つのDestを変化させるという、マトリックスモジュレーションにプラスアルファする機能まである。

オプションを搭載しなくても、FDやSCSI経由でサンプルを読ませて、 プレイバックサンプラーとして使える。 一度読ませると、ROMサンプルと全く同様に扱えるため、 サンプルを組み合わせてキーマップを作り、キーマップでレイヤーを組み、 フル機能でシンセサイズすることができるのが強力だろう。 あまり使ったことはないけど。

基本的には、Functionキーとホイールを用いて、今日に近い操作感覚で扱え、 また、各部分にカーソルを合わせてエディットボタンを押すと、 そのエディットページにジャンプできたりと、多少は気が利いている操作性を持っている。

他、長所と感じるところ

マルチパートのダンプをするときに、 ユーザーエフェクトやユーザープログラムなどを使っていると、 いっしょにダンプするかどうか訊いてくるところ。 ディスクのフォーマットがFATであり、PCでの管理がしやすいこと。

他、短所と感じるところ

クイックアクセスモードで、プログラムなのかセットアップなのか区別が見た目では付かず、選択して初めて分かる。 そこで、間違ってセットアップを選んでしまうと、数チャンネル分の設定が壊れる…。 マルチパート設定が本体に保存できないことと、それに関連して、 電源を切ってから入れると、プログラム選択は保持されるのに、 音量とパンはデフォルト値に戻ってしまうこと。 扱えるディスクサイズの制限が少し厳しい。 この機種の宿命だけど、ディスプレイパネルが暗く、コントラストが悪い…。

向いていると思われること

POPSやOrchestraには、拡張ROM無しでも結構強力だと思う。 他、不思議系のパッドを作るのも得意。 割と何にでも向いてるんじゃないかな…。

私の使い方

Synth Pad、Bell Pad、Voxなどではよく使う。 あまり難しいことにまで手は出してないけど、やっぱり音を作るシンセ。 それと、木管、金管、擦弦楽器などもちょくちょく使う。 曲データの冒頭に、使用するオブジェクトを全てダンプしておくことがほとんど。 楽だし。

使い方Tips

マルチパート設定は、必要に応じてダンプしてから電源を切らないと、ちょっとだけ悲しい思いをする…。

注意用語
アルゴリズム

使えるDSP機能と、その接続を決めるための、大きな枠組み。 自由度が若干削がれるが、操作性は向上するかも知れない機能。

キーマップ

サンプラー的な概念。あるキーを押したらどのサンプル波形をどのように鳴らすか、という対応を割り当てたもの。 K2000では、ROMおよびRAMのサンプルを使い、独自に設計することもできる。 一般的なPCMプレイバックシンセでは、Element、Sound、Tone、Wave、Sampleなどと呼ばれ、 直接エディットすることのできない、プログラム・パッチの最小単位となっている場合が多い。

クイックアクセス

K2000のデータ管理機能の一つ。 プログラムやセットアップをカテゴリー別に分類し、選択できる機能。 単一のプログラムやセットアップを、複数カテゴリーに登録できたりと強力。 ではあるのだが、プリセットのクイックアクセスで、 プログラムとセットアップを同じカテゴリーに突っ込むのはやめて欲しかった…。 プログラムを選んでいるつもりで、見た目に区別がつかないために間違ってセットアップを選ぶと、 数チャンネル分のデータが変えられてしまう…。

セットアップ

Korgでいうコンビネーションのようなもの + MIDIコントローラとしての機能。 3つのゾーンに、プログラムを選択してレイヤー・スプリットを簡単に作ったり、 MIDI INからMIDI OUTへデータをパッチングする機能などが使える。

メーカーサイト

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