9 July 1995
今日は Kerrang!誌で最優秀英国新人バンドに選ばれたスカンク・アナンシーについてお知らせしましょう。黒人女性ヴォーカル。しかもスキンヘッド。その名も
SKIN をフロントに据えた英国産ロックバンド。下積み期間は結構長いみたいなんですけど、One
Little Indian レーベルからシングルをリリースし始めたのは今年に入ってから。今のところ以下の2枚が出ています。
"Selling Jesus" (UK#46/95)
"I Can Dream" (UK#41/95)
1枚目が赤っぽいジャケット、2枚目は緑っぽいジャケです。それぞれ4曲入り。今年中にはフルレンスアルバムをリリース予定とのこと。さて音の方ですが、ルックスや男女/人種混合のバンド編成からは想像しにくい至極まっとうなハードロック。リヴィング・カラーのように(いい意味で)屈折したブラックHRではなく、素晴らしくパンチと伸びのある
SKIN のヴォーカルをフィーチャーしたロックを楽しめます。もっとも歌詞はかなり過激で時には政治的でもあります。基本的に楽曲が粒揃いで、バックの演奏も非常にシャープなギターリフを中心に切れ者のテクニシャンばかり。
こちらでは彼らのライヴが大評判になっています。SKIN
の圧倒的なステージ切り盛りぶりを伝えるレビュウをあちこちで目にします。そういえば先日はBBCの
Top of The Pops に出演してビョークの
"Army of Me" というシングル曲をデュエット(というか一方的に破壊…)していましたが、現在のUKシーン(ビョークはアイスランドだけどさ)を代表する2大女性ヴォーカリストの競演とあって大いに盛り上がるステージでした。One
Little Indian のレーベルメイトということで実現したこの組み合わせは
Bjork のシングルにも収められていますが、まさに企画の勝利。
SKIN の鬼気迫るハイテンションのヴォーカルには
「憑き物」 を感じずにいられません。ライヴは本当に凄そう。スカンク・アナンシーとしてグラストンベリー・フェスティバルに出演したようですが、見逃したのがとても悔やまれます…
May 2002 追記
アルバムが出るずっと前に先物でシングルを買うという喜びを覚えたのはこのあたりです。この後アルバムを数枚リリースし、ますます評価を上げながら惜しまれつつ解散したスカンク・アナンシー。デビュー前後のテンションとインタビューでの確信犯的な過激なモノ言いが懐かしいです。壮絶なライヴを見ることができたのはこの約半年後でした。
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