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artist : VINCENT GALLO
title : 『 WHEN 』
release : 2001年
label : WARP RECORDS
tracks ( cd ) : (1)I WROTE THIS SONG FOR THE GIRL PARIS HILTON (2)WHEN (3)MY BEAUTIFUL WHITE DOG (4)WAS (5)HONEY BUNNY (6)LAURA (7)CRACKS (8)APPLE GIRL (9)YES I'M LONELY (10)A PICTURE OF HER
tracks ( analog ) : 未確認
all music was written and performed by VINCENT GALLO.
all music was produced by VINCENT GALLO.
related website : 『 VincentGallo.com 』(公式サイト)




 キング・クリムゾンの強い影響下にある作品なので「ROCK」扱いにしようか、あるいはテクノのレーベル「WARP」からリリースされているので「CLUB MUSIC」扱いにしようか、はたまた一応全曲書いて、歌って、演奏しているのが本人だから「SINGER/SONGWRITER」扱いにしようか迷った挙句、その感覚のトンガリ具合を汲んで「AVANT-GARDE」扱いにすることにしたのだけれども、聴く人によって多少解釈の違いもあることだから、上記のどれに属させても構わないと思う。逆に言えば、こういう音楽こそ、他のジャンルへリンクしていくのに最適とも言えるのではないだろうか?ま、あまり細かいジャンル分けは気にせずに音そのものに触れてみて頂きたい。


(1)I WROTE THIS SONG FOR THE GIRL PARIS HILTON  ▲tracks
 断続的に鳴り続ける通奏低音代わりのようなサックス、キング・クリムゾンのギタリスト〜ロバート・フリップのトーンに似せたようなギター、そこに絡むメロトロン。キング・クリムゾンやプログレッシヴ・ロックが好きな人なら、一発でピンとくる(1)。しかしこの曲はまだ、この切なすぎるアルバムのほんの序章に過ぎない。


(2)WHEN  ▲tracks
 目の前で演奏しているかのようでありながら、限りなく幻想的なギターのアルペジオ、朧げなベース、そしてジャズ・トランペッターでありながら中性的な声のジャズ・シンガーでもあるチェット・ベイカーを更に繊細にしたような、ギャロ自身の呟くようなヴォーカル。どことなくキング・クリムゾンの牧歌的/幻想的な面を彷彿させるこの(2)で、ノック・アウトされること必至。


(3)MY BEAUTIFUL WHITE DOG  ▲tracks
 終末感/観漂うメロトロンとダウナーで途切れがちなブレイク・ビーツをバックに、ギターやベースがフリーな演奏(とはいってもコード感を逸脱するほどではない)を展開する(3)。途中、日本の琴のようなサンプリング音(意外と実物?)が挿入されたりする。


(4)WAS  ▲tracks
 明るいトーンのギターの揺らめきが、どこかの荒野に立ち尽くしているかのような錯覚すら起こさせる(4)。トーンをいじった上に、ザラつかせたような処理をしたヴィブラフォンが更に孤独感を増す。しかしその孤独感は、決して不快だったり、寂しかったりするわけではなく、むしろどこか清々しい気分にさせられる。


(5)HONEY BUNNY  ▲tracks
 何やら、どこかの国のどこかの小さな村で歌い継がれている、古い子守唄のような雰囲気を感じさせる(5)。それでもやはりキング・クリムゾン×チェット・ベイカーという感じ。


(6)LAURA  ▲tracks
 ニュー・ヨークの「ノー・ウェイヴ」ムーヴメントから出てきたフェイク・ジャズ・バンド〜ラウンジ・リザーヅの初代ギタリストで、後に先鋭的なブラジル系の音楽を志向するようになったアート・リンゼイあたりが歌っていてもおかしくなさそうな(6)。この曲がO.K.な人なら、アート・リンゼイの 『 THE SUBTLE BODY 【曖昧な存在】』 がオススメ。


(7)CRACKS  ▲tracks
 ストローク音が目立つギターをバックに、比較的自由な演奏を繰り広げるベースが印象的な(7)。左右のチャンネルの遊んでいるかのようなギターもいい。


(8)APPLE GIRL  ▲tracks
 あまりにノン・エフェクトで呟くように歌うので、誰か他の人が部屋の外で聞いたら、「ん? 誰かこの部屋で歌っているぞ。」と勘違いされそうな程にリアルな(8)。伴奏はボンヤリと鳴るギター(聴き様によってはピアノのように聴こえる瞬間もあるのだが)のみ。


(9)YES I'M LONELY  ▲tracks
 半音ずつ下降するクリシェをベースに寂寥感タップリに歌われる(9)。“寂寥感タップリ”ということは“空虚”であることと同義と解釈されそうだけど、とてつもない孤独感が充溢していて、それがピンと張り詰めているために、スカスカな空虚感は感じられないのだ。矛盾した表現のようだが、ホントにそう感じるのだから仕方がない。


(10)A PICTURE OF HER  ▲tracks
 最後の(10)は本作では一番長尺な曲で、7分弱もある。初めの方で、バックで鳴るアコースティック・ギターのフレイズは、フォークのようでありながらも、時に日本の演歌ギターのような顔も覗かせる(ほんのちょっと)のが面白い。途中からドラムやピアノも入ってきたりと、本作中では一番多く楽器が使われているのではないだろうか。とは言っても本当に静かな曲。


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