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artist : FRED FRITH |
title : 『 GRAVITY 』 |
release : 1980年 |
label : RALPH RECORDS |
tracks ( cd ) : (1)THE
BOY BEATS THE RAMS (KLUK TLUCE BERANY) (2)SPRING
ANY DAY NOW (3)DON'T CRY FOR ME (4)HANDS
OF THE JUGGLER (5)NORRGÅRDEN NYVLA (6)YEARS
OF THE MONKEY (7)WHAT A DILEMMA (8)CRACK
IN THE CONCRETE (9)COME ACROSS (10)DANCING
IN THE STREET / MYENEMY IS A BAD MAN (11)SLAP DANCE
(12)A CAREER IN REAL ESTATE (13)DANCING
IN ROCK-VILLE, MARYLAND bonus tracks : (14)WALKING AGAINST SLEEP (15)TERRAIN (16)MOERIS DANCING (17)GEISTIGE NACHT (18)LIFE AT THE TOP (19)OH WIE SCHÖN IST PANAMA! |
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(6) / side B...(7)〜(13) (14)〜(19)はCD化の際に加えられた。 |
regular
members : (1)〜(6) : FRED FRITH,bass,guitar,violin ; HANS BRUNIUSSON (ZAMLA),drums
; EINO HAAPALA (ZAMLA),guitar,mandolin ; LARS HOLLMER (ZAMLA),piano,organ,accordion
; MARC HOLLANDER (AKSAK MABOUL),alto sax,clarinet. (7)〜(13) : FRED FRITH,bass,guitar,violin,keyboards,drums (7,11,13) ; MARC HOLLANDER (AKSAK MABOUL),alto sax,bass clarinet ; DAVE NEWHOUSE (THE MUFFINS),alto sax,organ (10) ; TOM SCOTT (THE MUFFINS),soprano sax (11) ; PAUL SEARS (THE MUFFINS),drums (7,8,10,11,13) ; BILLY SWANN (THE MUFFINS),bass (8,10,11,13). guest musicians : (1)〜(6) : OLIVIA BRUYNHOOGHE,tap dancing,clapping ; CHRIS CUTLER (ART BEARS),snaredrum (3),maraccas (3),clapping ; TINA CURRAN (AKSAK MABOUL),whirling,clapping ; CATHERINE JAUNIAUX (AKSAK MABOUL),whirling,clapping ; FRANK WUYTS (AKSAK MABOUL),whirling,recorders (6),clapping ; MICHEL BERKMANS (AKSAK MABOUL),clapping ; ETIENNE CONOD,clapping ; DENIS VAN HECKE (AKSAK MABOUL),clapping ; VERONIQUE VINCENT (AKSAK MABOUL),clapping ; ASHA SWANSON,final comments. (7)〜(13) : TINA CURRAN (AKSAK MABOUL),subliminal bass (7) ; FRANK WUYTS (AKSAK MABOUL),drums (9) ; HASSE BRUNIUSSON,subliminal drums (10). |
(1)〜(13) produced by FRED FRITH & ETIENNE CONOD with criticism from TINA CURRAN (AKSAK MABOUL),MARC HOLLANDER (AKSAK MABOUL),VERONIQUE VINCENT(AKSAK MABOUL) and CHRIS CUTLER (ART BEARS). |
related website : 『 FRED FRITH . COM 』(公式サイト)、『 The Muffins, Tom Scott, Paul Sears, Dave Newhouse, and Billy Swann 』(マフィンズの公式サイト)、『 chris cutler 』(クリス・カトラーの公式サイト) |
本作は基本的には2部構成で、アナログ盤でいうA面にあたる(1)〜(6)までが第1部、B面にあたる(7)〜(13)までが第2部となっている。これに'91年、スイスのREC REC MUSICからCD化されるにあたって(14)〜(19)が加えられている。 |
第1部はスウェーデンの民族音楽的なグループ〜ツァムラ(僕は未聴)が、第2部はアメリカのジャズ/プログレッシヴ・ロック・グループ〜ザ・マフィンズがそれぞれバッキングを担当しているので、第1部は民族音楽色が濃く、第2部はロック色が濃くハードな演奏になっており、アルバム全体にはベルギーのグループ〜アクサク・マブール(これも未聴)が深く関わっている。そして音階や変拍子を多用したリズムに、ブルガリアを始めとするバルカン半島に伝わる音楽の影響が散見される。 |
(1)THE BOY BEATS THE RAMS (KLUK TLUCE BERANY) ▲tracks |
不吉な笑い声と金属音で始まる(1)。続いて、日本のお祭の太鼓の“練習シーン”のような太鼓の音とヒュルヒュルと何かを回転させる音、そして少し調子っぱずれなラッパやヴァイオリンの音が聴こえる中を、何か異常な事態でも起きたかのようなギターのフレイズが登場。徐々に緊張感を増していく。 |
(2)SPRING ANY DAY NOW ▲tracks |
前曲での緊張感がウソのような、そしてタイトル通りに朗らかで脱力感タップリの5拍子(2)(サビでは普通の4拍子になる)。ドラムはリム・ショットを使ったりして軽快なボサ・ノヴァのようなニュアンスを持ち、メロディーは何となくラグ・タイムのようなコミカルさを持っている、何とも不思議な曲。明るくマヌケなホーン・セクションもトボケた魅力を放っている。 |
(3)DON'T CRY FOR ME ▲tracks |
「ホラ、早く行けよ!」と急き立てるかのような縦に刻むビートが特徴的な(3)。マンドリンが刻む民族的でコミカルなAメロと、エレキ・ギターによるシリアスなBメロが対照的。曲の間中、「パパッパ、パパッパ...etc」という手拍子が鳴り続ける。曲はブツリと切ったように終わり、その後に手拍子に乗せて民族的なタップ・ダンスが披露される。 |
(4)HANDS OF THE JUGGLER ▲tracks |
前曲と被さるようにして始まる(4)。何やらカキコキと屈折した民族舞踊が繰り広げられているような部分から、ヒラヒラと飛び跳ねて回る孫悟空のような展開や、エレクトリック・ピアノによる不思議なフレイズの中、「ドンドコドンドコ」と太鼓が連打される展開を経て、スリリングなアラビア音階っぽい5拍子へ突入。「ジャグラーの手」と題されたこの曲、ジャグラーの登場から、“ツカミ”、そしてその見事な技が披露されていく様を描ききったように思える。エンディングの、声明(しょうみょう)と一緒に聴こえる、ぬかるみを歩くような音は一体何を意味するのだろうか? |
(5)NORRGÅRDEN NYVLA ▲tracks |
8分の15拍子と3拍子で構成された(5)。“明るい”というより“栄光に満ちた”という言い方のほうが相応しいようなAメロが8分の15拍子、威厳あるBメロが3拍子、機械的で混乱したようなCメロは再び8分の15拍子という具合。エレキ・ギターがメインなため、A面の他の曲に比べて民族臭は薄め。 |
(6)YEARS OF THE MONKEY ▲tracks |
「アオォ〜〜〜〜〜」という悲鳴にも似た雄たけびで始まる(6)。その直後不吉なストリングスによる不協和音が挿入されたかと思うと、その中から冷たく冷笑的なキーボードによるワルツが聴こえてくる。徐々にエレキ・ギターの不思議なメロディーも入ってきて、不気味な舞踏会のようになってくる。そのうちワルツのリズムとは無関係に、皮を少し緩めに張ったような太鼓が連打され、それがどんどん速度を増していく。その傍らでは拙さと狂気が紙一重なリコーダーが吹き鳴らされている。最後になぜかサンプリングされたようなラテン音楽の演奏が流れてくる。 |
ここまでがツァムラとの共演によるA面。続く(7)からはマフィンズとの共演によるB面。 |
(7)WHAT A DILEMMA ▲tracks |
アメリカの人気テレビSFドラマ 『 TWILIGHT ZONE 』 の名物フレイズをメタリックにしたようなゾリゾリとした戦慄を感じさせられる(7)。「ブブッブブーーー」とぶっきらぼうに不協和音を吹くホーン・セクションがちょっとコミカル。マフィンズが参加しているのでこうなるのだなと納得。何となくキング・クリムゾンのようでもある。 |
(8)CRACK IN THE CONCRETE ▲tracks |
キャプテン・ビーフハートやマーク・リーボウの 『 REQUIEM FOR WHAT'S-HIS-NAME 』 のいくつかの曲を思い起こさせる、ガタゴトと不規則に転がるような(8)。1分ちょっとで終わってしまう。 |
(9)COME ACROSS ▲tracks |
このアルバムでは異色と思えるほどストレイトでスピーディーな(9)。カーチェイス・シーンでも使えそうな雰囲気だ。普通のビートに混じって「ガチャッ、ガチャッ」とメタル・パーカッションのような音も聴かれる。途中から忍び寄るバス・クラリネットの不穏さがカッコいい。 |
(10)DANCING IN THE STREET / MYENEMY IS A BAD MAN ▲tracks |
なぜかメドレーの(10)。「DANCING
IN THE STREET」はマーサ&ザ・ヴァンデラスのカヴァー。ミック・ジャガーとデイヴィッド・ボウイのデュエットや、ローラ・ニーロとラベルの共演(『 GONNA
TAKE A MIRACLE 』 に収録)でも知られる曲。 チューニング中のラジオをバックに、ボスボスと重いビートと、か細く頼りないペナペナしたギター(と思われる)が淡々と流れていく。 「DANCING〜」と入れ替わりでフェイド・インしてくる「MYENEMY IS A BAD MAN」。「ドットコ、ドットコ」というパーカッションに合わせて、ピアノとちょっとビートルズの「OB-LA-DI, OB-LA-DA」に似た感じのベースが伴奏を付けて、若干音色は違うもののまたもやペナペナなギターが旋律を奏でる。 |
(11)SLAP DANCE ▲tracks |
(5)のように8分の15拍子と3拍子で構成された(11)。ただし、こちらはリズムを縦に刻むようなアップ・テンポな曲。全体的に奇妙なフレイズを連発してくるギターなのだが、終盤は右チャンネルと左チャンネルに変わり番こに録音して、フレイズを振り分けるという遊び心(?)も見せる。 |
(12)A CAREER IN REAL ESTATE ▲tracks |
民族音楽的なA面に入っていてもおかしくないような(12)。ヴァイオリンやガット・ギターによる中近東〜東欧の音楽のようなメロディーは聴き手を異国の地にワープさせてくれる。 しかし、やはり待っていたマフィンズ節。エレキ・ギターによるキング・クリムゾンのようなフレイズが途中に挿入されてくる。エンディングはこのフレイズでフェイド・アウト。 |
(13)DANCING IN ROCK-VILLE, MARYLAND ▲tracks |
(8)にソックリのガタボコした(13)。しかしこちらには(8)にあったようなシャッフル感がなくホントにフリーな演奏といった感じ。そのうち、きれいなピアノがフェイド・インしてきて心和むように終了。 |
ここまでが本作のオリジナルな収録曲。(14)〜(19)はCD化の際に付け加えられたボーナス・トラックで、本作の流れとはまるで関係ない未発表音源(ヘンリー・カウやアート・ベアーズのために書かれた曲、アクサク・マブールやスケルトン・クルーの曲等)なのでかいつまんで説明すれば、(14)〜(18)は本作とは関係がないとは言いながらも、本作に収録されていても違和感なく聴ける曲調。(19)のみが異色なギターのタッピング・ソロ。(16)ではダグマー・クラウゼ(元&現スラップ・ハッピー、この時点ではアート・ベアーズ)の戸川純のようなヴォーカル(いや、その逆か)を聴くことができる |
因みに、ジャケットの絵を描いているのはロバート・ワイアットの奥さんとのこと。 |
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