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artist : ANDRÉ HODEIR, LE JAZZ GROUPE DE PARIS
title : 『 JAZZ ET JAZZ 』
recorded date : (1)_1952年(ピアノ・ソロのみ1960年) 他の曲の詳細は不明
label : FONTANA
tracks ( cd ) : (1)JAZZ ET JAZZ (2)TROPE A SAINT TROP (3)JAZZ CANTATA:I‐II‐III‐IV‐V‐VI‐VII (4)OSYMETRIOS I (5)FLAUTANDO (6)LE PALAIS IDEAL:I‐II‐III‐IV et V-VI-VII (7)OSYMETRIOS II
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(4) / side B...(5)〜(7)
members : (1)_EMMANUEL SOUDIEUX,bass ; RICHIE FROST,drums ; ROGER GUERIN,trumpet ; MARTIAL SOLAL ,piano solo.
       (2)(4)(7)_ROGER GUERIN,trumpet ; NAT PECK,trombone ; GEORGES GRENU,tenor sax ; MARTIAL SOLAL ,piano ; PIERRE MICHELOT,bass ; KENNY CLARKE,drums.
       (3)_CHRISTIANE LEGRAND,soprano solo ; ROGER GUERIN,CHRISTIAN BELLEST,trumpet ; ANDRÉ PAQUINET,trombone ; PIERRE GOSSEZ,alto sax ; GEORGES GRENU,tenor sax ; ARMAND MIGIANI,baritone sax ; JEAN-PIERRE DROUET,vibraphone,bongos ; PIERRE MICHELOT,bass ; CHRISTIAN GARROS,drums ; ANDRÉ HODEIR,direction.
       (5)_RAYMOND GUIOT,flute ; MARTIAL SOLAL ,piano ; PIERRE MICHELOT,bass ; KENNY CLARKE,drums.
       (6)_ROGER GUERIN,CHRISTIAN BELLEST,trumpet ; NAT PECK,trombone ; HUBERT ROSTAING ,alto sax ; GEORGES GRENU,tenor sax ; ARMAND MIGIANI,baritone sax ; JEAN-PIERRE DROUET,vibraphone,bongos ; PIERRE MICHELOT,bass ; CHRISTIAN GARROS,drums.
producer : 不明
related website : 未確認




(1)JAZZ ET JAZZ  ▲tracks
 問題の(1)。この曲はそのサウンドの性質上、“ジャズ”というよりは“ジャズを素材にした現代音楽”と呼ぶ方がより相応しい。トランペットやピアノ、シンバル他を録音したテープの倍速再生や逆回転した (他にも色んな手法を使っているかも) 素材を、更に切り貼りするという荒技は、完全にミュージック・コンクレートと呼べるもの。この時代にこういうサウンドを、“即興的側面の強い”ジャズで試みていたのはやはり驚きだ。即興といえばマーシャル・ソラールのピアノ・ソロがフィーチャーされてはいるが、あくまで主役はバック・トラック。不気味でコミカルなバック・トラックは理屈抜きで楽しめる。


(2)TROPE A SAINT TROP
(3)JAZZ CANTATA :I‐II‐III‐IV‐V‐VI‐VII  ▲
tracks
 オーソドックスなブルーズの(2)を挟んで、本作の (早めの) ハイライトで組曲の(3)。 (皆さんご存知かも) ここで歌うクリスチャンヌ・ルグランは、「シェルブールの雨傘」や、最近車のCMでお馴染みになってしまった「ARRIVEE DES CAMIONNEURS (ballet) 【キャラバンの到着】」 (サウンドトラック 『 LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT 【ロシュフォールの恋人たち】』 に収録) の作曲者として有名なミシェル・ルグランの姉。ミシェル・ルグラン作品他、ブルー・スターズ等といった様々なジャズ・コーラス・グループで活躍した、フレンチ・ジャズ・ヴォーカリストの最高峰と言っても決して過言ではない存在 (もう一人ダブル・シックス・オヴ・パリのミミ・ペランという凄い人もいるが) 。その彼女の驚異的で実験的な演唱は、必ずやあなたを圧倒することだろう。日本人でこんなことやってくれそうなのは伊集加代子か森山良子 (←この人実は結構凄いんです) ぐらいだろうか。この曲、聴き所はこれだけじゃなくて、クールなヴィブラフォン・ソロやミュート・トランペット・ソロがあったりして色々楽しめる。


(4)OSYMETRIOS I
(7)OSYMETRIOS II  ▲tracks
 続く(4)や最後の(7)のタイトル「OSYMETRIOS」はセロニアス・モンクの「MYSTERIOSO」 (『 COMPLETE THELONIOUS MONK ON BLUE NOTE VOL. 2 』 に収録) のアナグラム (スペルの並べ替え) になっている。(4)は数回のテンポ・チェンジを経る中、トランペット・ソロや (わざと) ぎこちないアプローチをして見せたりするピアノのソロを展開していく。(7)は(4)のヴァリエイション。ここでのマーシャル・ソラールのピアノ・ソロがいい。最後はドラム・ソロで終わる。


(5)FLAUTANDO  ▲tracks
 再び実験的な、フルートの多重録音の(5)。曲調はブルージーなジャズだが、細かいフレーズをピタリと合わせたフルートがかなり不気味でユーモラス。全編アドリブなしで進行していく。


(6)LE PALAIS IDEAL :I‐II‐III‐IV et V-VI-VII  ▲tracks
 本作2つ目の組曲(6)。映画のサウンドトラックという側面もあるため、テンポは遅いながらもドラマティックな展開を見せ、最後はホーン・セクションの高音を使った錯乱した様なエンディングで幕を閉じる。探偵ものやスパイもの、場合によっては円谷英二の怪奇特撮もののシーンで使われそうな曲。途中、不協和音的なホーン・セクションをバックに展開するヴィブラフォン・ソロがいい。


 なお、本作は前にも少し触れたが、映画 『 SAINT TROPEZ BLUES 【赤と青のブルース】』 と 『 CHUTES DE PIERRES, DANGER DE MORT 』 (当方、両方共に未見) のサウンドトラックとして作られたもの。


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