まずは、何処に行けばセッションに参加できるか、短期滞在であればあるほど調べておいたほうが無難である。インターネット普及前は、仲間内やガイドブック等の情報からある程度状況を把握してあとは現地での情報収集、と言う手段しかなかった。今では日本に居ながらにして結構な情報をインターネット上で集めることが可能。クラブの月間スケジュールを知ることだって結構出来る。

私の場合、このコーナーのTOPで紹介したwebtunes.comというサイトで情報収集。当初、マンハッタンに何店か存在すると聞いていたブルース・セッションの開かれるお店は、その時点で定期的にやっているのはシカゴに本店がある「Chicago B.L.U.E.S.」のみと知る（他に結構レベルの高いセッションが評判だった「Manny's Car Wash」などがあったが、'99年6月に閉店）。また、毎週日曜と聞いていた同店のブルース・セッションは、我々の行った8月は毎週月曜に変更となっていた。事前にこうやって分かると滞在中のスケジュールも立て易い。ついでに見たいミュージシャンの出演予定もチェック。旅行計画は、夜のクラビング・スケジュールから決まっていった。

「機会があったら飛び入りでも」と考えている程度だったら、まあ、手ぶらの旅で良いかと思う。が、セッションに参加するつもりで行くのなら自分の楽器を持参した方が良いし、楽器を持ってクラブに行けば飛び入りの機会もぐっと増える。

以前シカゴに行くにあたりせっかくだからセッションにも参加したいと思っていたものの、一人旅の荷物が増えることにどうも抵抗があり、いざとなったら現地調達でと楽器を持たずに出掛けたことがあった。シカゴに着いて「ブルース・エトセトラ」で毎週水曜にセッションがあることを知り、結局セッション当日と前日の2日間、楽器探し（というか楽器屋探し!?）に費やす羽目になってしまった。で、そう言うときは切羽詰まっているので日本に帰ってから使わない様な楽器で妥協してしまう可能性も大いにあるし（私自身その時は気に入って買ったつもりであったが、そのギターも今は手元にない）、さんざん探した挙げ句、気に入ったものが見つからないこともありえる。無駄な買い物をしないためにも、楽器持参を心掛けたい。

で、上記シカゴ話の続き。想像を絶するような猛暑の中、2日間楽器探しに歩き回り消耗しきっていた私。何とか気に入った楽器をゲットしたまでは良かったのであるが・・・。ギターを手にホテルに戻り気合を入れて弦を張り替え、ブルース・エトセトラのセッションに出かけるまで暫く身体を休めようとソファに身体を沈めたのが運の尽き。気が付けば高層ビルに反射する朝陽が、私の上に燦々と降り注いでいたのであった。

ということで今回は自分のストラトを持参。ギグ・バッグで機内持ち込みをしたのであるが、航空会社・乗務員によってその対応は色々（あまり乗せたくないのが本音のよう）。クローゼットに入れて預かってくれることもあれば、席の上の棚に荷物と一緒に入れるよう指示される場合もある。飛行中に楽器がどうなるか分からないので、いずれもここら辺は自己責任で（この点フェンダー・ギターは丈夫が取り柄で助かる）。なお、気圧の変化が楽器に影響するのでご注意を。弦を弛めておくのは基本である。また、出国の際に輸入楽器の持ち出しは申請を忘れずに。

他にもセッションを設けている店がないか、地元情報誌等でチェック。また、お目当ての店のセッション・デイが変更になってないかもチェックする。

我々はクラブの下見も兼ねて週末の「Chicago B.L.U.E.S.」へ。「週末は稼ぎ時だし良いミュージシャンが出ているのでは!?」と期待していたが、見事に外れた。この「Chicago B.L.U.E.S.」、入って右手に一段高くテーブル席、左手にカウンター、センターはダンスフロアというか、スタンディングとなっている。ステージの正面にもテーブル席があり、その両サイド、壁に沿って一段高くベンチ席が設けられている。ステージは奥から5m程手前に設けられている。ステージ裏にもソファやテーブルがあり、恐らく楽屋代わりに使われたりするのであろう（実際、セッションの時はここで準備するミュージシャンが多かった）。

アンプ類であるが、日本では基本的にハウス・アンプが用意されていてそれを使用するが、こちらではセッションのホスト・バンドが用意するようだ。と言うことで当日までどんなアンプを使うかは、分からない。我々はバンドにも飽きたし疲れたしで、店のスケジュール表をもらって帰ることにする。それによるとブルース・セッションは、間違いなく今度の月曜である。