9/16(wed)……A


 さて、ほかのチームはどうであれ、この音楽班にはもはやアドバイザリースタッフは居ない。

 つまり、全て自分達で決めなければならなくなっていた。

 まず、曲の長さはどうする? 何曲立てのCDにする?

 ……さすがにみんなウダウダ言えなくなってきたのですぐにミーティング。

「いっそ、プロデューサー制とチーム制を混ぜません?」

 ちょっと悩んでRand\がいった。

「1〜2分くらいの曲はプロデューサー制で十分いけると思うんスよ。でも3〜4分の曲になるとチーム制の方がいいんちゃいますかね?」

 デモテープでも作ったことのある人間は曲を放り込む辛さを知っている。

「俺のデモテープを作った経験から言わせてもらうと、3分の曲とかになると中だるみでマンネリ化して間が持たない恐れがありますから」

 とうとうと語り出すRand\。なんか偉そう。

 それでも、どこまでいってもメロディアスな曲を作る雰囲気じゃなかったので、普通のポップスのように3〜5分もの時間を持たせられないと見たのである。

 それでもほかのメンバーはそれをすんなり採用してくれた。大体1〜2分の曲を10曲ぐらい放り込む事で決まったのだ。そして、曲を作るペアはみんなが適当にバラけるように組んだ。

 それでも、ここまで10分もかけずにすんなりと決まってるんだからそのチームワークは推して知るべし、である。

 次はタイムテーブル。最小単位を30分に設定して次々と予定を決めて行く。

「1曲30分で組むと……大体CDを仮焼きするのは明日の16:30だよ」

 ながおかゼミのゼミ長をやるだけあって「えーたん」ことかしわぎさんは的確に予定を決めて指揮している。素晴らしい采配ぶりに舌を巻いた。

「この人は、すごい」

 そういったおかげですんなり夜には音を取りに行く準備ができたのである。

 すぐに録音機材の数量の確認に移る。

 そして、サウンドエディットの動作確認をかねてみんなで斉唱した「みだれてんねん」をぶち込んでエフェクトをかける。

 なんか中々いい感じに仕上がってるぞ、おい(笑)。

「ええやん、これ、置いときましょうよ(^x^)/~」

 第一の素材はこうして出来上がった。

  続く

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