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ニューオーリンズという、アメリカ合衆国でもとりわけ変わった雰囲気を持つ土地で過ごしたことがいかに楽しい経験だったかというのはさっきの話でもよく伝わってきましたが、今後もどこかに出かけていって作品を作ってみたいと思いますか?

Hugh:うんうん。

日本なんかどうですか?

Hugh:なんて良いアイデアなんだろう。

(笑)。ちなみに『Wired』では日本人ミュージシャンの――

Hugh:ああホテイ! 彼はプロデュースもするのかな? もしかしたらいつか、彼と仕事できるかもしれないな。

あのアルバムでの布袋寅泰の参加は、どのような経緯で実現したのですか?

Hugh:あれは……とても不思議だったんだけど、俺とゲイリー・ランガンは西ロンドンのメトロポリス・スタジオで仕事しててね。その時に隣のスタジオにホテイが入ってたんだよ。で、お茶飲むとこで顔を合わせたら「ストラングラーズの大ファンだ」って言われてさ。あのアルバムではジミヘンのカバーを1曲やってるんだけど、ゲイリーが「ホテイを呼んだらどうだ、彼は素晴らしいギタリストだよ」って言うから、そいつはいい話だってことになって。そして彼はやって来て、プラグインして“ストーン・フリー”を一緒に演ったと。それからしばらくして俺がイギリスの西の方にいる時、彼がピーター・ガブリエルのリアル・ワールド・スタジオで作業しててパーティをやるから来ないかって声をかけられたんだよね。でっかいスタジオを使ってて何もかもプラグインしてあるからって言われて、そこでも2〜3時間ジャムったんだ。あの時のテープがどうなったか俺は知らないけど。そのもっと後には、あの1分間の曲……“2000ライト"だ、あれを演った時にも彼はそこに入ってて……ほらモット・ザ・フープルのキーボード・プレイヤーがミレニアムで日本向けに編集したアルバムでさ、1分間の曲が40曲入ってるやつ。そこでも俺はホテイと一緒にやってるよ。

なるほど。ところで、『ソロ』というライヴ・アルバムがリリースされてますが、近年あなたはアコースティック・ギター弾き語り、というスタイルで身軽な感じのギグを沢山やっているようですね。

Hugh:うんうん、ああいう感じのショウはすごく楽しいよ。

ぜひそういった形でもいいので、久々に日本に来てライヴをやって欲しいと願ってやみません。

Hugh:行きたいね。ストラングラーズを辞めてから、他の国に行けるチャンスが少ないんだ。ソロ・アルバムは海外ではリリースされてないからね。でも今作はうまくいけばいろんな国で出るかもしれないし、そうしたらアルバムのプロモも兼ねてライヴをやりに行けるな。去年、いや、おととしだったかな……中近東に行ったんだよ、ドゥバイでライヴをやったんだ。みんな気付いてないんだよね、俺のスーツケースはいつでも旅に出れるようになってるしパスポートもあるしバンドも準備できてるんだって。だからまず、各国でレーベルを決めてレコードを出すっていうのが大事なんだ。これまでリリースに関して運が悪かったけど、でも今回はやっと、初めて、アメリカでも日本でもヨーロッパでもオーストラリアでも出せそうな気配で。来春にはヨーロッパのリリースに向けて事が進んでいるんだよ。

それは素晴らしいですね。じゃあ、もうずいぶん日本に来ていないのは「日本はJJの領域だから遠慮しとこう」なんて思ってるわけじゃあないんですね(笑)?

Hugh:とんでもない。呼んでくれりゃ明日でも行くって。

わかりました。ちなみにさっき言った『ソロ』では、“モスラ”とか“デッド・ロサンゼルス”とか、普通は弾き語り用にはあまりチョイスしないような風変わりな曲が演奏されていますが、どうしてまたこれらのナンバーが選曲されたのでしょう?

Hugh:アコースティックの選曲っていうのは、アレンジでどれだけ面白いことが出来るかっていうのによるところが大きくてね。たとえば“スキン・ディープ”なんかもアコースティック・ギターでやったけど面白くないんだよね。あの曲の要は詞だしコードもシンプルだし、だからアコギでやってもあまり変化がなくて。でも“デッド・ロサンゼルス”なんかはアコギでやるとすごく面白いんだ。オープン・チューニングにしてね。で、アコギでやった後にまたエレクトリック・ギターで演るとすごく面白いんだよね、反応も大きいし。今のバンドは3人だからストラングラーズ時代の『レイヴン』での演奏とは感じが違うんだけど、オープン・チューニングのギターでやるとすごくビッグな感じになるんだよ。

あなたはストラングラーズを脱退して以降、基本的にソロ・アーティストとして活動を続けていますが、再びバンドを組もうと考えたことは1度もないのでしょうか? もうバンドはこれ以上いいやと実感したのか、もともと1人でやるのが好きだったのか……その辺はどうですか?

Hugh:うん、でも今いっしょに演ってる連中がバンドだって感じはしてるよ。ドラムのウィンザーとベースのスティーヴ。この前のアルバムでも一緒にプレイしたし、この布陣でやっていこうという意志があるし。来週はスティーヴは来られないから誰か他のやつを入れよう、みたいなのではないから。できるだけ一定の状態を保とうとしてるんだよ。ま、それも3人という少人数だからやり易いってのはあるけどね。5人6人だったら大変だよ、いつもギャラを払い切れるわけじゃないから、そうなるとみんな他所に仕事しに行かなきゃならなくなるしね。何もしない人間をいつも雇っておくのは大変てことだよ、はははは。

バンド感覚を取り戻すには時間がかかったんじゃないですか?

Hugh:その通りだね。ストラングラーズを辞めた時、ギターを弾くのをやめようとしたんだけど、それはうまくいかなかった。で、再びギターを弾き始め、キーボードとギター1本でやろうとしたらストラングラーズに似過ぎていて、これじゃ後退だと思って止めた。それから、じゃあギター2本はどうだと思って試してみた……でもその形でやっていくにはセカンド・ギタリストが僕のようなギターを弾かなきゃならないんで、どうもそれも不満だなと。それで結局3人編成でやるってことにしたんだよ。第4の楽器をカバーできるぐらい優秀なベーシストを入れてね。今ではアレンジをやる時は俺かベーシストがストラングラーズ・ナンバーのキーボード部分を担当して、それを俺達のセットに加えるんだ。シンプルなラインアップだからこそ開放感があって、逆にやれることもあるしね。

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