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他にパンク的なもの以外では、今はどんな音楽が好きで聴いているのでしょう? Paul:僕じゃないけど、ジャスティーンはジョニ・ミッチェルとか聴いてるね。 Justine:フフフフフ。それは秘密だってば。でも彼女の音楽って信じられないくらい良いんだもん。今は「ここから何かを学ばなきゃいけない」って構えないで聴ける音楽が気持ちいいの。しばらくの間音楽を信じられない時期が続いたから、ああいった私が書くことのないような音楽を聴くのが気持ちいいのよね。反対に勉強させられるなぁって思える音楽は、ESGとかレ・ティグラ、それからピーチーズとか……。 Paul:うん……それに……。 Justine:でも基本的に私って何でも聴く人なの。 Paul:僕が好きなのもジャスティーンと同じ路線なんだけど、彼女ほど色々なタイプの音楽は聴いてないな。 Justine:うっそ、そんな事ないじゃない。 Paul:うーん、レコードのコレクションは何百枚も何千枚もあるんだけどね。 Justine:たぶん何千枚って感じよね。それにあなたのCDコレクションってマイケル・ジャクソンからグレン・キャンベルからピクシーズ、そしてAC/DCって感じじゃない(笑)。 Paul:ああ、そうだね、そうだよ。 Justine:すごく幅広いじゃない(笑)。ディオンヌ・ワーウィックとかシナトラ、エラ・フィッツジェラルド、バカラック全集もあるし……。 Paul:デヴィッド・アクセルロッドとか。 アクセル・ローズ? Paul:いや、アクセルロッド。それが彼の本名だよ。もしかしたら死んじゃってる人かもしれないけど。 昔の人なんだ。 Paul:うん、サウンドトラック的なんだけどね。彼はアシッドをきめたジョン・バリーって感じの曲を書くんだ。彼はアメリカ人で60年代後期から70年代に活躍したコンポーザーなんだ。うん、何でも聴くね(※後で確認したところ、デヴィッド・アクセルロッドはちゃんと存命しており、それどころか2001年6月には、32年ぶりの新作をヒップホップ・レーベルのモ・ワックスから、DJシャドウの後ろ立てによりリリースした)。 いやー、アクセル・ローズって聞こえた時はビックリしました(笑)。 Paul:アクセル・ローズじゃないってば(笑)! Justine:あとあなたはブライアン・イーノも好きでしょ? Paul:そうそう、今ハマッてるんだ。 ところで、なぜジョニ・ミッチェルが好きって事が秘密なんでしょうかね? Justine:自分達のやってる音楽と関係ないからよ。 でも、自分達のやってる音楽と関係ないと言いつつ、例えばポールは、アンガス・ヤングみたいなギターリフを一発エラスティカでもかましてやろうとかって思ったりすることはないんでしょうかね? Paul:ないね、それは絶対にないね! Justine:そうかしらね(笑)。 Paul:いや、ないね〜。 Justine:バンドをやる事で大事なのは、何をプレイするかっていうより、何を排除していくかって事だと思うの。これはバーナード・バトラーを見てて学んだ知恵ね。 むむ? 具体的にはバーナードからどんな事を学んだんでしょう? Justine:バーナードを見て、彼は反面教師っていうか…… Paul:アハハ。 それは最近のソロになってからの彼を見て? Justine:ソロじゃなくてスウェード時代の彼よ。すごく初期の頃のね ああ、なるほど。ちなみに最近の彼のソロ作品についてはどう思いますか? Justine:特に聴いてないわ。 Paul:ノーコメント(笑)。よく分からないや。 そうすか。ところで、今度アトランティックと契約して、またアメリカではメジャーなところでやることになったわけですが、この辺の経緯を教えてもらえますか? Justine:アトランティックっていうより、そこにスティーヴ・レブロウっていう人がいたからなの。彼はアトランティックを通して自分のレーベルを経営してる人物なんだけど、そこは本当に幅広い音楽を扱っているレーベルで、ジャズもあるし、他にも色々なジャンルを扱っているのよ。で、とにかく私はスティーヴのアティテュードに感動したの。後で聞いたことなんだけど、彼は最初にエラスティカの話を聞いた時、『5年のブランクがあるバンドのアルバムが良いわけない』って思ってたらしいのよ。でも実際に聴いたらこのアルバムを本当に気に入ってくれたのね。聴いた次の日にはロンドン行きのフライトに乗って会いに来てくれて、音楽について様々な意見を交わしたの。彼のアルバムに対する意見は私が感じていた事と全く同じで、そのことにも感動したし、彼となら大丈夫って確信したの。 アメリカでメジャーなレコード会社に所属することに関してはどう思っているのでしょうか? そのレーベルの人ならばメジャーと言えども無理な押し付けとかはないっていう風に判断したって事なんでしょうかね? Justine:うん、彼はすごくクールだし、こっちの話をちゃんと理解してくれる人なの。でも基本的に私はメジャーに対して悪い印象を持ってるわけじゃないわ。逆にメジャーだからこそアルバムがちゃんと店頭に並ぶとか、広告展開もしっかりやってくれるっていうメリットもあるし。音楽はコミュニケーションなんだから、自分達が誇りを持って作ったアルバムは絶対に人に聴いてもらいたいって思ってるしね。 わかりました。では、今後の展開なんですけど、もっとツアーを続けたい感じなんでしょうか? それともスタジオに入って次のアルバムっていう感じなんでしょうか? Justine:もっとツアーをするわ。9月にはアメリカに行くし、8月の終わりにはレディングがあるし。来週末はポルトガルとスペインに行くわ。このバンドでツアーをするのを楽しみにしてるの。今までの5年間のギャップ、そしてファーストからセカンドまでの音楽的ギャップを埋めるには、しばらくの間ライヴ活動を続けることが大事だと思う。それにバンドが良いプレイが出来た時って『やった!』って気持ちになるし、ライヴを続けることは私にとってとても重要なことなの。 その間には新曲がどんどん出来てきたりするのでしょうね? Justine:ええ。 Paul:そうだね……。 そしてまた日本にもツアーしに来てくれるんですよね? Justine:うん、機会があればぜひ。でもそれはファンの人にかかってるわね。私達を見たいっていう人がいればぜひ来たいわ。 さっきディレクターの人が来日記念盤を作らなければって話をしてましたよ。 Justine:えー、本当? あなたの知る前に話は進んでいるのかもね。 Justine:ふふ、それってクールじゃない? じゃあ、今後も活躍を期待しています。 Justine & Paul:ありがとう。
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