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DUO 北條&ソーサ

CDBooklet 2 〜 4手連弾ピアノ曲集




曲目解説

クレメンティ: ソナタ Op.14−3
3つのソナタより成る作品14は、1783年に以前クレメンティが駆け落ちまでしようと心を寄せた女性に献呈された。この作品は両奏者に高度な技巧を要求することなく、しかもそれぞれのパートの特色を十分表現できるという室内楽的な面白味を持つ。彼は、特にCD収録曲でもある3番を気に入っていたようで、晩餐会の席で自らの演奏で披露したほどである。
第1楽章のアレグロは二人の奏者による活気のある掛け合いで、さしずめ夕食後の音楽仲間とのちょっとしたお遊びというところであろうか。第2楽章は深い叙情に満ちた魅力的な楽章で、躍動感にあふれた最終楽章をひきたたせている。ここでは、クレメンティが好んで用いた浮き彫りにされたユニゾンのパッセージなど、技術的なトリックが満載されている。

ドボルジャーク: ボヘミアの森から Op.68
ドボルジャークは、当時プラハの約65キロ南方のヴィソカー村の別荘に滞在し、しばしば小旅行に出かけた。この組曲はその小旅行を通じての村の印象や、その地方に対するロマンチックな愛を示したものである。
「糸を紡ぎながら」でドボルジャークはロマン派作曲家が好んで用いた糸紡ぎ歌をテーマにしたわけだが、彼のこの曲はどちらかというと糸紡ぎ機を操る少女というよりも、糸紡ぎ部屋の賑やかさを描いているようである。「魔女の安息日」は彼が夏季のひとときを過ごした友人の別荘があるマレチ民族の祭典よりアイデアを得たものである。「暗い湖のほとりで」と「森の静けさ」は叙情的な瞑想の世界であり、自然へのロマン派的な情熱とブラームス的な豊かな感受性が反映された曲である。
ドボルジャークは、1891年に「森の静けさ」をチェロとピアノのために、そして2年後には室内管弦楽のために編曲し、これが現在、組曲中で最も親しまれている作品となった。

シャブリエ: 道化の行列
当時ヨーロッパで人気のあった行進曲に、寄席劇場の底抜けの明るさを加えたようなとても陽気で滑稽なこの曲は,芸術仲間のパーティーがいつしか宴会さながらのドンチャン騒ぎと化した様子を音にしたものなのであろうか・・・。それとも完成されることのなかった曲のスケッチとして残されたものなのであろうか・・・。


ベックウィズ: ミュージック・フォー・ダンシング
ベックウィズは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州に生まれ、トロント及びフランスで音楽教育を受けた作曲家である。
「ミュージック・フォー・ダンシング」は、1948年に作曲され、翌年には大編成のオーケストラのために編曲された。ベックウィズの音楽は、彼自身の言葉にもよるように、ラヴェル、フランス6人組の影響を受けている。