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artist : SAKATA akira 【坂田 明】 |
title : 『 20人格 』 |
release : 1980年 |
label : BETTER DAYS |
tracks ( cd ) : (1)VOCAL TRAINING (2)新童謡SHIN-DOYO part 1 (3)A RA-MEN MAN (4)WHITE CHRISTMAS (5)A TRUCKER (6)POEM & JAZZ AT SEOUL (7)A FARMER (8)TOKIO MOOGIE FOOMIE (9)A PRE-PROBASEMAN (10)新童謡SHIN-DOYO part 2 (11)A NEW-TEACHER (12)KANJINHCHO (13)AN ETUDE (音階練習) (14)ex-PRIME MINISTER vs KEYBOARDS (15)A LAUGHTER (16)FOLKLORE (17)A COMEDIAN (18)POEM & JAZZ AT PEKING (19)A SEASONAL LABOURER (20)NAIMA (21)A CARPENTER (22)TELEPHONE (23)A BAND'S MAN (24)SAMBA DE DOMBA |
tracks ( analog ) : 未確認 |
members : SAKATA akira 坂田明,vocal,chorus,voice,poem,actor,acoustic piano,alto saxophone ; SHIBUYA takeshi,piano(4) ; SUGIMOTO kiyoshi,guitar(4,16) ; YOSHINO hiroshi,bass(4,12) ; FUJII nobuo,drums(4,12) ; JOE ROPEZ,vocal(24) ; CARMEN ROPEZ,vocal(24) ; PECKER,congas,surdo(24) ; TAKAHASHI getao,bass,guiro(24) ; MARTIN WILLWEBER,timbales,wood blocks,corobells(24). |
producer
: TAKAHIRA tetsuo co-producer : KASHIWABARA pochi |
related website : 『 Akira Sakata's Official Site 』(公式サイト) |
(1)VOCAL TRAINING ▲tracks |
タイトル通り、発声練習をするだけの(1)。「あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜〜〜〜〜〜〜」とドレミ音階を上下して終わり。 |
(2)SHIN-DOYO part 1 ▲tracks |
ジャジーだけども少し民謡を意識したピアノに乗せて「ちょちょちょちょちょちょちょちょ、蝶ぉ〜ちょ!」とか「お池にはまるはぁ〜、めぇだぁかぁのぉ、蝶ぉ〜ちょ!」とか「まぁ〜さかぁりぃ〜かぁ〜ついぃ〜だぁ〜、蝶ぉぉおぉぉちょ〜」とメチャクチャな調子で吠えてみせる(2)。そのうち「もぉぉぉもぉもぉもぉたぁろたぁろさんは、よぉぉぉるぅのぉちぃんじゅぅのぉ、つぅん〜だぁらぁ、カヌシャマヨォ〜」と、八重山民謡の「安里屋ユンタ」まで飛び出す始末。 |
(3)A
RA-MEN MAN (4)WHITE CHRISTMAS ▲tracks |
週刊誌の宣伝の文句に騙されて、脱サラしてラーメン屋を始めた男のボヤキを演じる(3)。「一週間も経つのにもぉ...3000円だモンな売上げ...。」「月収60万てなんか...あの週刊誌大嘘じゃねぇか」等とボヤいた挙句、「(ビュ〜と木枯しが吹いた後)なぁ〜にがクリスマスの...ウゥ〜ゥ、サブゥ〜」と縮み上がったところで(4)「ホワイト・クリスマス」が始まる。 この(4)、坂田のアルト・サックスで2コーラス吹き終えるまでは、軽快なジャズとして進行していくのだが、それ以後は坂田のスキャットの独壇場で、その中に「サッサドゥバダバ・札束ドゥバダバ」とか「ウッサッバッビバ・ブゥバウゥマダンバ、電信柱は、ドッカ〜〜〜〜ンと」とか「クリスマスがなんだいっ!えぇ〜〜?クォ〜ゥリスマスなんかブッつぶせぇぇぇぇ〜!!ワッズバ・ドゥエヤバョ」等と日本語も混ざってきて、さらにアナーキーになっていく。そのバックでは淡々と小粋なギター・ソロが展開されていたりするが、完全に添え物扱い。 |
(5)A TRUCKER ▲tracks |
トラック運転手を演じる(5)。危うく他の車とぶつかりそうになり「どこ見てんだっこの馬鹿ぁ!カァァアア!!モォ〜。」というのだが、そのセリフの「カァァアア!!」の気合の入り方が凄い。 |
(6)POEM & JAZZ AT SEOUL ▲tracks |
自身が吹くアルト・サックスのフリーな演奏をバックにタモリ式のデタラメ(と思う)韓国語で詩の朗読をする(6)。その中でドサクサにまぎれて「イルボン(日本のこと)シンジマエェェ・ブァァァ〜」とシャウトしている。 |
(7)A
FARMER (8)TOKIO MOOGIE FOOMIE ▲tracks |
トラクターの音と共に始まる(7)。ここでは農夫を演じている。この農夫、「タバコはホラ、カルチェで点けなきゃダメ」「自転車のサドルなんか、うちルイ・ヴィトンだよ」と、やたらブランド志向。 その“ブランド志向の都会の農夫”と“トキオ麦踏み”、“麦踏み”と“ブギウギ”と連想して引っ掛けた(8)。ポコポコしたリズム・ボックスに合わせて坂田が一人で歌う。遠くでサックスとピアノが鳴っている。でも元の曲調はラテン系な感じがする。何か有名なラテンの曲のパロディーなのかもしれない。 |
(9)A PRE-PROBASEMAN ▲tracks |
元プロ野球選手という設定の(9)。現在は卒業を控えた大学生で、書いている卒論のタイトルが「硬球の硬度に対する反発力に関する若干の考察」。飲み屋で、昭和39年の巨人戦で代打に出た話をする。 |
(10)SHIN-DOYO part 2 ▲tracks |
フリー・テンポのジャジーなピアノをバックに、「めぇかぁたぁの学校ぉはぁ〜〜、どぉかぁたぁのぉ学校ぉはぁ〜〜」「蝶ぉぉぉぉちょのぉ真ぁぁぁっ赤ぁなぁデェ〜タラァメェヨォ〜〜〜」等と、童謡を支離滅裂に繋いでいく(10)。それにしても、このジャジーなピアノは彼が弾いているのだろうか?なんか意外な気がする。 |
(11)A NEW-TEACHER ▲tracks |
女子高に赴任した教師を演ずる(11)。「坂道の“坂”、田吾作の“田”、フッ、いやぁ、それに“明”るい」と自己紹介をする。オチでの笑いが“素”っぽい。 |
(12)KANJINHCHO ▲tracks |
ウッド・ベースとドラムスのフリーな演奏をバックに、真剣に“勧進帳”を披露していると思しき(12)。本作では珍しく、これが結構カッコいい。意外とデタラメだったりして。 |
(13)AN
ETUDE (14)ex-PRIME MINISTER vs KEYBOARDS ▲tracks |
デタラメなピアノを弾き「ンアァァァァ!モォ」と終わる10秒程度の(13)を挟んで、「元首相対鍵盤」と題された(14)。 “元首相”とは「まぁこのぉ〜」で有名な田中角栄。その田中角栄を、自身が弾くフリーなピアノ演奏をバックに坂田が演じる、というか真似るトラック。「民社党の春日八郎君がねぇ、実に忌憚のない意見と、別れの一本杉をネェ、歌われましたがネェ」「ヘーゲルの昔から、ソクラテスの過去に至るまでのネェ、ひとつの弁証法のぉ、あのぉ、歴史をネェ、土木建築的に、まぁ、考察した場合」等とメチャクチャなことを言っている。途中、ピアノとのちょっとした小競り合いがある。 |
(15)A LAUGHTER ▲tracks |
お経が聞こえる中、ただひたすら笑う(15)。笑っている最中、“ブツリ”と切ったようにお経が止む。因みに、“フランスの植木等”〜アンリ・サルヴァドールもこのような“笑レコ”を残している。彼(アンリ・サルヴァドール)の“笑レコ”に興味のある方は輸入盤2枚組CD 『 HENRY SALVADOR Vol. 1 MALADIE D'AMOUR 』 に収録の「HENRY SALVADOR S'AMUSE」や国内盤CD 『 RIGOLO 』 に収録の「FUGUES EN RIRE 【笑いのフーガ】」を聴くことをオススメする。この(15)よりも笑える。 |
(16)FOLKLORE ▲tracks |
「ジャカジャ〜〜ン」というフラメンコチックなガット・ギターのシリアスさと、坂田のデタラメぶりのギャップが面白い(16)。 |
(17)A COMEDIAN ▲tracks |
「アイ・パッチもなぁダメだろォォ...」「イグアナやってもなぁ、カバだしなぁ...」「今さらなぁ、保険外交員にも戻れんしなぁ...」等とタモリをモデル(まねはしていないが)にして落ち目のコメディアンを演じる(17)。最後は「ジャズ演ろうかな」とボヤく。 |
(18)POEM & JAZZ AT PEKING ▲tracks |
(6)では韓国だったが、今度は中国をネタにした(18)。サックスをバックにデタラメと思しき中国語で詩の朗読をする。初めはムーディーだったサックスが、激しさを増していく朗読に同調するように段々とメチャクチャになっていく。〆は穏やかに終了。 |
(19)A
SEASONAL LABOURER (20)NAIMA (21)A CARPENTER ▲tracks |
季節労働者を演じた(19)。ここで彼が、バーのママに「インパルスのさぁ、コルトレインの
『 KULU SÉ MAMA 』 」とリクエストして次の(20)に繋がる。 で、(20)はジョン・コルトレインの「NAIMA」の一節をスキャットする(たったの26秒)のだが、 『 KULU SÉ MAMA 』 には「NAIMA」は収録されていない。「NAIMA」が収録されているのは 『 GIANT STEPS 』。 続く(21)は、図らずもジャズのライヴ会場(観客は10人ほど)に来てしまった主人公〜“大工のキクゾウ”を演じるのだが、そこで「ウアァァァァッ!何だヨこれ、ウルセェなぁ、モォ、えぇ?」と言いながらふと演奏者に目をやると、演奏しているのが左官の友人“トメ”らしく、必死に「オイッ!トメェッ!トメェッ!」と呼び続ける。ひょっとしたら、そのバックで流れているのが 『 KULU SÉ MAMA 』 なのだろうか(僕はまだ 『 KULU SÉ MAMA 』 は耳にしていないので、あしからず)?コルトレインを“トメ”呼ばわりしているのだとしたら、なお面白いのではないだろうか。 |
(22)TELEPHONE ▲tracks |
“山形のイルカ・ランドの蟹工船”と名乗り、電話で「駐車場の教育問題について」とか「行政用ロボットと地域の記憶喪失云々」等といった支離滅裂な質問を“先生”に浴びせ掛ける(22)。その後ろでは、しきりに犬が吠えている。 |
(23)A BAND'S MAN ▲tracks |
この(23)では、出番の前、自分のささやかな栄光と失敗を思い出し、自分の娘がバンド・マンと結婚したことを嘆くバン・マスの悲哀を演じている。 |
(24)SAMBA DE DOMBA ▲tracks |
このアナーキーなアルバムの最後を飾るのは、ラテンの(24)。タイトルには“サンバ”の文字があるが、サンバというよりはラテンのような気がする。ベース以外は全てパーカッション。メチャクチャな歌詞で叫ぶ坂田を尻目に、コーラス隊は「ドンバー・デ・サンバ・デ・ドンバ」と朗らかに繰り返す。 |
裏ジャケットで大工、魚屋、米屋、農夫、板前等の様々な職業の格好をしている中、本来の職業であるサックスを持った姿があるのだが、それが一番不似合いに見えてしまう。 |
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