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artist : NOVI SINGERS
title : 『 NOVI IN WONDERLAND 』
recorded date : 1968年2月22、23日録音
label : MPS RECORDS
tracks ( cd ) : (1)THE SECOND SIDE (2)ALICE IN WONDERLAND 【不思議の国のアリス】 (3)SATIN DOLL (4)A FOGGY DAY IN LONDON TOWN (5)LI'L DARLING (6)KULFON (7)I DON'T KNOW (8)APARTMENT UNDER THE ROOF (9)SECRET LIFE
tracks ( analog ) : 未確認
regular members : BERNARD KAWKA ; vocals,EWA WANAT ; vocals,WALDEMAR PARZYNSKI ; vocals,JANUSZ MYCH ; vocals.
guest members : IDREES SULIEMAN ; trumpet,ZBIGNIEW NAMYSLOWSKI ; alt saxophone,ADAM MATYSZKOWICZ ; piano,ROMAN DYLAG ; bass,BILLY BROOKS ; drums.
producer : JOACHIM E. BERENDT
related website : 『 Oficjana strone Zbigniewa Namyslowskiego 』(ズビグニエフ・ナミスオフスキの公式サイト)




 本作そのもののイメージは“美の権化”とでも言えそうなものなのに、僕個人にはまた違うイメージがある。

 僕が中古レコード店にいた頃、近くのビルに用のある出版社の営業マンが、ちょっと大袈裟に言って“一週間に十日”は僕の店に来ていた。

 彼はブライアン・ウィルソン、大瀧詠一好きで、『 レコスケ 』 や 『 ハイ・フィデリティ 』 に出てきそうなタイプのお客。しょっちゅう来る割には「あれはイイ、これはダメ」とあれこれ文句を言った挙句、結局何も買わずに帰っていく。

 たまに買う時に限って、その商品は久々に入荷した“店のちょっとした目玉商品”。こちらとしては面出しにしてある程度人目に触れた後に売れて欲しいアイテムなのに、面出ししたすぐ後に絶妙のタイミングで来店し、人目に触れる間もなく持っていかれてしまう。もう「ヌヌヌ〜!」としか言いようがない。

 そんな「ヌヌヌ〜!」な日々の中のある日、彼がやってきた時の店内BGMが本作で、彼はすかさず「今かかってんの何すか?」と訊いてきた。僕は普通に「ノヴィ・シンガーズです」と答えたのに、彼は「何?ノ、ノヴァ・シンガーズ?」。僕「いえ、“ノ・ヴィ”です」、彼「ノ・ヴァ?」。おそらく彼の中に既にあったボキャブラリー〜“ボサ・ノヴァ”から離れられないのだろう。

 それっきり彼の中では「ノヴァ・シンガーズ」で定着し、その後の会話でもず〜っと「ノヴァ」だった。彼「あの、ノヴァ・シンガーズってさぁ…」、僕「…ノヴィ…です」、彼「あ、そうそうノヴィね、ノヴィ」。少し会話が進んでから、彼「…で、ノヴァ・シンガーズが…」……。


(1)THE SECOND SIDE  ▲tracks
 ヒンヤリとした暗闇に“ポッ、ポッ、ポッ、”と暖かな明かりが灯り始めるような(1)。この曲は彼らのオリジナルで、スロウなブルーズっぽいジャズ。しかし、アメリカのそれとは違ってちょっとドリーミー。


(2)ALICE IN WONDERLAND 【不思議の国のアリス】  ▲tracks
 冷たく美しい空気感を伝えるハーモニー。華麗に舞う雪のようなピアノ。雪降る中で踊っているかようなワルツのリズム。いかにも東欧出身の彼ららしいサウンドの、とてもエレガントでドリーミーなスタンダード(2)。“ドリーミーさ”では(7)と双璧を成す仕上がり。なお、アルバム・タイトルはこの曲名をもじったもの。


(3)SATIN DOLL  ▲tracks
 寛ぎのひと時が味わえる、ユッタリとしたリズムの(3)。デューク・エリントンの曲。中盤にズビグニエフ・ナミスオフスキによる若干長めのサックス・ソロがある。後半に於ける、紅一点〜エヴァ・ヴァナットのハイ・トーン・ヴォイスがお見事。


(4)A FOGGY DAY IN LONDON TOWN  ▲tracks
 “フォギー”というタイトルの割には晴れやかな、アイドリース・シュリーマンのトランペットがフィーチャーされた(4)。同様に、スキャットやリズム・セクションも躍動的。しかし、エンディングではタイトル通りの“フォギー”な仕上がりに。ジョージ・ガーシュインの曲。


(5)LI'L DARLING  ▲tracks
 「あぁ、このままこのサウンドに浸かっていたい」と思ってしまうような気だるく甘美で優しいハーモニーと、黄昏のミューテッド・トランペットが胸に沁みる、スロウなバラード(5)。カウント・ベイシー楽団のアレンジャーとして知られるニール・ヘフティの曲。


(6)KULFON  ▲tracks
 再び躍動的な(6)。華麗なコーラスをよそに、はちきれんばかりの音色で切り込んでくるトランペット・ソロが気持ちいい。幾分フリーキーなサックス・ソロもあり。これ以降は全て彼らのオリジナル曲。


(7)I DON'T KNOW  ▲tracks
 彼らの持ち味の幻想的なサウンドに加えて、美しい幽玄さすら漂う(7)。(2)と共に大好きな曲だが、(2)とはまた違った側面の“ドリーミーさ”を持っている。可憐なピアノや哀愁漂うトランペットのオブリガード、そしてあの手この手で演出するドラミングもいい。


(8)APARTMENT UNDER THE ROOF  ▲tracks
 ブルージーな曲調に合わせて、ダーティーに歌いまくるサックス・ソロをフィーチャーした(8)。これまでのアルバムのトータリティーからすると若干違和感がなくもないが、まぁ、これはこれで結構いい。


(9)SECRET LIFE  ▲tracks
 (8)とはまた違った意味で、本作のトータリティーから外れている感のある(9)。しかし、こちらはむしろ嬉しい外れ具合。というか、「この曲が目的で本作を購入した人がほとんどのはず」と言っても過言ではないくらいの、本作きってのキラー・チューン。
 何かに警告を発しているような、“緊急事態発生感”満点のイントロ。タイトルからすると、植物や昆虫が対象なら「神秘的な生態」という感じになるのだろうが、この曲調は“「秘密の生活」が今、暴露されそうな瞬間”といった趣のスリリングなもの。ジミヘン・コード(●7#9)をBから始めて、そのまま短3度(半音3つ分)ずつ4回下降した後、Eのジミヘン・コードに。「こんな斬新なフレイズが今まであっただろうか」と、ただただ驚くばかり。
 その後もバップ・スキャットやトランペット・ソロ、そして派手なドラミングで奈落の底に真っ逆さまに落ちていくようなスリリングな展開を続け、最後はなぜか明るいハーモニーで終りを迎える。


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