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artist : MATTHEW SWEET
title : 『 GIRLFRIEND 』
release : 1991年
label : ZOO
tracks ( cd ) : (1)DIVINE INTERVENTION (2)I'VE BEEN WAITING (3)GIRLFRIEND (4)LOOKING AT THE SUN (5)WINONA (6)EVANGELINE (7)DAY FOR NIGHT (8)THOUGHT I KNEW YOU (9)YOU DON'T LOVE ME (10)I WANTED TO TELL YOU (11)DON'T GO (12)YOUR SWEET VOICE (13)DOES SHE TALK? (14)HOLY WAR (15)NOTHING LASTS
bonus tracks ( for japanese only ) : (16)GOOD FRIEND (17)SUPERDEFORMED (18)TEENAGE FEMALE
tracks ( analog ) : 未確認

members : MATTHEW SWEET,bass,electric rhythm guitar,acoustic rhythm & lead guitar,piano,all vocals ; RICHARD LLOYD(ex.TELEVISION),electric lead guitar ; ROBERT QUINE(ex.RICHARD HELL & THE VOIDOOIDS,LOU REED BAND),electric rhythm & lead guitar ; LLOYD COLE,electric & acoustic rhythm guitar ; GREG LEISZ,lap steel guitar,pedal steel guitar ; RIC MENC(VELVET CLASH),drums ; FRED MAHER(ex.LOU REED BAND),drums,acoustic rhythm guitar.

producer : FRED MAHER & MATTHEW SWEET
related website : 『 MATTHEW SWEET OFFICIAL SITE 』(公式サイト)




(1)DIVINE INTERVENTION  ▲tracks
 モッタリとした R & R の(1)。出だしのザックリしたギターの音色にノック・アウトされる。リチャード・ロイドの鋭いリード・ギターがまたカッコいい。それらのギターが、飄々としたマシューの歌と対照的で面白い。一度曲が終わったかと思ったら、またフェイド・インしてきてまたフェイド・アウト。


(2)I'VE BEEN WAITING
(3)GIRLFRIEND  ▲tracks
 イントロのフレーズがモロにザ・バーヅっぽい(2)の次は、本作最高の R & R (3)。
 ロバート・クインの“キュイーン”と唸るリード・ギター、そしてフレッド・マーのダンサブルなドラム。ルー・リード・バンド組の快演が光る。マシューが弾くリズム・ギターもリズミカルに応える。途中に出てくる「〜NEED SOMEBODY TO LOVE」という部分は、メジャーなコードに乗っかってるとはいえ、明らかにジェファーソン・エアプレインの「SOMEBODY TO LOVE(あなただけを)」 (『 SURREALISTIC PILLOW 』 に収録) からの引用。ニヤリとさせられる。


(4)LOOKING AT THE SUN
(5)WINONA  ▲tracks
 (1)を幾分ウェットにした感のある(4)を挟んで、K. D. ラングのバンド〜リクラインズ (僕は未聴) のグレッグ・レイズの優しく撫でるようなペダル・スティール・ギターがたまらなく心にシミる(5)。本作を聴くまではスティール・ギターなんて視野(聴野かな?)に入ることはほとんどなかったし、入ったとしても“ハワイアンとかを演奏するオジサン連中が使う楽器”ぐらいにしか思わなかったけど、こういう演奏を聴いてしまうと、一気に“イイもんだなぁ”と、素直に思えてしまう。終わりに近づく頃、右チャンネルから繰り返し聴こえてくるマシューのアコギのフレーズも、簡単ながらとても印象的だ。


(6)EVANGELINE  ▲tracks
 マシューが弾くリード・ギターによるイントロがとてもキャッチーな(6)。クレジットによると、この曲はチャールズ・ディクスンとジュディス・ハントという人達が作る漫画 『 EVANGELINE 』 (僕は未読) を元に作った曲とのこと。「GIRLFRIEND」のヴィデオ・クリップやCDのレーベルに日本の漫画 『 コブラ 』 を使ったり、腕にこれまた日本の漫画 『 うる星やつら 』 の刺青をしてる彼らしい。でも、僕はそんなエピソードはどうでもいいんだけど。むしろ知らない方が良かったかも。


(7)DAY FOR NIGHT  ▲tracks
 ロック的な演奏で奏でる8分の12拍子の(7)。この曲調にしては過激な (?) ギター・ソロが面白い。マシューの意図としてはこの(7)からがレコードでいうB面ということで、冒頭にレコードのスクラッチ・ノイズが挿入されている。


(8)THOUGHT I KNEW YOU  ▲tracks
 本作中一番毛色が違うけども、“アメリカン・ロック”な本作のいいアクセントになっている(8)。マシューのアコギが奏でる哀愁のマイナー・コードが、サビで一気にメジャー・コードへ。そういう所が少しだけウェスタンもののような雰囲気を漂わせているような気がする。そう考えると、「これもやっぱりアメリカン・ロックなのだな」、と思えてくる。テキサス/メキシコ周辺の音楽ってこういうものが結構あるし。そう言えば、マシューと一緒にツアーをしていたテキサス州出身のパワー・ポップ・バンド〜ファストボールのラテン風味漂う名曲「THE WAY」 (『 ALL THE PAIN MONEY CAN BUY 』 に収録) もこんな風に“マイナーで始まってメジャーのサビ”というタイプの曲だった。アメリカン・ロックで“哀愁チューン”を探すならテキサスだ。


(9)YOU DON'T LOVE ME  ▲tracks
 歌いだしの一行目「WHAT A BEAUTIFUL MOMENT」という言葉通り、正にその瞬間を捉えたようなとても美しい始まり方の(9)。タイプで言えば(5)にも似たスロウでメロウなバラッド。今まで書かなかったけど、マシューの声ってホントいい声だと思う。特にこういうメロウな曲ではその魅力がシミジミと引き立ってくると思う。


(10)I WANTED TO TELL YOU
(11)DON'T GO  ▲tracks
 威勢のいいギター・ポップの(10)で爽快になったかと思ったら、次に控えるのは、狂おしく悲鳴をあげるようなロバート・クインのギター・ソロが胸に突き刺さる(11)。ハード・ロック・ギターの語法とは全く違うアプローチの泣きのギターに、目からウロコが落ちる思い。ペンタトニックの垂れ流し、手クセばかりで新鮮味のないギター・ソロにウンザリしている人や、自分のスタイルを模索中のギタリストは必聴のギター。


(12)YOUR SWEET VOICE  ▲tracks
 マシューの多重録音によるハーモニーが、タイトル通り“スウィート・ヴォイス”な(12)。晴れのち曇りの日に、風に吹かれているかのような曲。歌詞は夜だけど。ギター・ソロがちょっとガンズ&ロージズの「SWEET CHILD OF MINE」 (『 APPETITE FOR DESTRUCTION 』 に収録) のイントロっぽい。この曲が終わると、レコードで言えばB面の終わりということで、またもスクラッチ・ノイズが入る(レコードの針が中心の溝までたどり着いたときの音)。よって、ここからの3曲はマシューの意図としてはボーナス・トラック扱いということになるのだろうか。


 ここからは“オリジナル・ボーナス・トラック”(矛盾した表現かな?)の3曲。


(13)DOES SHE TALK?  ▲tracks
 まずはダーティーでヘヴィーな(13)。リフだけならブランキー・ジェット・シティーがやっててもおかしくない。ここでのロバート・クインのギリギリとしたギター・ソロは“痛い”。


(14)HOLY WAR  ▲tracks
 次は、マシューのイメージから考えるとちょっと意外な反戦の歌(14)。でも、声高に「戦争反対!」と叫ぶようなタイプの曲ではないので、すんなり聴けてしまう。


(15)NOTHING LASTS  ▲tracks
 ラストは、寂しげなアコギに乗せて「永久に続くものなんて何もない」と歌う(15)の「NOTHING LASTS」。中川五郎氏のライナーによれば、本作を作る前に契約破棄、離婚、破産、そして洪水で機材や様々な所持品を失うなどの災難を経験したためにできた曲だそうだ。曲調といい、タイトルといい、最後を飾るに相応しい曲だ。


 日本盤には更に3曲、デモのようなトラック (「GIRLFRIEND」のプロトタイプ「GOOD FRIEND」というのもあり) がボーナス・トラックとして収録されている ((16)〜(18))。僕としてはこの最後の日本盤ボーナス・トラックは蛇足だと思うのでレヴューはしません。これは、悪しき“ガンズ&ロージズの 『 USE YOUR ILLUSION 』 効果”、つまりCDの収録時間ギリギリまで曲を詰め込むという、この当時のトレンドにモロに追従したものだと思われるからだ (だからといって 『 USE YOUR ILLUSION 』 が悪い作品だということではない) 。マシューがそうするように言ったのか、それともレコード会社から言われてそうしたのか、はたまたレコード会社が勝手にやったことなのかは定かではないけども。


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