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artist : FRICTION
title : 『 軋轢 』
release : 1980年4月
label : PASS RECORDS
tracks ( cd ) : (1)A-GAS (2)オートマチック・フラ 【AUTOMATIC FRU.】 (3)I CAN TELL (4)100年 【100 NEN】 (5)CRAZY DREAM (6)CYCLE DANCE (7)COOL FOOL (8)NO THRILL (9)BIG-S (10)OUT
tracks ( analog ) : side A...(1)〜(5) / side B...(6)〜(10)
members : RECK,vocals,bass,synthesizer (3),guitar solo (5),rhythm guitar (10) ; TSUNEMATSU masatoshi ,guitars 《except (5,10)》; CHIKO HIGE,drums,alto sax (6,10).
producer : FRICTION & 坂本龍一 SAKAMOTO ryuichi
related website : 未確認




(1)A-GAS  ▲tracks
 出だしのヘヴィーなベースが印象的な(1)。この後すぐにテンポ・アップ、ベースは痙攣し、ギリギリしたツネマツのジミヘン・コードのカッティングが加わってくる。言葉をぶつ切りにし、抽象的にしたような歌詞も面白い。ギター・ソロはガリガリと徐々に落ちていくようなノイジーなもの。


(2)オートマチック・フラ 【AUTOMATIC FRU.】  ▲tracks
 スターリンも影響を受けたのではないかと思える、当時の日本のパンク・チューンの雛形のような(2)。イントロや、「iikagen」という歌詞の後のリフなどは特にそんな感じがする。全体的には8ビートの部分が多いので、比較的聴き易くポップな曲だ。


(3)I CAN TELL  ▲tracks
 「ギッ、ッギー」というBm9コードのギターが冷ややかにそして淡々と鳴り続ける(3)。ツネマツのギターはパンクによくあるような5度コードの安易な使用を避け、しかもすぐにはルーツの尻尾も見せない、とてもクールなスタイルだ。


(4)100年 【100 NEN】  ▲tracks
 この曲も当時の日本パンクの雛形的な(4)。最近の“自称パンク・バンド”も、こういう独創性をこそ(スタイルではなく)見習って欲しいものだ。本作では珍しく、ギター・ソロにちょっと哀愁のメロディー感あり。しかし、クールなのには変わりない。


(5)CRAZY DREAM  ▲tracks
 本作のリリース以前にシングルになったことのある(5)。シングルの方は本作のヴァージョンとは違うらしく、ピアノが入ったりするらしい。「100man kai」という歌詞の後のリフは、3人でやっている割にはとてもヘヴィーだ。ノイジーなギター・ソロはレックによるもの。


(6)CYCLE DANCE  ▲tracks
 正にタイトル通りにグルグルと回転し続けるような(6)。この曲などを聴いていると、彼らが曲を作るプロセスというのは、サウンドに合わせて後から歌詞を書いているのではないかと思えてくる。隅の方で鳴っているサックスはチコ・ヒゲによるプレイ。彼はニュー・ヨークにいた時、ジェイムズ・チャンス(vocal,sax)率いるコントーションズにいたことがあるのだが、サックスを演奏するのはその影響なのだろうか。


(7)COOL FOOL  ▲tracks
 薄っすらではあるがマッド・カプセル・マーケッツの「ギラギラ」 (インディーズ時代の 『 HUMANITY 』 に収録。メジャー・デビュー後、シングルにもなっている)の影がチラつく(7)。それほどテンポは速くはないが、彼らにしては直線的な曲。


(8)NO THRILL  ▲tracks
 ジャジーなハイハット・シンバルに、レゲエ的なベース・ライン、そして何よりも特徴的なポリスの「ROXANNE」( 『 OUTLANDOS D'AMOUR 』 に収録)のようなリズムのコード・ストロークが繰り返される(8)。この後何か展開があるのかな?と思っても、何も無いのであしからず。後ろの方で鳴っている金属的なノイズはギターかと思いきや、クレジットによればレックによるシンセサイザーとのことだ。


(9)BIG-S  ▲tracks
 淡々と変化の無い前曲から一転、唐突にヘヴィーに始まる(9)。ボヤっとしているとホントにビビる。この曲もマッド・カプセル・マーケッツはちょっと頂いちゃっていて、彼らの「システム・エラー」( 『 SPEAK !!!! 』 に収録)という曲はこの曲のリフをハイ・スピードにしたような曲だ。


(10)OUT  ▲tracks
 ルーズでヘヴィーなノリの(10)。7分近い長尺の曲。この曲でもチコ・ヒゲがサックスを披露している。ここでもサックスは控えめで、主役はツネマツのギター。徐々にキリキリとノイジーになって上昇していく。そして淡々とリフを繰り返していたレックのベースも、そのギターにシンクロするが如くに上昇していく。


 本作を聴いていると、脳裏に様々な日本のパンク・バンドが浮かんでは消えていく。本作が後々の日本のパンク・バンドに与えた影響は絶大なのだなとつくづくと感じる。

 本作のプロデューサーとして関わったのが当時YMOの坂本龍一。そして、本作に強く影響を受けているマッド・カプセル・マーケッツが後にカヴァーしたのはYMOの「SOLID STATE SURVIVOR」(作曲者は高橋幸宏だが)。本人達が意識していたかどうかは定かではないが、何か奇妙な因縁を感じてしまう。


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