Led Zeppelin / Led Zeppelin <1969> |
おすすめ度★★★★☆ |
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自らの追求する音楽を実現する為にYardbirdsを解散したJimmy Pageが結成したLed Zeppelinの、録音時間わずか36時間だったという歴史的デビューアルバム。 後にハードロックという新しいジャンルを確立していく彼らだが、デビューアルバムである本作では時代的背景もあってか「ハードなRockアルバム」というニュアンスが強く、ハードロックはちょっとねぇ...という方にも是非聴いて頂きたいアルバムである。 内容の方も非常にバラエティに富んでおり、ブルースありトラッドありサイケありでPageの好みが最大限に発揮されていると言えるだろう。 また、John Paul Jonesの職人的バックアップと無名のヴォーカリストRobert Plantのスザマしいシャウトヴォーカル、どこに行っても「うるさすぎる!」っと言われていたというJohn Bonhamの手数の多いドラムと吟味された最強のメンバーの活躍も目立つ。 プロデュースは勿論Page自身が担当しているが、エンジニアにはBeatlesのGet Backセッションや後にEaglesやFaces、Rolling Stones等、英米問わずに活躍したGlyn Jonesが起用されている。 ちなみに本作収録の3は、前年発表されたJeff BeckのTruthにも同タイプのアプローチで収録済みだったためクレームがついている。 まぁ、言われてもしゃ〜ないという出来だが、そんな事言われてたら収録曲のほとんどにクレームが付いてしまいそうな曲ばっかり。 ここら辺のタフさと言いますか、パクリ精神はPageがYardbirdsから唯一引きずった部分かもしれない。素晴らしい!
〜特にお気に入りな曲達〜 Baby I'm Gonna Leave Youは、当時ジョ−ンバエズがカヴァーしていたというトラッドソング。スパニッシュ風の味わい深いアコギに乗ってのPlantの歌いっぷりが素晴らしく、バックの徐々に盛り上げてくる演奏にも圧巻。初期Zepの懐の深さの味わえる好トラック。 続くYou Shook Meは例の問題が勃発したいわく付きの曲だが、個人的にはこちらの方が好きだ。JonesのオルガンからPlantのハープ、Pageのギターと続くソロはこのアルバムのハイライトの一つと言えるだろう。 Dazed And Confusedは数々の有名アーティストが参加したSuper Showでも披露した初期の彼らの必殺ナンバー。サイケロックのハード化の様なアレンジが光る。 また、実はYardbirds時代には既にアレンジが完成しており、Live等では度々演奏されていた様だ。 その時の音源はブートなどで確認できるが、それを聴くとKeith Relf君のヴォーカルが如何にPageにとって貧弱だったかが分かってしまって可哀相である。ちなみに例のバイオリン奏法も完成済みなところも聴き所。 まぁRelfもこの頃になると、二大ギタリストとは違う方向性に目覚めていただけに、RodやPlantと比較するのはナンセンスと言えばそうなんでしょうけど.... さてYour Time Is Gonna Comeは個人的なアルバムハイライトナンバーだ。Jonesの印象的なオルガンから入るトラッド的な味わいは、この頃のUKRockの充実振りを顕著に映し出した例と言える。 アコースティックな音作りや途中から入るPageのスティールギター、若々しく響くPlantのヴォーカル....アメリカンロックからの影響も伺える名曲だ。 そしてメドレー式になだれ込むBlack Mountain SideはYardbirds時代のWhite Summerの続編的作品だが、ここではインド的なパーカッションも光る好アレンジ。ここら辺の「ちょっと一息」って小品はイギリス的で好きですね。 Communication Breakdownは、Liveではオープニングとなる事もあったスピーディなハードブルースナンバー。リフ1発で曲を構成してしまうPageの才能が開花した曲かもしれない。怒涛のギターサウンドには、ただただ脱帽です。 ラストを飾るHow Many More TimesはJonesの奏でるリフに乗って、Pageが思い付く限りのアイデアを、そしてPlantが残ったエネルギーを全て吐き出すかの様なヴォーカルを展開する。 中盤のサイケ部分でのプレイがいかにもUKバンドだなぁって感じ。この時期イギリスではまだまだサイケを引っ張っていたんですねぇ。 |
1 . Good Times Bad Times
若き日の4人組 |
(1999.12.26 再更新)
〜ちょっと禁断のブート話〜
Led Zeppelin / Play Pure Blues
69年テキサスにおける初期のLiveをステレオ高音質で収録したブート。
これに関しては色々なレーベルから結構良い音で発売されている。
実際僕も兄貴がLast Stand Diskからのブツを買ったと言う事でこれを譲り受けただけ。
一時「Neo Yardbirds」というバンド名を使わされていた言う逸話を裏付けるかの様に
Liveはアレンジもそのままに、Yardbirds時代の代表曲「Train Kept A Rollin'」で幕を開けている。
しかし!そこから怒涛の如く始るZep Warldの勢いは
バンド結成直後の熱気を伝えるのに充分な迫力を持ち合わせている。
結成直後の為か不器用さの目立つその演奏振りは
結果的にスザマシイ荒々しさを臭わせ、
伝説的ハードロックバンドの誕生の瞬間を物語っている。
〜関連映像作品の簡単な紹介〜
Super Show
60年代後半は様々なバンドが解散、結成を繰り返しミュージシャン達も
自分達の音楽性を限りなく模索していた時代だった。
そんな時代の空気を捕らえた映像作品の一つが本作だ。
Colosseum、Creamを解散させたEric Clapton、Jack Bruce、
そしてBuddy Miles、Stephen Stills、ブルースマンBuddy Guy、ジャズ畑のMJQ等、
本当に豪華なミュージシャンが参加したスタジオLiveに
デビュー直後のZepも参加している。
皆さん色々な領域を目指して気張ってる中で、Buddy Guyだけブルース全開!
正直、ここで一番カッチョ良いのは彼だ。特にBuddy Miles、Jack Bruceといった
面々をバックに歌うMary Had A Littles Lambは鳥肌モンです。
もちろんZepもご機嫌で、一人でRockしてるって感じ。若々しいPlantも眩しい。
只、おい、エンディングをカットしてるだろう!って言いたくなる。
他にもEricとBuddy Guyとのギターソロバトルや
Stephen StillsによるエレクトリックBlack Queen等々、
見所満載のマニアック映像作品。
要チェックだ!
順路はこちら
Led Zeppelin / Led Zeppelin V へ
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
Jeff Beck / The Late Of 60's〜
第一期Jeff Beck Groupのコンピ。You Shook Meが聴ける
Eagles / Eagles
Zepと一番違和感のあるGlyn Jones作品!
The Rolling Stones / Let It Bleed
GlynのStonesとの仕事はこれ。エンジニアで参加