Traffic / Traffic <1968>

おすすめ度★★★★


Steve Winwoodが新たに結成したグループTrafficが68年に発表した2ndアルバム。

67年に発表した1stが時代を感じさせるサイケなトータルアルバムだったのに対して、こちらも当時のRock界に蔓延しつつあった原点回帰的空気をふんだんに吸収した名盤に仕上がっている。

Steve Winwoodが全身から発散するブラックなR&BフィーリングとDave Masonが持つポップでアーシーなサウンド、そしてChris Woodが味付けするチョットお下劣でJazzyな香りがとても良い形でミックスされている。

後に台頭する事となる怒涛のアメリカンロック指向を先取りしたかのような前半部分は特に素晴らしく、収録曲のクォリティも抜群に高い。

プロデュースはJimmy Miller。このバラエティ豊かな個性が仇となって短命に終わってしまう第T期Trafficのアルバムでも最高傑作の呼び声高い作品だ。(2枚くらいしか作ってないけど...)

Steve Winwoodは様々なアーティストからのラヴコールの中からCreamを解散させたEric Claptonと共にスーパーグループBlind Faithを結成。

Dave Masonは自身の目指す音楽を更に具体化させる為、アメリカに渡りソロアルバムの構想を練る事となる。

ちなみに最近、彼らのアルバムがリマスターボーナストラック付きで再発された。音もとてもクリアでボーナストラックも美味しい。良い仕事してますねぇ〜!

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って、長くなったらどうしよう...^^;)

アルバムはアーシーなアメリカンロックスタイルのYou Can All Join Inで幕開け。アルバム前半のカッチョ良い味わいを集約した見事なオープニングに、彼らの魅力へのTrafficが目の前に広がる。

Masonによるアコギの響きとSteveによるポップなエレキギターの対比がとても心地良い。Masonのフォーキーなヴォーカルも最高だ。

続くPearly Queenは後にRock界を統率するSwanp Rockの味わいを持った名曲。前曲に続くポップ寄りのRockギターサウンドと全体を密かに包むキーボードがカッチョ良い。

この辺のギターサウンドは後のDave Masonがむしろメキメキと前面に押出してくるモノだが、この時点ではWinwoodの方が奏でてるところには興味のわくところ。Steveの妙な歌いまわしも見事です。

再びMasonの作品であるDon't Be Sadはトラッド風フォークRockナンバーに変な味付けをしたナイスなアレンジが光る。

寂し気に響くハーモニカの音色もよそに、次々と鳴り響くWinwoodのアバンギャルドなキーボードやChrisのサックス、そしてアーシーなJimのドラムが妙な反応を引き起こしている。何だか好きなトラック。

リズム以外の音がWinwoood一人による多重録音というWho Knows What Tomorrow May Bringは彼の才能の独壇場といったところか。

味わい深く見事に歌い上げるヴォーカルも去る事ながら、カッチョ良いギターサウンドからポップなキーボードまで全てがお気に入り。これを全て一人でやるなんて...他のメンバーの立場は!?

後にJoe Cockerも取り上げるFeelin' Alright ?は、アーシーなMasonの魅力が集約された名曲だ。

Mason自身によるヴォーカルも見事ながら、とても黒っぽいWinwoodのピアノの貢献度が決定的。彼へのラヴコールの数々が納得できる素晴らしい演奏だ。イギリス人じゃねぇ、こいつ。

トロピカルな雰囲気が楽しいVagabond VirginはMasonとJimの共作。楽し気な味わいを引き出すJim、Chris、Masonの横でブンブンとベースを弾いてその一方で華麗なピアノを奏でるWinwood...やっぱり彼の魅力は際立っちゃうな。

サイケなイントロで入る(Roamin' Thro' The Glomanin With)40,000 Headmenは徐々にロック色を帯びてくる展開が見事。そしてWinwoodのヴォーカルもこれまた最高の味わいだ。

アルバム最後を飾るのはMeans To An Endだ。前半のサウンドを取り戻したかの様なアーシーなサウンドが光る。こちらもWinwoodの多重録音だ。(ドラムのみJimが叩く)

ここらのサウンドを聴くと、Claptonが自身の夢見たサウンド実現の為にWinwoodを誘った理由が納得できる。見事。


ボーナストラックはこの時期にシングルで発売されたものが丁寧に収録されており、一応ラストアルバムとなるLast Exitに収録されていたものも含まれている。

中でも文句無しにカッチョ良いのがMedicated Gooだろう。60年代のUK Rockのカッチョ良さを集約したかのようなギターサウンドに、彼らの無限の可能性が見え隠れする。最高じゃな。

更にShanghai Noodle Factoryは彼らの魅力が詰まったクールなRockナンバー。もうイントロからアーシーなサウンドが見事に溶け込んだRockサウンドに惚れるのみです...

 


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1 . You Can All Join In
2 . Pearly Queen
3 . Don't Be Sad
4 . Who Knows What   
     Tomorrow May Bring
5 . Feelin' Alright ?
6 . Vagabond Virgin
7 . (Roamin' Thro'
The Glomanin With)
40,000 Headmen
8 . Cryin' To Be Heard
9 . No Time To Live
10 . Means To An End

〜Bonus Tracks〜
11 . Here We Go Round
        The Mulberry Bush
12 . Am I What I Was  
       Or Am I What I Am
13 . Withering Tree
14 . Medicated Goo
15 . Shanghai Noodle Factory

 

 

 

 

 

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う〜ん、彼らにはもう少し
探検してもらいたかたね...
このメンバーで

(2000.4.8 更新)

 

 

 

 

 

 

散策路はこちら
Small Faces / Small Faces へ

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〜特別順路〜

Steve Winwood コース
WinwoodはClaptonと共にスーパーグループBlind Faithを結成!

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Dave Mason コース
その先見の目を生かして彼はアメリカに渡ります。そんな彼の1stを!

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Joe Cocker / With A Little Help From My Friends
Feelin' Alrightの見事なカヴァー含む名盤

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