Dave Mason / Alone Together <1970>

おすすめ度★★★★★


Steven Winwoodと共にTrafficを結成し、「Feelin' Alright」等の名曲を提供したDave Masonだったが、その活動にも不満を募らせ脱退再加入を繰り返しながら英米を行き来する活動が続く。

そんなDaveを高く評価し、アメリカ滞在中に面倒を見てくれたのがDelaney & Bonnieを始めとするL.Aミュージシャン達だった。そんな彼らにサポートされ製作されたのが本作、彼の1stソロアルバムである。

本作はイギリスミュージシャンが製作した初の本格的スワンプロックアルバムであり、バックメンバーもDelaney & BonnieからLeon RussellJim KeltnerRita CoolidgeJohn Simon、さらに後にEric ClaptonDerek And The Dominosを結成するJim GordonCarl Radleまで、当時Rock界を牛耳っていたL.Aミュージシャン達が脇をガッチリ固めている。

サウンドは全体にアーシーなスワンプ調になっているが、UKミュージシャンらしいメロディアスな面やギタリストとしての力量もさり気なく刻んでいる。

さらにトラッド調の楽曲も目立ち、イギリス的ニュアンスにアメリカ産のサウンドが上手くミックスされた名盤に仕上がっている。

しかしそんな歴史的な背景を置いておいても、本作の魅力は何と言っても楽曲そのものの良さだろう。収録曲こそ少なめであるもののそれぞれの楽曲のクォリティは抜群で、シンプルなアレンジも手伝いその魅力は存分に楽しむことが出来る。

Delaney & Bonnie And Friendsの一員としてイギリスに帰国したMasonが、いち早くアメリカンロックを手にしたギタリストとして歓迎されたのは想像に難しくない。特にClaptonの初のソロアルバム等には、大いなる道標となったはずである。

この後、DaveはMamas & PapasのFat AngelことCass Elliotとのデュオアルバム等を発表するも所属レーベルとのトラブルに見舞われ、しばらく不遇の時間を過ごしてしまう事となる。

 

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

アルバムは後にスワンプミュージシャンの伝承歌となったOnly You Know And I Knowで幕を開ける。アーシーで軽快に展開する彼の永遠の名曲である。サウンドも抜群でシンプルに響くリズム隊に乗ってMason自身の必殺ギターも美しく歌っている。

アコースティックな刻みと美しいエレキの奏でを組み合わせたセンスは素晴らしく、意外とここらのサウンドは70年代初期のUKミュージシャンに与えた影響大だと思う。後にDalaney & BonnieRita Coolidge等もカヴァーしているが、オリジナルが一番イイ出来だ。

一転してトラッド調というか、イギリス的になるCan't Stop Worrying Can't Stop Lovingも大好きなナンバーだ。ここでは彼のじっくりと聴かせる優しいヴォーカルに注目である。控えめながらココでもエレキの響きが美しい。

続くWaitin' On YouはMasonの独特の乗りがとても心地良いRockナンバーだ。エレピはLeonなんだろうか?UKっぽいサウンドにスワンプ的なアレンジが融合した素晴らしき世界が堪能できる。

イントロのアコギとマンドリンの響きでイってしまいそうになるShouldn't Have Took More Than You Gaveも好きだ。ワウワウもイイ感じで響き出した頃の、後半の盛り上がり方も最高の境地だ。ちっとStephen Stillsみたい?

素朴な曲作りが光るJust A Songも出色の出来。カントリーっぽさも匂わすアコースティックなアレンジからのスワンプ独特のコーラス、シンプルなヴォーカルスタイルと、どれも最高に響く。

ラストは1と双璧となる軽快なLook At You Look At Me。明らかにLeonと分かるピアノも不器用に響く最高のRockナンバーだ。カッチョ良いぞ!

 


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1 . Only You Know  
              And I Know
2 . Can't Stop Worrying   
           Can't Stop Loving
3 . Waitin' On You
4 . Shouldn't Have Took   
       More Than You Gave
5 . World On Changes
6 . Sad As Deep As You
7 . Just A Song
8 . Look At You   
                 Look At Me

 

 

 

 

 

 

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必殺!三連リフは永遠だ!

(2002.4.7 再監修)

 

 

 

 

 

〜関連アルバムの簡単な紹介〜
Dave Mason / Head Keeper

本来Alone Togetherに続く2枚目のソロアルバムとして製作された
ブルーサムでのもうひとつの作品。

Masonの意向とレコード会社との折り合いがつかず、色々あったけど
結局A面がスタジオ盤の新曲、B面がLive音源という構成で発売されている。

タイトル曲などはCBS移籍後に改めて発表されているところからも
本人にとっても不本意な形でのリリースだったということは想像に難しくない。

しかしスタジオ盤の楽曲はどれも素晴らしく、後に髭を蓄えヴォーカルに拳も効き出した後年の味わいに
どうしても慣れない僕にとって、ピュアなこの時期のLive音源は貴重そのもの。

Live音源ではPearly Queenで始まりFeelin' Alrightで終わるなど、Traffic時代の楽曲も
演奏しているところも注目。いいアルバムだと思うけどな。

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順路はこちら
Dave Mason / It's Like You Never Left へ!

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Delaney & Bonnie And Friends / On Tour!
Daveも参加したD&Bの英ツアーのLive盤。

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Eric Clapton / Eric Clapton
Daveの影響を多いに受けて製作したEric初のソロアルバム
(Dominos目当ての方も、とりあえずこちらへ!)

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Traffic / Traffic
MasonがSteven Winwoodと共に結成したUK Band

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George Harrison Solo Works
Georgeの名盤、All Things Must PassにDaveは参加してます

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Rita Coolidge / Rita Coolidge
例のOnly You〜は2edに収録。こちらは1stですがオススメ。

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