The Rolling Stones / Sticky Fingers <1971> |
おすすめ度★★★★★★ |
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Rolling Stonesが自身のレーベル「Rolling Stones Record」を設立してからの1stアルバム。Stones黄金の70'sの始まりを告げた本作は、アメリカ南部のサウンドへの深い愛情と羨望の念が詰まった傑作である。 69年から続いていたツアーによってすっかりStonesに馴染んできた若き新ギタリストMick Taylorの活躍が良い方向に働き、Mick Jagerのヴォーカルスタイルも最高に粘っこく響く。Keithも当然絶好調だ。 元々のルーツであるR&Bに加え、アメリカからのスワンプテイストやカントリーフィーリングをミックスしたStones黄金期のサウンドは、ここに完成するのである。 サポートメンバーは以前からのBobby KeysとJim Priceのホーン隊、アメリカでの活動で2だけの参加となったNicky Hopkinsに加え、BeatlesのGet Backセッションにも参加したBilly Prestonが新たに4,7で参加して渋いオルガンを弾いている。 さらに前作のアウトテイクの8には、Ry Cooderの素晴らしいスライドギターを聴く事ができる。多分本人には了承をとってないっぽいですが。 実際には70年頃には完成していた本作は、レーベル移動のいざこざでリリースが遅れた事になってしまったらしい。特にシングル用として完成していた1は、69年末にはレコーディングが完成していたという。 週単位でトレンドが変わっていたこの時期のシングルが1年以上も眠っていたにも関わらずお蔵入りを免れたのは、他ならぬ曲のクォリティに起因していたのだろう。完成度の高い最高のRockナンバーとして、現在もStonesのLiveのハイライトとなっている。 ちなみにEric Claptonをスライドギター、Al Cooperをキーボードに参加させたテイクもブートなどで聴ける。爆発的な勢いを感じさせるこちらのテイクも最高にカッチョ良いですが、まぁ、正規盤の方が完成度は高いという事でしょう。 LiveでのMick Taylorのスライドプレイは、この時のClaptonのプレイを参考にしたのかなぁっと思わせます。
〜特にお気に入りな曲達〜 まずは当然Brown Sugar!イントロのリフからCharlieのドラム、そして軽快なアコースティックギター!更に畳掛けるMickのヴォーカルとKeithのラフなコーラスまで!う〜、何も言う事無いですね。 最高にカッチョ良かった70年代初頭のUK Rockの象徴の様なアレンジです。あ、あとBobyのサックスも最高ね。 続くSwayも1曲目のカウンターパンチの直後という事で、ちょっと気付きにくいかもしれませんが最高のナンバー。 イントロに聞こえる遠目のカウントからKeithの強烈なギターは、このアルバムのカッコ良さを集約しています。Taylorの流れるようなギタープレイ、Paul Buckmasterによる控え目のストリングも光る。 Gram Parsons率いるFBBが先にリリースした形となったWild Horsesは、アコギとスライドギターの対比が美しいカントリーナンバー。 この曲の歌詞については様々な解釈がなされているが、個人的にはアメリカ南部の音楽を体現していたGramを荒馬に例えて「いつか俺達もあいつを捕まえてやる!」っと言ってる説を信じていたい。何だか夢心地なエピソードなのだ。 Keithの弾くリフが最高にカッチョ良く響くCan't You Hear Me Knockingもこのアルバムのハイライトのひとつだろう。しかし後半は、一転してラテン風のアレンジで迫る。ここでは今度はMick TaylorがSantana顔負けのギターで応酬! ここらのセッション的味わいは、Taylor在籍時のStonesの独壇場。多分、今のメンバーならフェイドアウトでしょうねぇ...いやイイんです!それでも! Bitchは当時流行のスワンプロックを、更にファンキーにしたような最高のRockナンバーだ。メインのリフからホーン隊のファンキーな響き、そして何と言ってもMick Jagerの歌いまわしが最高にカッチョ良い。 彼らのルーツでもあるR&Bへのオマージュの様な I Got The Bluesは、メンフィスホーンを意識したようなBobyとJimのプレイやBilly Prestonの強烈なオルガンプレイが聴き所。 エコーの掛かったMickのヴォーカルとも重なって、味わい深きトラックに仕上げられている。 Sister Morphineは、しばらくして入ってくるRy Cooderのボトルネックギターでキマリである。カラカラに乾いた様なシリアスな音色がこの曲の魅力を最大限に引き出している。また、Mickの歌いっぷりも見事じゃ。 Gram Parsonsの影響が見事に開花した様なカントリーナンバーDead Flowersも大好きなナンバー。MickとKeithによるコーラスやTaylorのギターが随所で光っている。 Moonlight Mileは、KeithのアイデアをTaylorが発展させて出来たという曲。後半の東洋的なストリングも美しい、とてもStonesらしくない曲。でも好きなんだな。 この曲に関してはレココレ増刊の「Stoned!」に、編集長が「KeithとGramが南カリフォルニアの公園にUFOを見に行った時にアイデアが浮かんだ」という説を想像していました。(勿論、想像の域を脱してないんですが..) それを読んで以来、この曲を聴くと「Grievous
Angel」のGramの顔が夜空に現れるのですねぇ...あぁ、Gramぅ〜
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Brown Sugar
Stones 黄金期! |
(2000.1.18 再更新)
〜ちょっと禁断のブート話〜
The Rolling Stones / Get Your Leeds Lungs Out!
TSPが出してた71年リーズ大学でのLiveが最高の音で聴けちゃう夢の様なCD。
もう、この頃にはMick Taylorのギターが光りまくっている。
Dead Flowers、Love In Vain等での圧倒的なプレイは、涙モノ。
また71年と言えば、あのSatisfactionがR&Rバージョンで演奏されたとしても有名だ。
このバージョンがまたルーズで、とてもカッチョ良い。
勿論、このアルバムからも新曲として数曲が演奏されている。
Bitchもスタジオ盤に負けじと勢いのある演奏が繰り広げられている。
間奏でZEP並みのVo&g掛け合いを試みているも、Mickのポカで
ボロボロになってるところも聴き所。一生懸命Keithが促してるのに.....見てなかったのか?
ちなみにこの日の演奏から、Let It RockのみがBrown Sugarのシングルの
カップリングとして正規化されている。なるほど良い勢いのある出来です。
完全盤はぁ?
〜関連アーティスト/アルバムの簡単な紹介〜
FBB/Burrito Deluxe
Gram Parsonsが結成したカントリーロックバンドの2nd。
このアルバムからギターでBernie Leadon、
ドラムにMichael Clarkeが加入している。
Stonesに贈られたWild Horsesはこれに収録。
Gramの見事な歌いっぷりと共に名演として名高いテイクだ。
1st程の革命的なニュアンスは少ないが、バンドとしてのアンサンブルは向上。
しかしその分、Gramの色が薄くなってて残念。
Between The Buttons収録のConnectionの様な
スカスカしたノリが魅力のカントリーティストなロックアルバム。
FBB / The Gilded Palace Of Sin
1stはこちらです
順路はこちら
The Rolling Stones / Exile On Main ST.