Faces / First Step   <1970>

おすすめ度★★★☆


60年代にモッズ達のヒーロー的存在として活躍したSmall Facesが中心メンバーであったSteve Marriottの脱退劇を期に、元Jeff Beck GroupのRonnie Wood、Rod Stewartの二人を加入させてスタートを切った再デビューアルバム。

グループ名は現状から「Small」を削除した「Faces」としたがギリギリまで決まってなかったらしく、アメリカの初回プレスでは「Small Faces」の名がジャケットに飾られていたそうだ。

実際、僕が所有していた初期のLiveのブートでも「Small Faces !」っと紹介されていた。現在のCDでは何故か「Small Faces」と表記され直されており、無知な店員の誤解を招いている。

新加入の二人以外はSmall Facesからのメンバーであるにも関わらず、そのサウンドの変化は明らか。

R&B的なアプローチがよりヘビーで重心の低いモノになっており、Ian McLaganのキーボードとも重なってスワンプっぽい香りもするラフな仕上がりとなっている。

さらに、後のソロになって開花するRonnie Laneのトラッド的味わいと若々しいRodのワイルドな味わいとの妙な違和感も楽しめる。

ヘビードランカーだったらしいRodとWoodyの加入がバンド全体の雰囲気をも変えてしまったかの様に楽し気に響く音も印象的で、まさに永遠のB級酔っ払いR&Rバンド誕生の瞬間が収められている。

ちなみにこの時、既にマーキュリーとソロ契約を結んでいたRod StewartはソロとFacesの活動をレーベルを股に掛けて並行して行うという現在では考えられない荒技を敢行している。悪い子である。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

アルバムは、Ianの渋いオルガンとWoodyのラフなスライドにRonnieのうなるベースが絡むWicked Messengerでヘビーに幕を開ける。Bob DylanのJohn Wesley Harding収録のナンバーだが、ここでの独創的なヘビーR&B解釈は出色!

Rodのヴォーカルもアルバム中最高だし、WoodyのスライドやKennyの固いドタバタドラムも心地良く響く。彼らのカヴァーセンスをノッケから示した好テイクだ。

DevotionはRonnie Laneのオリジナルで、どちらかと言えばSmall FacesタイプのR&B。Ianのオルガンもまたカッチョ良いが、WoodyのクリアなギターサウンドとRodのヴォーカルが光る。Ronnieのウナるヴォーカルも最高。

StoneはRonnie Laneによるトラッドナンバーで、彼のリードヴォーカルがアルバム中初登場する。

ユニークに響くIanのホンキートンクピアノや、何とRodが演奏しているというバンジョーが良い雰囲気を出している。ただ、ちょっと長いのが難点。僕なら2分弱でフェイドアウトだなぁ....

WoodyによるPineapple And The Monkeyはスワンプ臭の香るインストナンバーで、IanとWoodyの活躍が目立つ。アルバム中終始この二人の音が妙に生々しくてカッチョ良いのだが、ここではじっくりとそれが堪能できる。しかし、いい加減なタイトルだな、お前ら。

WoodyとRonnieとの共作であるNobody Knowsは、Ronnie色が強くて渋いナンバーだ。終始響くRonnieの低い声がさらに渋さを引き立てる。彼の後ろ姿はさぞかしカッコ良かったろうなぁ...っと想像したくなる声ですね。後ろで歌うWoodyのスライドも最高。

途中のブレイク時に何やらノイズらしいモノが入って、Rodのフライング気味のヴォーカルで始まる所がまたB級っぽくて、Facesです。

2曲目となるインストナンバーとなるLooking Out The WindowはKennyとIanによるもの。全体に漂うヘビーな味わいがJeff Beck Groupのようだ。WoodyのギターもちょっとBeckっぽいか、な?Kennyのドラムもいつにも増してドタバタしている。

オリジナルナンバーでは出色のThree Button Hand Me DownはRodとIanの共作。楽しそうに演奏している彼らの姿が目に浮かぶ、独壇場的な味わいが聴ける。

ここでアルバム中唯一Woodyがベースを弾いているが、Jeff Beck Geoup時代を彷彿させるファンキーなベースを披露している。ベースソロによるイントロからのアコギのクリアなカッティングがとても印象的。


Step1.gif (21074 バイト)

1 . Wicked Messenger
2 . Devotion
3 . Shake, Shudder, Shiver
4 . Stone
5 . Around The Plynth
6 . Flying
7 . Pineapple And The Monkey
8 . Nobody Knows
9 . Looking Out The Window
10 . Three Button Hand Me Down


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Step2.gif (7170 バイト)

ホントはネ、
Woodyだけ誘ったらしい。
Rodはその友達...

(2000.1.4 再更新)

 

 

 

 

 

順路はこちら
Rod Stewart / Gasoline Alley へ

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Bob Dylan / Jphn Wesley Harding
Wicked Messengerのオリジナルはこちらに収録!Dylan復活作

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Jeff Beck Group
無名時代のRod StewartとRonnie Woodが参加したグループ!

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Small Faces / Small Faces
Small Facesの最高傑作!彼らのポップで濃い魅力が満載です

small1.gif (13116 バイト)

 

 

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