Gasoline Alley / Rod Stewart  <1970>

おすすめ度★★★☆


FacesのFirst Step発表後、Mick WallerらのスタジオミュージシャンにFacesの面子を揃えて製作されたRodのソロ名義2ed。こんな事がレーベルを股に掛けて行われたのもこの時代ならではである。

本作では、スコットランド人の血を引くRodのトラッドな味わいとSmall Faces組のヘビーなサウンド、さらにFacesが踏み出した独特の英国Swamp的なニュアンスが曲によって次々と顔を出してくる。

確かにイマイチまとまりの無いアルバムと言う事になるが、その分Rodの様々なタイプのヴォーカルが堪能できる秀作だ。

楽曲的にも粒揃いで、ライターとしてのRodの才能も徐々に開花に向っている。特にWoodyとの共作とはいうものの1での美しさは出色であり、さらに78と、どれもカントリーやブリティッシュトラッド的な味わいを持っているところが興味深い。

そしてもちろん、抜群のカヴァーソング達。2356等相変わらず独自の解釈で新しい味わいを加えている。ちなみに4Small Facesの曲をFacesの面子でカヴァーしたものだ。

このアルバム聴いてると、結構地味だったりするRod君が可愛いのでありますね。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って長くなったら、どうしよう ^^;)

冒頭を飾るのは美しき望郷の歌Gasoline Alleyだ。前半のアコギと後半それに加わるマンドリンに呼応する、ダブルトラックのラフなエレキギター....このコンビネーションが何とも味わい深い響きを奏でる。Rodのヴォーカルも何処と無く哀愁を漂わす。名曲ですねぇ。

一転して楽しさ一杯に暴れまわる It's All Over Now。FacesのLiveでも度々オープニングナンバーとして演奏されたナイスなカヴァーだ。

とにかくギター、ベース、ピアノ、ドラムがそれぞれ楽しそうに演奏している姿が目に浮かぶようで、彼らの魅力が詰まったトラックだ。浮き沈むを繰り返すベースラインは特にお気に入り。

Dylanの未発表ナンバーOnly A Hoboも魅力的。楽曲の持つトラッドな味わいを見事にスコットランド風に消化させたアレンジは見事のひと言。途中に湧き上がるように奏でられるフィンドルの味わいが忘れられない。

My Way Of Givingは前述の通りSmall Facesのナンバー。オリジナルはやや平坦なR&Bだったが、Woodyの見事なギターワークとRodのMarriottに対抗するかの如くシャウトするヴォーカルによって70'sサウンドに生まれ変っている。

サポートするメンバー達も懐かしいナンバーの再演を楽しんでいるように演奏しているのが目に浮かびますね。

Country ComfortはElton Johnによる美しいナンバー。しかし、ここでのRodのバージョンはとにかく素晴らしく、FacesのSweet Lady Maryに通じる好アレンジをカマしてる。Ronnieの低音ハモリ、Ianによる美しいピアノの音色もエエですな。すごくUKらしいアレンジに思わず頬も緩みます。

再びRodのオリジナルとなるLady Dayは、Woodyのラフなギターとパーカッションの様に響く生ベースが魅力のトラッド風ナンバー。

後ろの方で密かに響くアコギも曲の美しさを引き立ている。そして極めつけは間奏のフィンドル。こんな曲を書いていたRodが大好きなのだ。

そしてラストは2と対をなるようなFacesタイプの I Don't Want To Discuss Itだ。Woodyのギターも含めたファンキーなリズムがやたらとカッチョ良い。ここらの強烈なリズムは初期Facesの最大の魅力!

 


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1 . Gasoline Alley
2 . It's All Over Now
3 . Only A Hobo
4 . My Way Of Giving
5 . Country Comfort
6 . Cut Across Shorty
7 . Lady Day
8 . Jo 's Lament
9 . I Don't Want To Discuss It

 

 

 

 

 

 

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Facesのリードヴォーカリストと
ソロアーティストを使い分ける男!
やばいぞ、それぇ〜....

(2001.9.24 再更新)

 

 

 

 

〜ちょっと禁断のブート話〜
Faces / Shake Shudder Shiver

本作やFacesの1st等で聴かれたナンバーが
BBCスタジオライヴになって蘇っているナイスなブート。

Three Button Hand Me DownやWicked Messengerといった
涙モノの選曲から、メドレー式ではあるものの意外と少ないマトモなアレンジでの
Live盤Gasoline Alley等々貴重な曲達が目立つ。

しかし個人的なハイライトは、ちょっとオボつかないピアノに乗って
じっくりと歌われるCountry Comfortである...
Liveならではの危なっかしい演奏が最高に染みる。

彼らLiveと言えば酒場で酔っ払いながらドカーン!ってイメージだったので
観客の声の入らないLive音源に初めは違和感がありましたが、
ま、タマにはエエっか、ってところです。ナイス!

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順路はこちら
Rod Stewart / Every Picture Tells A Story へ

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

Small Faces / Small Faces
In My Of Givingのオリジナルはこちらで聴けます 

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