Little Feat / Sailin' Shoes (1972) |
おすすめ度★★★★☆ |
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L.A周辺で活動していたギタリスト、ソングライターのLowell Georgeを中心に結成されたLittle Featが72年に発表した2ndアルバム。 UKロックにも通じる痛快なRock魂からブルース、カントリー、R&Bといったアメリカンロックまでを見事に消化しきった彼らの奏でる唯一無二の世界が全編に広がるウェストコーストの名盤。 収録曲のほとんどは中心メンバーであるLowell Georgeが担当。彼のペンによる独特の世界が、メンバー全員によってアレンジが施されたかの様な怒涛の迫力演奏には圧巻。 ヴォーカリスト、スライドギタリストとしてもL.A屈指のミュージシャンだったLowellの楽曲はLittle Feat結成以前にも注目されており、Byrdsを始めとするL.Aのメジャーグループによっても既に取り上げられていた。 また、そんなLowellの世界に突然ユニークに響くKeyのBill Payneによる10などのアクセントも絶妙に楽しい。 彼らの音楽を語るのはとても難しいと思う。ロックと言えばそれまでだけど、カントリーだけどそれだけじゃない。R&Bだファンキーだと思うけどそれだけじゃない。 それらの音楽をルーツミュージックとして消化しきってしまった彼らのみが奏でられるLittle Featな世界がココにある。アメリカ人しか体現できないのでしょうね、こういうの。羨ましい。 美味しい要素だけを一品一葉に並べているつまみ喰いアーティストに聴いてもらいたいです。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバムは力強いアコギのカッティングにパーカッション、そしてキーボードが絡むEasy To Slipで見事に幕を開ける。 土臭いリズムに乗って歌い上げるLowellのヴォーカル、そしてカッチョ良いソロでキマリの見事なオープニングナンバー。ラフに決めるコーラスも最高だ。 一転重苦しいリズムに包まれるCold, Cold, Coldも独特の世界。全体が一体となって妙な方向に進んで行くアレンジは最高の境地。中でも途中でヴォーカルに接近するスライドギターが出色だ。 ストレートなカントリー調であるTroubleには、前の曲のアレンジが妙だっただけにいつもホっとさせられる。アコギを中心に展開する曲調にアコーディオンが美しく響く。 こちらはストレートなBoogieスタイルにピアノが絡むTripe Face Boogie。イントロのピアノの連譜だけでも楽しいのに、縦横無尽に暴れるスライドギターまで登場。これにハーモニカまで絡み出す。降参です。 1stアルバムにもRy Cooderを迎えてレコーディングしたWillin'はLowellの初期の代表曲の再演で、ByrdsがGene Parsonsのヴォーカルでカヴァーしていた事でも有名。 ドラッグの事をあまりに明らさまに想像させるとしても有名で詩の内容はかなりダークみたいだけど、個人的にはついついその美しすぎるメロディと見事なアレンジに耳が行ってしまうのは罪なところ。 素直に名曲です、っと言っておきましょう。 タイトル曲のSailin' Shoesはサイケ風のカントリーブルースと言った感じで、密かに女性ヴォーカルを加えたり粘っこいスライドが絡んでくる辺りはLowellの独壇場状態といったところ。素晴らしい楽曲です。 PayneによるCat Feverはイントロのピアノフレーズだけでクラクラのナイスなオールドタイミィ風味のブルースナンバー。この辺りのBonnie Raitt辺りにも通じる味わいには弱いな、僕は。 間奏部分のスライドとピアノの掛け合いなんかは最高ですな。 そして前曲に続くかのような素朴なイントロが光るTexas Rose Cafeはサザンロック風の味わいで迫る。最終部分のサイケな味わいもユニークだ。うーん、Rock寄りのBobby Charlesと言ったところ。
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1 . Easy To Slip
みたくれは汚いです |
(2000.5.27 更新)
順路はこちら
Little Feat / Dixie Chiken へ!
〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜
The Byrds / Untitled
Willinの未発表カヴァーバージョンもリィシュー盤に収録です
Bonnie Raitt / Bonnie Raitt(工事中)
彼らと交流があったスライド姉ちゃん。まずは1stからね