Crosby, Stills, Nash & Young
/ Deja vu  <1970>

おすすめ度★★★★☆


Buffalo SpringfieldのStephen Stillsと元ByrdsのDavid Crosby、さらにHolliesのGraham Nsshの三人が結成したスーパーグループ、その名も三人の名前を並べただけというCSNが結成されたのは69年。

それは様々なバンドのメンバーが新しい領域を目指し始めた象徴として、さらにグループがリーダーを前面に出す事無くメンバーそれぞれの持ち味を出した民主的グループの誕生としても一つの時代の幕開けとなった。

しかしグループとしてLive活動をするにあたって必要となったキーボード奏者を巡り、当初StillsはSteven Winwoodに声を掛けるがBlind Faith結成を優先に考えた彼に断られる。

そこでStillsが次に声を掛けたのがBuffalo Springfieldで同じ釜の飯を喰ったNeil Youngだった。彼を加入させて自分がキーボードを担当する事で解決策を見い出した彼の判断が、CSN&Yを誕生させたのである。

このメンバーでWoodstockフェスも含む精力的なLiveをこなしていった彼らは、ついに名盤として名高い本作を発表するのである。

内容は各メンバーが2曲ずつ、カヴァーが1曲、S&Yの共作が1曲と、意図的なまでに平等な振り分けが施され、1stで聴かれたStillsの絶妙な統率力の影は薄くなっている。

しかしその分各楽曲におけるメンバーの個性は際立っており、そこから感じられるピリピリとした緊張感やライバル心はこのアルバムをRockアルバムに呼ぶに相応しい物にしている。

なお、本作にはJerry Garciaがスティールギター、John Sebastianがハープで参加している。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(っていっぱいあってすんません^^;)

アルバムは前作同様、Stillsの独特のRockナンバーCarry Onで始まる。小刻みで歯切れの良いアコースティックギターからの独特のヴォーカルスタイルは、ノッケからCSN&Yの世界へと誘導してくれる。

そして名曲Teach Your Children。ポップでカントリーっぽいアレンジ、甘いヴォーカルとGraham Nashの魅力が発揮されたトラックだ。覚えたてだったというGarciaのスティールギターも効果的に響く。

そしてCrosbyによるAlmost Cut My Hairは、Byrds在籍時よりも更に踏み込んだサイケでヘビーなRockを展開する。

Crosbyの凄みを増したヴォーカルと正確なリズムギターに引っ張られながら、それに追い討ちをかけるようなStillsとYoungのギターバトルが展開される。実はこの曲が一番好きだったりする。

そして今度はNeil YoungのHelplessだ。シンプルアレンジの中で響く彼の澄み切ったヴォーカルがどこまでも美しいトラック。The Bandの終演Last Waltzでもこの曲を歌うNeilが堪能できる。こちらもカッチョ良いのだな。

WoodstockはJoni Mitchellのカヴァー。アレンジ的には完全にStills色が強いっと言うより、まるでStilsのオリジナルソングと思えるほどに彼色に染められている。

ココでもStillsとYoungのギターが全体に緊張感を漂わせている。Crosbyの的確なリズムギターの中で、水を得た魚の様に暴れまわる二人が大好きだな。

Crosbyによる独壇場と言って良いDeja vuは、サイケナンバーにJazzyな要素を加えた名曲だ。John Sebastianによるハープも非常に効果的に響く。もう彼の唯一無二の魅力をとにかく堪能できるトラック。

その直後のOur Houseには、いつもホッとさせられる。Our House is very×3 Fine Houseですよ。veryが3回も付く程幸せだったんでしょうか、全く。羨ましいですね。

Stillsがじっくり聴かせる4 + 20も魅力的なトラック。彼のテクニックと丁寧に歌い上げるヴォーカルがとっても印象的。

ラストのEverybody I Love Youは、Roger Mcguinnを思わせる力任せのNeilのギターとユニゾンのヴォーカル、不器用に浮き沈みするベースラインまで若い頃のByrdsを思わすナンバー。

力任せに突っ走って本作は終焉を迎える。さいなら〜!


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1 . Carry On
2 . Teach Your Children
3 . Almost Cut My Hair
4 . Helpless
5 . Woodstock
6 . Deja vu
7 . Our House
8 . 4 + 20
9 . Country Girl
a . Whiskey Boot Hill
b . Down, Down, Down
c . Country Girl
10 . Everybody I Love You


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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伝説のWoodstockにも参加!
調子は悪かったらしいけど...

(2002.2.3 再更新)

 

 

 

 

 

〜関連アーティストの簡単な紹介〜
Buffalo Springfield

CSN&Yに参加後にさらに多いに活躍するNeil Young、Stephen Stillsと後にPocoを結成する
Rusty Young、Jim Messinaが在籍していた事で有名なグループ。

ヒット曲こそ「For What It's Worth」しか無く活動期間も一年半と非常に短命だった彼らだが
後のL.Aシーンだけじゃなく、様々なバンドに絶大な影響を与えたとされた伝説的グループ。

あの、Led ZeppelinのRobert Plantも彼らの大ファンの一人だ。

中でも2ndにおいてはアバンギャルドなNeilとカントリー寄りの
ポップソングで迫るRichie Furey、その中間を行き最もオーソドックスな
Rockナンバーを奏でるリーダーStillsの3者3様の魅力が混在した名盤だ。

Mr.SoulとBluebird、R&R Womanだけでも本作を聴いてみる価値は十分だ。

最近BOXセットなんかも発売されて再評価の機運も高まり始めている。
個人的にはやっとこさ2ndの魅力に気付き始めた程度なので
余りエラそうな事は言わないようにします。

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Hollies

Graham Nashを中心に、その卓越したコーラスワークとどこまでもポップさサウンドで
人気を博したイギリスのグループ。「Bus Stop」「Just One Look」等のヒット曲は大好きだ。

Grahamは、いつまで経ってもカヴァーやソングライターの曲をレパートリーの中心にする
グループの方針にフラストレーションを募らせて、遂に脱退する。

しかし、Nashが抜けた後も「Air That I Breathe」(最高です)等のヒット曲を出しながら
70年代も頑張っていた。最近70年前後のアルバムが少しずつ復刻されている。欲しい!

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〜関連アルバムの簡単な紹介〜
CSN (BOXセット)

CSN(&Y)の歴史を網羅した素晴らしい4枚組みBOXセット。
随分前から探してて、最近やっとこさ福岡の中古屋で結構な安価で購入しました。

何が素晴らしいってまず音がイイ!非常にイイです。

2000年くらいからStillsのソロ等も"デジタルリマスター"という記述付で
国内盤が再発されたりしてますが、それらとは明らかに違うクリアーな
音色を堪能することができます。これはStillsの1stの音源などで明らか。

そして彼らのスタイルを踏まえたかのように、CSN本体のみならず
それぞれのメンバーのソロ作まで収録された構成、
もちろん未発表曲・別テイクも満載でアルバム未収録ナンバーも押さえてます。

Almost Cut My HearのロングバージョンやJudy Blue Eyesの
ドラム入りテイク等はまさに鳥肌モンである。

ん〜、この手の作品の中では指折りの名作ではないでしょうか?

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順路はこちら
CSN&Y / 4 Wau Street へ

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〜関連アーティスト/アルバムへのリンク〜

The Byrds / Mr. Tambourine Man
Byrdsの記念すべき1stアルバム

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Blind Faith / Blind Faith
ある意味、CSN&Yを産んだアルバムかも!?

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Led Zeppelin / Led Zeppelin
Buffaloファンだったヴォーカリストによるブルースロックアルバム

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