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いろはにこんぺいとう その3

 今度は、わたくし「ジャン*コクトー展」に行って参りました。この展示では素描作品を中心に、油彩やパステルなど約130点が紹介されていました。

 わたしは元々、コクトーの詩が大好きで、彼に関しては、詩に入り、小説も読んでみて、あら おもしろい絵も描いているのネ、んっ、映画までもつくってたの!? という感じでした。

 あまりよく知らなかったコクトーの絵世界に、一歩足を踏み入れるとまさに「美しい男たち」の世界。コクトーはラディケやマレーなどの自分の愛した男たちの「その瞬間の美しさ」を素描で表現しています。

 よく、日本人の感性に欠けているものの、ひとつとして、「異性に対してであれ同性に対してであれ『美しい』と感じる」ことがあげられると思うのです。特に同性愛者でもバイでもない人には、それは当てはまるのでは?

 だから、今、自分の愛する人のことを「美しい」と思えるのなら、その人はあなたにとって、とても「特別な存在」なのだから、離しちゃだめよ、いや 本当に。

 愛する人を「美しい」と思う、(いや、美しいから愛するのでしょうか?)そして「美しい人」の為に無償の愛を注ぐコクトーの生き方に触れ、なんだか今までなかった感覚が、私の中で生まれました。

 しかし、ウォーホールと同じくコクトーの作品の中にはこれは本気で描いたのか?と、疑いたくなるものも多数ありましたよ。

 展示品も最後に近づいた頃、あるひとつの作品に思わず吹き出しそうに(あまり吹き出す人も目にしない)なりました。それはまさに小学校2年生くらいの子供がかいたみたいな「3人のハゲオヤジ」。この作品がポストカードになって売っているのを発見して、迷わず「たるたに先生(*1)への暑中お見舞いにしよう。」と即買いしました。(絵のタイトルが思い出せませんが、3人の闘牛士のパステル画でした。)

 最後にわたしのおススメはコクトー詩画集「Mon ange(ぼくの天使)」です。興味ある人は買うべし。

 *1 たるたに先生・・・「ぱぱぼっくす」のギタリスト。コレステロールが気になるお年頃。

(文:さわだともこ)

:この文章は澤田さんから送られてきた原稿を当HP製作者が、できるだけ原文に忠実に再現することに留意してHP上に掲載しているものです。禁無断転載。


last updated 2002.1.30

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