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Tokyo, 2005. 2. 17
text by Yoshiyuki Suzuki
interpretation and translation by Miwa Hayashi
photo by Masato Kobayashi


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デビュー・アルバム『ユー・アー・ア・ウーマン、アイム・ア・マシーン』の発売に合わせて再来日を果たしたデス・フロム・アバヴ1979。その後ナイン・インチ・ネイルズの秋のアリーナ・ツアー後半戦にクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジとともに帯同し、リミックス・アルバムもリリース、バンドへの評価と新作への期待はますます高まってきているようだ。
 朝の渋谷にて(もちろん徹夜で飲んだ後)どこで見つけたのか車椅子を乗り回し、そこから転げ落ちるパフォーマンスをしでかして道行く人々をドッキリさせていたというイタズラ小僧ぶりと同時に、その心には間違いなくパンク・スピリットがビシッと通っているということが、以下のインタビューを読んでもらえれば分かると思う。


「パンク・ロックというのは音楽の種類ではなくて考え方なんだ。だから、ポスト・パンクという概念すら僕には意味をなさない」

昨日は朝までめいっぱい遊んでたようですね。まず最初に聞きたいのは車椅子を一体どこから手に入れたのか?ということなんですが。

Jesse:どこから手に入れたかなんて、どうでもいいだろ。ちゃんと戻したしさ。盗んだわけじゃない、借りただけだよ。

(苦笑)では、今回はアルバム・リリース後のライヴということで、前回の来日公演とはまた手ごたえも違ったんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?

Sebastien:とても違ったね。ただ、みんな曲自体は分かってくれてただろうけど、ライヴがどういうものになるのかという意味ではきっと想像がついてなかったんじゃないかと思うんだ。

Jesse:ビデオから推測する以外はね。

Sebastien:うん、ただしビデオも必ずしもライヴを正確に表すものじゃないからさ。それでも、みんな受け入れる準備はできてた様子だったし、実際とても暖かく受け入れてもらったと思うよ。それに、とても熱狂的な反応だった。カナダだとそういう感じにはならないね。元々そこの出身で、僕らの事を知ってるし……でも、日本だと僕らは知られてない。まあ、もうどういう奴らかは分かったと思うけど(笑)。とにかく、すごく違った反応で、熱狂的だったね。それと、カナダだとオーディエンスと一緒になってパーティをやってる感じで盛り上がって何かを共有するって感じだけど、日本ではバンドとオーディエンスがそれぞれいて、その2つがコネクトされているって感じだった。

Jesse:アルバムをリリースしてからライヴをすると違う反応になるよね。オーディエンスは曲を分かってくれてるから、ずっとやりやすいよ。

アルバムの曲は元々の構成がシンプルなものが多いと思うんですが、こうしてツアーでずっと演奏してくる中で、また新たなアイディアを思いつくことなどはありましたか?

Sebastien:時にはあるね。例えば、東京でのライヴでは、曲によっては途中のブレイクの部分を長くしたりした。オーディエンスがすごくエキサイトしてくれてたから、その状態をもっと引き伸ばした方がいいって感じたんだよ。そういう風にやろうって相談してやるんじゃなくて、自然にそうなるんだ。基本的に、ツアーをすると演奏がうまくなって、そうすると曲における自由度が高まってより演奏は楽になる。でも、僕らはジャム・バンドじゃないし、今までもジャム・バンドであったことはないし、だからステージでインプロヴィゼイションをしたり、ソロをつくり出したりすることはないよ。そういったことは僕たちの目指すところではないんだ。僕たちは曲主体のバンドだから、ライヴでは曲をあるがままに演奏する……アルバムをそのまま再現するってことじゃないけどね。たぶん、ストロークスとかはそれとは違って、基本的にアルバムをそのまま再現するんじゃないかな。彼らのライヴは見たことないけど、アルバムは良いから、ライヴもきっと良いだろうとは思う。

ライヴの時に、例えば「ここでちょっとサンプラーを使ったらもっと色んなことができるのに」とか思ったりすることはありませんか? それよりも、自分たちの鳴らしている音だけでライヴを作りたいというこだわりがあるとしたら、それはなぜ?

Jesse:ライヴでサンプラーを使った場合の唯一の問題は、すべてが常にサンプラーと同期しなくてはならなくなるということなんだ。さもないとヒドいサウンドになる。だから、僕らはそれよりもライヴで変化を加えられる余地を残しておきたい。ライヴでサンプラーを使うと結局そこをベースにしないといけなくなる。そうなると退屈なものになるからね。ステージ上で起こっていること一切の物理的なコントロールを僕らが握っている限り、サンプラーを使うことはないね。その方がより自由度が高まるからさ。そういう(サンプラーをライヴで使うような)バンドもいるけど、そうなるとパフォーマンスはより機械的になるよね……僕らも一度、試してみたけどうまくいかなかった。

Sebastien:いつかまた挑戦するかもしれないけどね。

通常の使い方ではないサンプラーの使い方を考えているということでしょうか?

Jesse:いや、そうじゃなくて、例えばドラム・マシーンとかっていう意味だね。サンプラーをライヴで使うことはないと思うよ。

じゃあ、機械に頼らない範囲での新たな試み、みたいなものを考え付いたりすることはないですか?

Sebastien:あるよ。このアルバムは現時点での僕らのアイデアの完成形なんだ。で、次のアイデアはまた違う形で実現されると思う。そういうことについては、いろいろ2人で話したりするよ。

そういう風に新しい事にチャレンジしていく時のこだわりについて、もう少し詳しく教えてください。

Sebastien:新しいことをやりたいと思うたび、常に僕らは2人だけで実現できてきた。例えば、「ロマンティック・ライツ」を作った時、僕らは2ピース・バンドであるという意味を実感したんだよ。LAのライヴからの帰り、西海岸を車で移動してたんだけど、その日のライヴの出来には納得いかなくて、新しいことをやりたくなった。何か違うタイプの曲を作りたかったから、とりあえず2ピース・バンドだっていう概念は取り払って、ジェシーが「ロマンティック・ライツ」のベース・ラインを作ったんだ。2ピース・バンドの縛りから離れて、そのラインを作ったってわけ。でも、演奏は2ピースでやるし、レコーディングも2ピースでやったし、その後のライヴもずっと2ピースでやってる。そんな風に、新しいアイデアが浮かんだ時でも、この2人で2ピース・バンドとして実現してきたんだ。

それも、機械的なものに頼ることなく、ですよね?

Sebastien:もしかしたら、ドラム・マシーンを使うことはあるかもしれないしけど、それだけに頼るってわけじゃないからね。もしかしたら……ストリングスを入れるかもしれないし……そういうアイデアに対しては、僕らはオープンなんだ。わざわざそうしようと思って機会を探すってことはないけれど、もし次のアルバム用の曲でその必要性があれば、例えばハンド・ドラムをプレイしてくれるラスタファリアンが3人必要、ってことになればそうするよ(笑)。いちばん重要なのは僕たち2人が曲を書くってことなんだ。僕らは2人ともクリエイティヴだ。アルバム上では、僕らは2ピース・バンドじゃない。2人ともそれぞれいろんなことをやってるからね。アルバムでは、僕はヴォーカルとドラムを同時に演奏すらしていない。そんなことやって録音したらひどいことになるからね。アルバムでは僕はドラマーでありシンガーなんだ。で、ライヴではドラマー/シンガーなんだ。

Jesse:アルバムでコーラスが入ってる部分なんかは、ライヴで再現しようとするとメンバーを追加しなきゃいけないよね。アルバムでは10ピースとか12ピース・バンドみたいになってる曲もある(笑)。ライヴだと、僕は4人分の役目を果たしてる。ベーシストでありギタリストでありキーボードもやるしバック・ボーカルもやる。セバスチャンはドラマーで歌も歌う。だから、合計すると6人だよね。

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