感動しました!
以前、カーサブルータスで「建築の必読書ベスト50」の1冊に選ばれていたので、どんな内容か興味をもっていました。建築を勉強し始めたばかりの素人な私ですが、とてもわかりやすく一気に読んじゃいました。読後の余韻にひたりながら著者のホームページを見てみると、なんと本の内容にそって建物などの写真がずらりと並んでいて再び感激! 200枚ぐらいの写真を見ながらもう一度、「旅」を楽しみました。ぜひおすすめです。
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大まかに言うと建築旅行エッセイ。
本書最後にある解説で、作者の師匠・原広司が「少年的の文体」と評したとおり、
瑞々しい勢いのある文章で一気に読めた。
1999年の年明けから開始した12の旅とその間の諸々。
悩んだり怒ったり感動したり…。
建築どっぷりではなく日記のようにその時々の想いも綴られている。
「おまえは本当に、心底から、建築が好きか?」
作者が大学生当時に自問したという一文が最初の方にあった。
読んでドキッとした。
あんなに好きだったのに、今、迷い無く好きと言えるか?
読み進み、
建築や物事に取り組む作者の伸びやかさや純粋さに触れ、
昔持っていたフレッシュだった自分の建築観を想起させられた。
読後、爽風が通り抜けたような感。
小難しいコトは置いといて、
やっぱり好きだな、建築。
※追記
文章がメイン。
写真は雰囲気というかイメージ的なものしかなく、
訪問先住所やルート詳細の記載は無し。
建築作品ガイド的なものでは無いので、
そういったものを求める方にはお勧めしない。
地図や写真をコラージュしたトレペが文章の途中に挿入されているのが、
読み進むには邪魔で、折角手間をかけているのに残念なところ。
残念ながら、自分は共感できませんでした
著者は、京都駅ビル等で知られる原広司氏の建築事務所で働いていた建築家ですが、当初の夢とは違い、建築現場での実務作業を器用にこなしてしまうようになった自分に気付き、ある日、建築事務所をやめて、自分探しをすべく、世界の建築を見て回る旅に出ます。ここまでは、「ああ、自分にもそういう時期があったなあ。そういうことができたらなあ」と共感でき、「深夜特急」同様、のめりこむことができます。ただ、そこから始まるエッセイでは、世界の建築を、著者自身の撮影した写真と文章で紹介しているのですが、写真は白黒であまり焦点のあったものではなく、文章も原氏が「少年の文体」と評している通り、純粋な心は感じられるものの、決して上手なものではありません。建築版「深夜特急」といえる本だと思いますが、残念ながら、途中から共感できなくなってしまいました。 著者の「自分探し」の旅に、最後まで共感できる方にはお奨めですが、建築本として、あるいは「深夜特急」なみの面白さを持ったエッセイとして期待される方にはあまりお奨めできない本です。
そうだ、人生だ
本屋で見つけた青い表紙。その装丁の綺麗さにひかれ購入。旅好きな私が予想していた内容からは、いい意味で裏切られた。だってこんな素敵な内容とは思いもしなかったから! 読みやすい文体とあまりのおもしろさに一晩で読み終わったほど。机の上において疲れたときに読み直しています。絶対お勧めです!内容は読んでからのお楽しみです。
写真はないのか
著者の気持ち、行動に共感できる。この本を読むと旅に出たくなる。 しかし、読み進めるとフラストレーションが溜まる。著者が旅先で見て、感動した建築や街並みの写真がないためだ。建築家である著者が旅で撮り溜めたであろう写真があまりないのだ。著者の文章が軽快で、旅先の空気まで感じさせるために、余計にイラつく。本の中に時折写真をコラージュしたようなトレぺの頁が登場する。アートな雰囲気を装いたいのか知らないが無意味である。それより普通の写真を普通に掲載して欲しかった。 著者の文章が良いだけに残念である。
TOTO出版
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