October 1995
どこかで見た風景… Oasis 待望の2ndアルバム!
どこかで見たような風景だなあ。
道の左手に Selectadisc でしょ、ちょいと先には
Reckless Records があるし、右手にはポルノショップが見えている。その先には僕も大好きなお店、Mr.
CDが…
そう、Oasis 待望の新作 "(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY?" のジャケットは、ロンドンの繁華街 Soho のど真ん中に向かって伸びる
Berwick Street のレコード屋街の写真なのです。僕も大好きな通りで、毎週末はここで1枚1枚ゆっくりとCDを探すのが何よりの楽しみ。実はこのアルバムも、会社帰りに
Mr. CD で買ってきたのです。ジャケット写真は早朝に撮影されたものらしく、いつもの人通りは見当たりませんね。僕にとって、どこよりもロンドンらしいといえるこの通りのジャケット、一生大切にすることになりそうです。というのも、外側だけじゃなくて中身も素晴らしすぎるものだから!
いやぁ、Blur "GREAT ESCAPE" との同時リリースを見送った彼らを臆病者呼ばわりした自分に猛省を促したい気分。レースは最後にどちらかがテープを切る瞬間まで結果が分かりません。むしろ慌ててリリースした
Blur の方が勇み足だったのでは?と思わせるくらいに充実したメロディ、またメロディ。そう、このフックの利いたメロディが
Blur には書けないのです。狙っているものが全く異なる上記の2つのバンドを同列に比較することの無意味さなんて百も承知の上ですよ。だって
Oasis の豪快なメロディは、Blur が凝ったアレンジメントで必死に演出しようとする「英国らしさ」とは無縁のところで鳴り響いているものですから。
しかし、ここまで完璧な楽曲をずらりと10曲並べられると、もはやため息しか出ないっすよ。普通のアルバムってシングル候補が2、3曲あって、残りは
filler というか、いわゆる捨て曲だったりするじゃない?
でもこのアルバムは、いったい何曲シングルになるのか、それこそ全曲カットしてもおかしくないくらいの隙のない仕上がりなのです。前作
"DEFINITELY MAYBE" は正直言ってそれほど面白い作品とは思っていませんでした。しかし
"Whatever", "Some Might Say" とシングルを重ねるうちに驚異的な作曲力の成長を見せ付けてくれた彼ら、いよいよ大変なことをやらかしてくれたな、というのが発売日に一気に聴き終えての率直な感想です。
とにかく必聴の作品。
できればジャケット写真も、よろしくね。
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オリジナリティ皆無(笑)… でも良い良い
Cathedral
新作!
お待たせ!の新作 "THE CARNIVAL BIZARRE" が発売されました。一言でいうとこれが非常にいい出来なのです。これまでのどよよ〜ん路線一本やりのイメージからすると、かなりメリハリをつけてきたという印象。
一聴すると全編これリフのカタマリって感じなんですけど、よくよく聴くとリフの間を縫うように、リー・ドリアンのヴォーカルメロディが実に巧みに呼吸しています。リフだけでは終わらない充実したソングライティング、そしてリーのシンガーとしての大成長が堪能できる曲がいっぱいです。
相変わらずブラック・サバス系といえばサバス系。実際、トニー・アイオミ先生まで引っ張り出してゲスト出演させちゃったりして、「君たち本当に好きなのね〜」とニヤけさせるご愛嬌ぶりも。これでこそ本物のサバス・チルドレンです。
個人的なお気に入りは1曲目の "Vampire Sun"、5曲目の "Carnival Bizarre"、そしてラストの大曲 "Electric Grave" といったあたりかな。それにしても歌詞に突然
"♪...children of the grave" なんて出てくると、サバスファンならずともちょっとドキっとしますよね〜。
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出来すぎた妹、Janet ベスト盤発売!
普通、アルバム3枚からベスト盤を編集して、しかも1枚あたり7曲くらいずつ選曲したりなんかすると、ひどくバランスの悪い作品になってしまうものですが。…心配ご無用、ジャネット・ジャクソンのベスト盤はやはり「良い!」の一言。ジャケットで見事な胸の谷間を披露していますが、ジャケだけじゃなくてもちろん中身も最高なのでした。
ちなみに自分が買ったのは初回限定の2枚組ヴァージョンでした。ボーナスディスクに収録されている曲は次の通り。懐かしい曲、レアなミックスなどなかなか良いところを集めています。
"Young Love" (12" Dance Mix)
"Diamonds" (Cool Summer Mix Edit)
"The Knowledge" (Q Sound Mix)
"Say You Do"
"Don't Stand Another Chance"
"French Blue"
"When I Think of You" (Jazzy Mix)
ニューシングルになった "Runaway" こそやや弱いかなぁ?と懸念した自分でしたが、こうしてずらりと並べられた16曲の大ヒット+2新曲を聴いてみると、いかに彼女の曲が僕らの生活の中に浸透していたかを改めて思い知らされます。こうしてたわわに実った果実を収穫してみると、アルバム
"CONTROL" 以降のジャネットが切り開いた世界がいかに前人未到の地平だったか、彼女がどれほど荒れた地面を耕し、肥沃な土壌に変えてきたかが分かろうというもの。
ベスト盤のオープニングが新曲の "Runaway"、続いて概ね年代順にヒット曲を散りばめつつ、しかし微妙に並べ替えられたオーダーには「絶妙!」としか言いようのない流れがあります。例えば、7曲目にさり気なく放り込まれた
"Whoops Now" はこの春UKのみで大ヒットしたナンバーですが、シンプルでいて可愛げなメロディがとても活きています。13曲目に
"Black Cat"(ヌーノ入りヴァージョン!)、14曲目に "Rhythm Nation" と、とびきりへヴィなリズムナンバーで大きな山を作った後は、"That's The Way Love Goes"、"Come Back To Me"、"Let's Wait Awhile" としっとり系を重ねて終盤を迎えます。
そしてラストを飾るのも新曲の "Twenty Foreplay"。これだけでもう買う価値あり、と断言したくなる名曲、そして名唱。"janet." アルバムで聴かせてくれたセクシャル路線の完成型が、ここにあります。スローに切り出したヴォーカルが、途中のリズムチェンジを境に軽くスウィングし始めると、もう「やられたっ!」としか言えません。直前の
"Let's Wait Awhile" が純情でウブな少女の心を歌った歌だけに、ストレートに愛を求めるこの新曲での歌詞の落差の大きさが、いっそう魅力を引き立てているようです。
もうひとつの聴きどころはもちろん、ジャム&ルイスのプロデュース最高傑作としても聴けるベスト盤だということ。アレクサンダー・オニールやシェレール、SOSバンドなど幾多のアーティストを手がけてきた彼らも、クリエイティヴィティという観点ではジャネットとの仕事が一番輝いているような気がします。そんな、今の音楽界で最も贅沢なサウンドを一気に楽しめるという意味でもお買い得なベスト。
兄マイケルの凄さは今さら言うまでもありませんが、妹も本当に凄い。2人のベスト盤をそれぞれ聴くことができた今年1995年は、本当に幸せな年なのです。
May 2003 追記
1995年に買ったアルバムはどれもこれも本当に思い出深いものばかり。ここに挙げた以外にも、毎週のように発売される大量の新譜を片っ端から買いまくり、聴きまくり、ライヴに足を運びまくりの日々でした。新作を楽しみに待ち、発売日に買って家に帰る。そしてCDプレイヤーの再生ボタンを押す…
あのドキドキ感を、最近忘れかけていたような気がします。当時の自分の文章を読み返して、ちょっぴり胸が熱くなりました。
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