KATE結成までの物語
〜第六回〜

(1997年11月03日)

「KATEの前身」

 かんちゃんとは「一緒に音楽をやっていこう!」などと、毎日夢のような話しで盛
り上がっていた。とは言っても二人とも楽器など弾けるわけでもなく、学校の掃除の
時間に二人でギター代わりにホウキを持って、アカペラでクラフトワークの「ロボッ
ト」などを唄っていたぐらいだったが。(今から考えるとすごいスタイルだと思う)

 ある日かんちゃんが「1曲出来たぞ!」と私の前で披露してくれた。それはただひ
たすらに「ピチパ〜!(意味不明)」と叫ぶものだった。(あえて言うならパン
ク?)例のほうきギター片手に「デレデレデレデレデレデレデン」と典型的なロック
ンロールのフレーズを口ずさみ、「デン」で少し間をおいて「ピチパ〜!」と叫ぶ…。
これがあまりにもバカバカしくて面白いので、ふたりで「ピチパ〜!」の部分を変え
て次々とレパートリーを増やしていった。「パチピ〜」「ポペプ〜」「プリャピ〜」
「パピチ〜」「ポチプ〜」とこんな感じで、大体50パターンぐらいあった。(なぜ
か最近になって「シコピュ〜」というパターンが加わった)これらは人前で披露する
ことはなかった。でもひろみちゃんの前ではやった覚えがあるような…。

 「うわ〜、バンド結成しちゃった!」「オレ達、ミュージシャンじゃん!」単なる
一発ギャグ(それもかなりシュールな)のユニットだったが、この時の興奮が今の
KATEの結成につながっていくことになろうとは知る由もなかった。「バンドの名前、
付けなきゃな」「う〜ん、とりあえず“何とかズ”っていう感じの名前がいいなあ」
「やっぱり“ピチパ〜ズ”かな」

 この後、ピチパ〜ズは特に何の進展もないまま自然消滅してしまった。これが
KATEの前身である。

(つづく)

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