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artist : WRECKLESS ERIC
title : 『 WRECKLESS ERIC 』
release : 1977年
label : STIFF RECORDS
tracks ( cd ) : (1)RECONNEZ CHERIE (2)RAGS AND TATTERS (3)WAXWORKS (4)TELEPHONING HOME (5)GROWN UPS (6)WHOLE WIDE WORLD (7)ROUGH KIDS (8)PERSONAL HYGIENE (9)BRAIN THIEVES (10)THERE ISN'T ANYTHING ELSE
bonus tracks :
(11)SEMAPHORE SIGNALS (12)BE STIFF (13)BE STIFF (TAKE 2)
tracks ( analog ) : 未確認
members : WRECKLESS ERIC,guitar,vocal ; BARRY PAYNE,bass ; STEVE CURRIE,bass (4) ; NICK LOWE,bass (6),guitar (6) ; DAVID LUTTON,drums (luttonesque drumming) ; STEVE GOULDING,drums (6) ; CHARLIE HART,vox organ,piano,accordion (1) ; DAVEY PAYNE (IAN DURY & THE BLOCKHEADS),tenor & alto sax ; JOHN GLIN,tenor sax (4).
producer : LARRY WALLIS,NICK LOWE (6),IAN DURY (11)
related website : 『 Wreckless Eric Official Site 』(公式サイト)




 パンク・ロックやパブ・ロックの名盤として挙げられることも無い本作だが、チープなサウンドやノリ、そして何よりもエリック本人の圧倒的な存在感が堪能できる、珍盤・奇盤の類であることは間違いない。誉め殺しとは全く逆に、けなし切ることによって最大級の誉め言葉にしてしまうかのような湯浅学氏のライナーがそれを如実に物語っている。プロデュースを主に手掛けたラリー・ウォリスはピンク・フェアリーズやモーターヘッドのメンバーだった人。


(1)RECONNEZ CHERIE  ▲tracks
 前奏も無く、少しばかり“ヘリウム声”なエリックの声で情けなく始まる(1)。有名なスタンダード「SAVE THE LAST DANCE FOR ME 【ラストダンスは私に】 」やビートルズの「HEY JUDE」 (『 PAST MASTERS・VOLUME TWO 』 に収録) に似たコード進行/雰囲気の曲調だ。歌も情けなければ伴奏のオルガンやアコーディオンも情けない。だからこそ聴き手に何も強いず、ダラダラ、ヘラヘラと聴いていられる。


(2)RAGS AND TATTERS  ▲tracks
 ドタドタとしたドラムにニキニキしたギター、それに乗ってブリブリと吹くサックスが爽快な、そしてその中で咳き込むエリックが不快でカッコイイ、アップ・テンポの(2)。サックス・ソロになるとタンバリンか何かが加わってドタバタ・ビートは最高潮。そこで半音ずつ下降して行くバッキング・ギターがまたカッコイイ。


(3)WAXWORKS  ▲tracks
 (2)からは一転してヘヴィーな(3)。歌詞カードが無いので、なぜこの曲調で「ろう人形陳列場」というタイトルなのか分からない。フリーキーなサックスや不気味なシンセ音によるメチャメチャなエンディングは一体何を意味するのだろう。


(4)TELEPHONING HOME  ▲tracks
 「ドスの利いた声」というのともちょっと違った迫力を持つ、“ヘリウム・ダミ声”を命の限り搾り出しているような歌唱が違う意味で胸を打つ(4)。「ノホホンとした曲調なのに、何故にキミはそんなに声を張り上げるんだ?」と思わず問いただしたくなる。サックスも痙攣しているかのようなプレイを繰り広げている。ここでベースを弾いているのはT.REXのベーシストだったスティーヴ・カリー。因みに、彼は'76年にT.REXを去りセッション・マンとして活動していたらしい。'81年にスペインで亡くなったそうだ。


(5)GROWN UPS  ▲tracks
 「ズンチャツ・ツチャラツ・ツクチャッチャー」という脱力感を伴うようなギターのカッティングがシツコイ(5)。途中から半音ずつコードが上昇していく様はスティーヴィー・ワンダーの「TOO HIGH」や「GOLDEN LADY」(共に 『 INNERVISIONS 』 に収録)、そして「SUMMER SOFT」 (『 SONGS IN THE KEY OF LIFE 』 に収録) を彷彿させると言ったら誉めすぎだろうか。彷彿させるというより、単にこの曲を聴いたから“半音上がり繋がりで”思い出しただけ、という言い方も可能だ。「ブピブピ」と賑やかなサックス・ソロがいい。


(6)WHOLE WIDE WORLD  ▲tracks
 ニック・ロウがプロデュースや演奏 (ギター、ベース等) も手掛けたシングル曲でもある(6)。この曲でも“ヘリウム・ダミ声”は健在。終わりの方で「イェーーー!!」とシャウト。


(7)ROUGH KIDS  ▲tracks
 バックで弾きまくるピアノとサックスのリフが印象的な R & R の(7)。タイトルを反映してか、ガラスが割れるS.E.が挿入されている。“終わり良ければ全て良し”とばかりに、ラストでタイトルをダミダミと絶叫。「ラフ・キィーーー、イーーー、イーーー、イーーー、ラァフ・キーーーッヅ!!」。


(8)PERSONAL HYGIENE  ▲tracks
 (8)は、これまでのヤケッパチぶりがかえって切なさを強調する哀愁のある8分の12拍子のバラッド。ぶっきらぼうなサックスが更に哀愁を倍加。力なく歌われる「タララーラ・・・」というフレーズが何とも切ない。さっきまであれだけシャウトしていたのに...。なんかこっちの方がエリックを励まさないといけないような気分になってくる。


(9)BRAIN THIEVES  ▲tracks
 (8)の気分を少し引きずっているのか、ちょっと暗めな(9)。その名も「脳味噌泥棒」。後半猛り狂ったかのようにタイトルを絶叫。一応、ホンのちょっとのサビはフラメンコのコード&スケールを使っている。


(10)THERE ISN'T ANYTHING ELSE  ▲tracks
 そして絶叫で始まるアルバムのラストの(10)はパンキッシュな R & R。直線的なノリがカッコイイ曲だ。ここでオリジナルな収録曲は終わりで、残り3曲はCD化に際してのボーナス・トラック。


(11)SEMAPHORE SIGNALS  ▲tracks
 ボーナス1曲目の(11)は(6)のB面だった曲と同タイトルだが、同音源かどうかまでは不明。もし同音源だとすればプロデュースはイアン・デューリー。ちょっとダークな曲調に合わせて、彼としては低い声を出しているのかもしれないがやっぱりヘリウム声。タイトルは「腕木信号機」または「手旗信号」。何のつもりなのだろうか?


(12)BE STIFF
(13)BE STIFF (TAKE 2)  ▲tracks
 更にヘヴィーな(12)はやたらタイトルを絶叫&連呼する曲。スティッフ・レコーヅのテーマ・ソングなのだろうか。途中でジミ・ヘンの「PURPLE HAZE」 (『 ARE YOU EXPERIENCED ? 』 に収録) の有名なフレーズが出てきたりする。(13)は(12)のテイク2。


 因みにレーベル名でもある「STIFF」とは「形容詞:こわばった、ぎこちない、(酒などが) 強い」「名詞:死体、頑固者、役立たず」などといった意味がある。


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