今までちょっと肩がこった人もそうでない人もここで息抜きしましょう。でもただ息抜きしただけではここに訪問した意味もないのでスケールの設定遊びでもしましょう。こんなことは世界中のどんな教則本にも記述していませんが僕の独り言と思って流してもらっても結構です。 次のコード進行はハービー・ハンコックの有名なヒット・ナンバーのものですが、僕がこの曲にイメージするものは「ブルース色が非常に濃い何でもあり」です。「何でもあり」というと誤解を生じるので「たてのり・スイング・イン・アウト」ぐらいにしておきましょうか。 前述のイメージを同時に爆発させると何がなんだかわけが分からなくなるので小出しに考えていきましょう。 まず「ブルース色」からみるとたとえば次のようなスケールをつくってみました。 ここでの「Fm7」は上行・下行が違います。 これをすべてFを第一音にもってくるとこうなります(*ブルースは調性のルートが命)。 それにDm7のところで五度の「A」と「Ab」の双方の使用頻度により緊張度が変化します。当然コードに対しては「Ab」が、調性に対しては「A」が緊張感を持つというすごくスリリングで複雑な世界が生じます。といっても僕の耳には非常にシンプルで心地よいのですが、皆さんにはどうでしょうか。もちろんソロの内容次第ですが。 僕がここで伝えたいのはあくまで皆さんが楽に自由に物事をとらえられるように、こういったとらえ方もあるよと僕の事例をあげたもので、僕自身の考え方をマニュアル化して受け取られるのは本意ではありませんのであしからず。 *昔バークリーのアンサンブル授業で12小節のブルースを演奏しているとき黒人のサックス・プレーヤー講師(確かハーマン・ジョンソン)が僕に「ルートに対してブルースを演奏しろ」と言いました。つまり5小節目のコードのブルーノート(C7だとF#とEb。Bbはコード・トーンでありG7のブルーノート)を吹くなということです。もちろんそういうことも(僕がしたことも)ありというか当たり前だと認識していましたがそれ以来僕の耳から彼の言葉が離れません。その彼の言葉をどう判断するかは人それぞれだと思いますが・・・・・。しかし、彼がその時の僕だけにそう言ったとすればまた見解も変わってきます。 |