一般に市販されている理論書等に目を通してみるとスケールに関する項目では概ね断定的に指摘してありますが、よくよく読んでみるとこういう使い方では例外はOKとかこういう違った理論もあるとかいって結局焦点が定まらず結局殆どの人は前記の断定的な項目に従うことになります。そうして誰もが同じようなソロの展開を見せるようになるのです。ではどうしたらそれを回避することができるかというと前にも示したように自分で組み立てるという事になります。 結局最終的に同じかたちのスケールになってもそれまでの経過が180度違うのでその後の展開に大きな影響があるのは言うまでもありません。 下の楽譜を見てください。あるスタンダードの最初の8小節です。そしてその下に一般的なコードスケールを示しました。 これらのスケールは別に難しく考える必要はありません。単に名前だと思えばよいのです。
この曲の調性はGmなので調号と合わせてスケールを記譜すると以下のようになります。 ただしオルタード・スケール(Altered)に関しては、この場合一般的に5度の音を加えるのが自然だとおもいます。それからコンディミ(Combination of Diminished)に関してはBナチュラルの音を含み調性にそぐわないので僕個人としてはあまりお勧めではないです。ただGのコンディミでは次のCmに対してのメジャー3度の音を含みますが全体的にはおかしくはないです(G メロディックマイナーにEナチュラルが含まれる為)。F7にかんしては次のコードがメジャーコードでもあり融通のきくポジションにあるので比較的何をやっても許される(一般的に)ので他にもいろいろなスケールの設定が可能だと思います。ただ読者が混乱するといけないので今回は最も自然なミクソリディアンのみ記載しました。またトニック・マイナー・コードに対して日本人ミュージシャンはナチュラル・マイナーを使うことも多いようですが、特にGm7と指摘していない限りメロディック・マイナーを使う方がジャズ的なサウンドを得られると思います。メロディック・マイナーをジャズ・マイナーと呼ぶこともあるぐらいですから。 ・・・・・・・とここまではある一つの一般的な見方ですが次回は自分(頭ではなく耳で)で組み立てていく道筋を考えてみましょう。 |