ユーフォニアムの持ち運びについて

 楽器の持ち運びは演奏者にとって、もっとも苦労する問題のひとつです。

ハードケースとソフトケース

 楽器を安全に保管・運搬する為にはハードケースと呼ばれる楽器購入時に楽器本体が収まっている頑丈なケースを使用します。このケースは相当な衝撃から楽器を守ります。各メーカーによってケースの形状や材質が異なりますが、最近ではスマートさと耐久性を兼ね備えた軽量の物も登場しています。とは言っても、ハードケースでの楽器の持ち運びは辛いです。重いですし、手にはまめができてしまいます。
 そこで、ソフトケースが登場しました。布製で、何もクッションが入っていない形状の物が1980年頃に流通していましたが、当然ですがぶつければへこんでしまいます。その後、少し重量を犠牲にしてもある程度の衝撃に耐えられるセミハードと呼ばれる形状の物がユーザーから支持されるようになり、生地も摩擦に強い素材の物が主に流通しています。
 最近では軽量プラスティックのケースも登場していますし、キャスターがついている物等も販売されています。ソフトケースはこれからも改良を加えられて進化すると思います。

航空機への機内持ち込み、受託手荷物について

 航空機そのものがテロの標的となってしまった不幸な事件以来、特に米国やヨーロッパの便については、機内持ち込みの大きさの制限、持ち込める荷物の総数の制限が厳しくなり、以前であれば持ち込めていたソフトケースの機内持ち込みは不可能になりました。したがって、ハードケースによる受託手荷物とするか、もう1席分を購入して機内持ち込みをするしか方法がなくなりました。
 受託手荷物は利用する航空会社やクラスによって異なりますが、無料で預ける事の出来る総重量が決められています。エコノミーですと20〜30kg位の所が多い様ですが、これですと、ハードケースの楽器とスーツケースの荷物の合計は簡単に重量をオーバーしてしまいます。1kgオーバーする毎に運賃の何パーセントかの割合で料金が加算される場合や、オーバーする荷物を1個分15kgとか20kgでいくらというように料金が固定されている場合もあるようです。航空会社によって扱いが異なるので、事前の問い合わせが必要になります。特に注意したいのはLCC(ローコストキャリア)と呼ばれている格安航空会社を利用する場合です。受託手荷物の個数、重量等の制限が特に厳しく、あらかじめチケットの購入時に追加の申請や追加分の料金を支払う事を求められる事があります。これを怠ると当日のチェックイン時に高額なペナルティの料金が加算され、場合によっては購入した運賃の何倍もの料金が必要になる場合もあります。
 機内持ち込みとして、もう1席分を購入する場合のチケットは子供料金等の割引きの適用がされる事がほとんどです。各航空会社、また使用する機体のサイズでも取り扱いが異なりますので、事前に問い合わせをする事をおすすめします。
 バルブオイルの機内持ち込みについては、国内線の機内持ち込みの場合については、少量であれば特に問題はないようですが、国際線の場合は没収の対象になる恐れがありますので、受託手荷物にした方が無難です。

電車での移動

 電車の移動において、ソフトケースは網棚の上に収まります。例外として、在来線のグリーン車等の2階建て車両や、通勤用のドアの多い車両等の網棚はスペースが狭く、ソフトケースが収まりません。外国の鉄道で車体のサイズが大きい国の場合は問題なく網棚に収まります。長距離を移動する場合は、車両の最後尾の座席を指定し、座席の後部と車両の壁の間のスペースに楽器を収納する事も可能です。

バスでの移動

 長距離バスの場合は航空機と同様に、ハードケースを車体下部のトランクに預ける事になります。近距離や座席が空いている場合はソフトケースを車内に持ち込んでも大丈夫です。空港からのリムジンバス等は大きな荷物を車内に置くスペースが確保されている車両もあります。


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