8. テナーテューバについて

テナーテューバ(Tenortuba)とユーフォニアムとの関連は、各地域によってその扱いが異なります。

1、日本においては、稀にですがロータリーバルブを備えたユーフォニアムを「テナーテューバ」と呼ぶ事があります。この場合のテナーテューバとは現場での楽器の分類に使う言葉で、具体的な楽器名を示す言葉ではありません。
(例 「今度の演奏会はテナーテューバを使うよ。」=ロータリーの楽器を使う=という意味で使用します。)

2、英国においては、ユーフォニアム(Eupuonium, Euphonion)がオーケストラで使用される時に「テナーテューバ」と呼んでいます。この場合のユーフォニアムとは他の地域で以下の様に呼ばれている楽器も含みます。
(フランス : saxhorn basse / ドイツ : Baryton / イタリア : baritono, bombardino, eufonio, flicornobasso)

3、オーケストラ作品で「テナーテューバ」のパートが指定された時には、その作曲者によって指示されている、もしくはその作曲者が意図している楽器が異なり、ピストン式のアップライト型のユーフォニアム(英国でユーフォニアムと呼ばれている楽器)、ロータリー式(オーバル型)のユーフォニアム(ドイツ語圏でバリトンと呼ばれている楽器)、変ロ調のワーグナーテューバ、のいずれかで演奏することになります。


筆者補足
文中の説明で、〜の国では、〜の地方では、このように分類されている、扱われている。という事が度々出て来ますが、どの国が正しくて、どこの地方が間違っている、という事ではありません。それぞれの地域での歴史や文化の背景があります。お互いの違いを理解した上で、さまざまな地域のユーフォニアム奏者、関係者の交流がスムーズに行われる事を筆者は希望しています。また、ユーフォニアムの発展に大切だと思われる事について、筆者の意見も述べたいと思っています。
テナーテューバとして楽器を輸入・販売するケースも考えられますが、これは日本の市場を意識した1、の意味を用いているので、楽器の分類上はユーフォニアムで構いません。この1の意味を勘違いされて、ロータリーの楽器のみがテナーテューバで、だからピストンの楽器はオーケストラで使用されない、と誤解をされる方がいますが、とても残念に思います。東欧の楽器メーカー等は、ロータリー式の楽器を米国で販売する時に、ユーフォニアムと呼んで販売しています。米国においてはロータリー式、ピストン式を問わず、全てユーフォニアムとして扱います。


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