歌詞対訳

Jonannes Brahms
Liebeslieder op.52
   ヨハネス・ブラームス
愛の歌 (18曲のワルツ)
  (原詩:「ポリドーラ」より。ドイツ語訳:ゲオルグ・フリードリヒ・ダウマー)


1.
Rede, Mädchen, allzu liebes,
Das mir in die Brust, die kühle,
Hat geschleudert mit dem Blicke
Diese wilden Glutgefühle!

話してくれ、あまりにも愛らしいお前よ、
冷たいぼくの胸の中に、
そのまなざしで、この荒々しい
燃えるような感情を投げつけたお前よ!

Willst du nicht dein Herz erweichen,
Willst du, eine Überfromme,
Rasten ohne traute Wonne,
Oder willst du, daß ich komme?

お前は心を和らげようとしないのか、
敬虔すぎる修道女のように、
愛の喜びも知らずに憩いを得るのか、
それとも、ぼくに来てほしいのか?

Rasten ohne traute Wonne ―
Nicht so bitter will ich büßen.
Komme nur, du schwarzes Auge,
Komme, wenn die Sterne grüßen.

愛の喜びも知らずに過ごすなんて
そんな辛い償いをする気はないわ。
どうぞ来て、黒い目のあなた、
来て、星が瞬くこのときに。

2.
Am Gesteine rauscht die Flut,
Heftig angetrieben:
Wer da nicht zu seufzen weiß
Lerm es unterm Lieben.

岩の上を水流がざわめく、
激しい勢いで駆けぬける。
溜め息をつく事を知らない者も
愛の下でそれを学ぶのだ。

3.
O die Frauen, o die Frauen,
Wie sie Wonne tauen!
Wäre lang ein Mönch geworden,
Wären nicht die Frauen!

おお、女は、女というものは、
何とも喜びを溶かしてくれるものか。
ぼくがだいぶ前から坊主になっていたら、
この世に女などありはしなかっただろうに!

4.
Wie des Abends schöne Röte
Möcht ich arme Dirne glühn,
Einem, Einem zu gefallen,
Sonder Ende Wonne sprühn.
美しい紅の夕べのように
哀れな娘の私は燃え上がりたい、
ただひとりの人に気にいってもらうため
終わり無く歓喜をふり散きたい。

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