ヨハン・セバスティアン・バッハ Johann Sebastian Bach |
コラール前奏曲「汝にこそ我が喜びあり」 In dir ist Freude BWV615 コラール前奏曲「おお人よ、汝の大きな罪を嘆け」 O Mensch, bewein' dein Sünde groß BWV622 |
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)は、定旋律を用いた作曲への手引きと、ペダル奏法への手引きという二重の目的をもった「オルガン小曲集」Orgelbuchlein
を、長男フリーデマンと、その当時バッハのもとに集まり始めた弟子のために作曲した。この曲集は、待降節、クリスマス、新年、受難節、復活節というように、教会暦順にコラール前奏曲が47曲(断片も含めて)記入されている。本日は新年と受難節のコラール前奏曲より1曲ずつ演奏する。
「汝にこそ我が喜びあり」In dir ist Freude
は新年の喜びを表わすファンファーレとトリルを中心に、コラールを内声に包みかくしながら作曲されている。
「ああ人よ、汝の大きな罪を嘆け」O Mensch,
bewein' dein Sunde gros は受難節のコラールで、マタイ受難曲第1部の最終合唱としても、よく知られている。キリストの全生涯を描いた巨大なコラールを、バッハは、あらゆる音符、メリスマ、あらゆる転調を用いて、コラールのテキストを音で説明している。
例えば、最後の「長き十字架の苦しみをもて負わんとしたもう」という行では、「十字架」Kreuze
という言葉で半音階を用い、「長き」lange という言葉には
adagiossimo とバッハ自身が指定しており、イエス・キリストの苦悩、長い苦痛を表している。
(椎名雄一郎)
(各コラール前奏曲に対応するコラールの歌詞を歌詞対訳に掲載してあります。)
アントニオ・ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi |
協奏曲ニ長調 「ごしきひわ」 作品 10-3 Concerti per flauto, archi e organo 'Il gardellino' Op.10-3 Allegro ― Cantabile ― Allegro |
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741)は、芸術活動の一大センターであった18世紀前半のヴェネツィアで、オペラ作家としてデビューした。1713年に出版された英語によるヴェネツィア案内書では、「この町の最も優れたヴァイオリン奏者の一人」とも紹介されている。
およそ40年間にわたり教育指導にあたった「ピエタ慈善院」の少女たちのみごとなアンサンブル演奏も有名であった。600曲をこえる器楽曲作品は、その教育活動の成果ともいえるであろう。
それらの作品をとおして、ヴィヴァルディは合奏協奏曲(バロックコンチェルト)からさらに発展した独奏協奏曲(ソロコンチェルト)の様式を確立し、それは18世紀初期のドイツ作曲家にとっての規範となった。
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