リッチーブラックモアへの道 The Way of Ritchie Blackmore

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ネック - Neck

ストラトのネックには、大きく分けてメイプル指板のものとローズ指板のものがあります。リッチーの場合、大雑把に言うと、Deep Purple時代はメイプル指板を、Rainbow以降はローズ指板のストラトを使っています。
実際には第3期Deep Purple時代にローズ指板を使い始め、Rainbow中期以降は完全にローズ指板のみを使用するようになります。
これについて、リッチー本人はインタビューで「ある時期からメイプル指板の品質が悪くなったから」と語っています。
ネックは細身で薄めのものがお好みです。
なお、現在のメインギターはナットがカーボンナットに交換されています。

スキャロップド加工 - Scalloped Fingerboard

リッチーのギターの特徴として一番有名なのがこのスキャロップド加工でしょう。
スキャロップド加工とは、指板のフレットとフレットの間をやすりで削る加工のことを言います。リッチーは古いクラシックギターの指板がえぐれているのを見て、そこからヒントを得たそうです。リッチーがギターにスキャロップド加工を施すようになったのは恐らく1970頃からではないかと思われます。
スキャロップドの効果として良く言われるのは、

 ◆指板の抵抗がないため高速なフィンガリングが可能
 ◆チョーキングがしやすい
 ◆少し力を入れるだけでクォーターチョーク(1/4音チョーキング)が可能

といったものですが、クォーターチョークに関してはちょっとこじつけのような気がします。少なくとも私は普通にクォーターチョークをした方が楽です。
個人的にはむしろ、

 ◆多少爪が伸びていても弾ける

という、ものぐさには嬉しい効果が見逃せません(笑)

リッチーも昔は自分でせっせとやすりを掛けていたようですが、最近では機械任せになっているようです。Deep Purple時代の写真などを見るとかなり雑な削り方をしたものも見られます。自分でやすりを掛けていた頃は左の図のように削っており、ちょうどフレット間の中心あたりが一番深く削れています。また、高フレットの低音弦あたりはあまり使わないためか、削られていません。

最近は機械を使い右図のような形に削られています(1984年の来日時は既にこの形)。位置的には、ブリッジに近い部分が一番深くなっています。Fender JapanのST72-145RBやST-175RBなどがまさにこのタイプです。





[スキャロップド加工の仕方]
スキャロップド加工は、ひたすら根気があれば可能です。
ただし、最近のタイプ(右図)に加工するのはかなり難しいので、その場合はリペアショップにお願いしたほうが良いでしょう。

まずフレットにマスキングテープを貼り傷がつかないよう保護します。
あとは、ひたすらやすりを掛けつづけるだけです。
私の友人が以前チャレンジしましたが、1週間近くかかりました。それも暇のある高校生だったから出来たことで、社会人にはちょっとつらいかも知れません。

ネックはデリケートなものなので、一番無難なのはショップに頼むことでしょう。
ショップに頼む場合の料金相場は大体2万円〜3万円くらいのようです。

フレット - Frets

今でこそ、リッチー=ストラトのイメージですが、リッチーも1970年頃までは、GibsonのES-335を使用していました。ストラトを使い始めたきっかけは、ジミ・ヘンドリックスだったようです。
GibsonからFenderに変えるにあたって一番違和感のあったのがフレットのようで、昔からフレットはGibsonタイプの大きいフレットに打ち変えています。実際に使用しているフレットは不明ですが、ジム・ダンロップの#6100という説があります。
フレットの打ち変えは正直言ってシロウトには無理なので、リペアショップにお願いすることになるでしょう。できればスキャロップド加工と一緒に行うのがベストです。
料金は、2万円〜4万円と言ったところです。



左の写真がストラトのノーマルなフレット。右の写真はジム・ダンロップの#6100。



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