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連続ネット小説 リトル・ジョン(全30話)
第25話
第26話スッキリ

「!?・・・クリス・・・!?・・・
なんでお前がその事を知っているのだ?」
「兄さん、「サム・ブラボー」を知っているね!?」
「!?」
「彼こそがDNAなんだ!
僕は彼とトモダチだった・・・
だけど、僕は彼に裏切られたんだ・・・
彼は僕が「リトル・ジョン」になりすましていた事を見破った。
そして、気がついた時、彼(サム・ブラボー)
が「リトル・ジョン」になっていたんだ。」
「・・・」
「彼は本気だ。人間からコンピュータに乗り換えたんだ!」
「クリス・・・僕は君の言っている事を信じない・・・
信じたくない・・・しかし、君の言っている事は理解できる。
君の言っている事は間違い無いだろう・・・
僕はたぶん・・・いったい何が真実なのか、
わからなくなる事が嫌なんだ・・・怖いんだ・・・
だから、君の言うことは信じない・・・」
「兄さん、落ち着いてくれ・・・
はっきり言って僕だって信じられない・・・
こんな事が現実であるはずが無いと何度も思ったさ・・・
でも、僕は確かに「無い物」の真理を見た!
なにより、僕が特別な状態であったからこそ、
僕は魂から直接、コンピュータにアクセスできたんだ!」
「・・・」
「・・・兄さん、考えてみてくれ・・・
世の中に死んだ人間の世界を知っている人間
がいるのかい?・・・死んだら地獄か天国に
行くなんていう事は誰が決めたんだい?
人類の最大の疑問であり、もっとも身近な疑問である
「死」について誰も明確な答えを出せないんだ。
死の定義があいまいな世界にいた僕が、
そんな事ができても不思議でも何でもないじゃないか!」
つづく

「弟よ・・・悪いが少し休ませてくれ・・・
なんだか、頭が猛烈に痛くなってきた。」
「え!?」
「心配するな・・・少し休んだら早速、対策を練るぞ!」
「はい!」
こうしてアメリカン・サイバー・ギャング(ACG)
の活動は再開した・・・人類の勝利に向かって!

結局、僕らの敵は我が息子
「リトル・ジョン」だと言う事にかわりはなかった。
正確に言えば、奴になりすましたDNA?
・・・とにかく、僕は弟の言う事をいまだに
信じていない。ただ、目の前の敵を倒すのみだ!
僕たちは、新しくパソコンを購入し、
日夜ウイルス作りに没頭した。
親は退院するや否や何事もなかったかのように、
むしろ、それ以上に自然にパソコンに熱中している
弟に困惑というか、あきれかえっていたが、
兄弟が仲良くしているのに満足していたようだ。
なにより、ついでに僕のうつ病も
直ったと言って喜んでいた。
失礼な・・・僕はもともと病気ではない!
でも、なんかスッキリした事は事実で・・・
実際にはゼンゼン何も解決してないんだけど・・・
むしろ、人類は悪い方向へ向かっているんだけど、
なぜか毎日が充実していて楽しかった。
こんな感覚は不謹慎だけど、
なつかしいなあ・・・なんて思ったり・・・
やっぱり僕はコンピュータが好きなんだ。
ウイルス作りが好きなんだ。
「最強のウイルスを作り、世界中のコンピュータをぶっ壊す!」
待ってろよ「リトル・ジョン」
・・・お前は、俺たちが救ってやる!
つづく
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