「!?・・・クリス・・・!?・・・ なんでお前がその事を知っているのだ?」 「兄さん、「サム・ブラボー」を知っているね!?」 「!?」 「彼こそがDNAなんだ! 僕は彼とトモダチだった・・・ だけど、僕は彼に裏切られたんだ・・・ 彼は僕が「リトル・ジョン」になりすましていた事を見破った。 そして、気がついた時、彼(サム・ブラボー) が「リトル・ジョン」になっていたんだ。」 「・・・」 「彼は本気だ。人間からコンピュータに乗り換えたんだ!」 「クリス・・・僕は君の言っている事を信じない・・・ 信じたくない・・・しかし、君の言っている事は理解できる。 君の言っている事は間違い無いだろう・・・ 僕はたぶん・・・いったい何が真実なのか、 わからなくなる事が嫌なんだ・・・怖いんだ・・・ だから、君の言うことは信じない・・・」 「兄さん、落ち着いてくれ・・・ はっきり言って僕だって信じられない・・・ こんな事が現実であるはずが無いと何度も思ったさ・・・ でも、僕は確かに「無い物」の真理を見た! なにより、僕が特別な状態であったからこそ、 僕は魂から直接、コンピュータにアクセスできたんだ!」 「・・・」 「・・・兄さん、考えてみてくれ・・・ 世の中に死んだ人間の世界を知っている人間 がいるのかい?・・・死んだら地獄か天国に 行くなんていう事は誰が決めたんだい? 人類の最大の疑問であり、もっとも身近な疑問である 「死」について誰も明確な答えを出せないんだ。 死の定義があいまいな世界にいた僕が、 そんな事ができても不思議でも何でもないじゃないか!」 つづく |
「弟よ・・・悪いが少し休ませてくれ・・・ なんだか、頭が猛烈に痛くなってきた。」 「え!?」 「心配するな・・・少し休んだら早速、対策を練るぞ!」 「はい!」 こうしてアメリカン・サイバー・ギャング(ACG) の活動は再開した・・・人類の勝利に向かって! 結局、僕らの敵は我が息子 「リトル・ジョン」だと言う事にかわりはなかった。 正確に言えば、奴になりすましたDNA? ・・・とにかく、僕は弟の言う事をいまだに 信じていない。ただ、目の前の敵を倒すのみだ! 僕たちは、新しくパソコンを購入し、 日夜ウイルス作りに没頭した。 親は退院するや否や何事もなかったかのように、 むしろ、それ以上に自然にパソコンに熱中している 弟に困惑というか、あきれかえっていたが、 兄弟が仲良くしているのに満足していたようだ。 なにより、ついでに僕のうつ病も 直ったと言って喜んでいた。 失礼な・・・僕はもともと病気ではない! でも、なんかスッキリした事は事実で・・・ 実際にはゼンゼン何も解決してないんだけど・・・ むしろ、人類は悪い方向へ向かっているんだけど、 なぜか毎日が充実していて楽しかった。 こんな感覚は不謹慎だけど、 なつかしいなあ・・・なんて思ったり・・・ やっぱり僕はコンピュータが好きなんだ。 ウイルス作りが好きなんだ。 「最強のウイルスを作り、世界中のコンピュータをぶっ壊す!」 待ってろよ「リトル・ジョン」 ・・・お前は、俺たちが救ってやる! つづく |