DNAの逆襲か? そのニュースは世界中を駆け巡った。 その「新人類」は生まれてきてから、 すぐに死んでしまうらしい。 ようするに、ある時期を境に 人類の子孫が途絶えているのだ! それは偶然などではない。 地球に人類が誕生して以来、既に組み込まれた DNAの計算だったかもしれない。 これこそ「運命」なのかもしれない・・・ 世界中の有識者が恐怖に怯えた。 ある者は狂い果てて自らを破滅に追い込み、 ある者は踊り狂って精神病院の門を叩いた。 しかし、あいかわらず「われ関せず」という 人間の割合の方が多いのも事実だ。 大半の人間が「一部の狂った奴の主張だ!」とか、 「たまたまだ・・・」とか言って問題にしなかった。 国家も動き出す気配はなかった。 しかし、このままこの状態が続けば 人類は間違いなく滅亡してしまう・・・ 我が息子リトル・ジョンよ・・・ 今、お前は何をしているのだ? これはお前が仕組んだ事なのか? いや・・・そんな事はありえない・・・ お前にそんな事ができるわけがない・・・ 我が息子リトル・ジョンよ・・・ 今、お前は何をしているのだ? つづく |
そんな時、奇跡が起こった・・・ なんと3年間、脳死だと思われて 入院していた弟が意識を取り戻したのだ! 奇跡って言うモノはそんなモノじゃない! なんと、その弟の口から驚くべき証言が飛び出した。 「兄さん・・・ゴメンよ・・・ あの時、「リトル・ジョン」はバグってしまった。 兄さんは、1ヶ月たってもずっと待っていたよね・・・ だけど、彼が帰ってくるはずが無いのだ・・・ なぜなら・・・なぜなら彼は・・・ 最初から死んで(バグって)いたのだから・・・」 「なんだってクリス!? ・・・じゃあ、今までのメールは一体!?」 「あれは僕なんだ・・・ 僕が「リトル・ジョン」になりすましていた。」 「!?」 僕は絶句した・・・しかし、すぐに頭を切り替えた。 「ちょっと待てクリス・・・ お前は頭のケガの後遺症で動けなかったはず? そんな事ができる訳がないのは誰の目にも明らかだ! なんでそんなデタラメをいうんだ!?」 「兄さん・・・確かに僕は動けなかった・・・ それどころか僕の脳は死んでしまっていた・・・ 兄さん、それがどういう事だか解るかい?」 「・・・!?」 「思考がストップすると言う事は、 「無い物」の真理が見えるという事さ・・・」 つづく |