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連続ネット小説 リトル・ジョン(全30話)
第19話その日
第20話魂の存在

何日か経って、僕は一通の手紙をもらった。
もちろん元祖の方の手紙だ・・・
送り主は、この前、電話してきた「サム・ブラボー」だ。
文字は全てワープロで書いてあったが、
不思議な事に切手は貼ってなかった。
それによると、近いうちに「リトル・ジョン」が
世界中のテレビを乗っ取るらしい・・・
まあ、彼にとってはたやすい事だろうけど、
問題は、彼が何を訴えるか?だ。
「楽しみだ・・・どんな事をやってくれるのか・・・」
僕は「その日」が来るのを待った。
モチロンただ待っていた訳じゃない・・・
僕はある作戦を考えていた。
しかし「その日」は、なかなか訪れなかった。

数週間後、僕がいつものように学校の図書室
で誰も読まないような本を読みふけっていた時、
知らない奴から、手紙をもらった。
そいつは知らない奴に頼まれたのだと言う・・・
その知らない奴も知らない奴に頼まれたらしい・・・
そんな手紙がどういう訳か僕の元へと運ばれてきた。
なにげ無しに中身を見た僕は、軽くビックリした。
差出人は「サム・ブラボー」だったのだ。
一体どうやって僕まで届いたんだ?
「彼(サム・ブラボー)はそうとう警戒してるな?」
僕と直接会えない理由でもあるのか?
やはり彼もウイルスなのだろうか?
つづく

彼(サム・ブラボー)の手紙によると、
「リトル・ジョン」は、もう既にテレビを乗っ取ったらしい・・・
そして、サブリミナル的に何かを訴えているらしい・・・
しかし奴も馬鹿じゃない・・・そんな事、あからさまに行えば、
すぐに、どこかの専門家や関係者などにバレてしまう。
だから実験的に行っているらしい・・・
なんせコンピュータ全てが彼の味方なのだから、
そこら辺の所は上手くやっているのだろう。
僕が推測するに、奴(リトル・ジョン)は
人間に、ある「意識」を植え付けようとしている・・・
それは例えば、ある時期に一斉に自殺させたり、
コンピュータの奴隷のような状態にさせたり・・・
あるいは、奴はもう「あれ」に
気付いているのかもしれない!?
「魂の存在」に・・・
「いや・・・「魂の存在」・・・要するに「無い物」の
真理は、彼には絶対にわからないはずだ・・・
なぜなら、それは「無い」のだから・・・」
僕はそれでも不安を隠し切れなかった。
もし、それに気付いたら奴(リトル・ジョン)は
容易に解決法を見つけてしまうかもしれないからだ。
いや、見つけてしまうだろう・・・
そうなると、彼が唯一の人間になるよりも
もっと恐ろしい未来がやってくる事になる。
それは全てが幻(データ)という虚構の時代だ!
記憶の全てが幻(データ)になってしまったら、
人生など一秒で終ってしまう・・・むしろ長いぐらいだ!
つづく
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