何日か経って、僕は一通の手紙をもらった。 もちろん元祖の方の手紙だ・・・ 送り主は、この前、電話してきた「サム・ブラボー」だ。 文字は全てワープロで書いてあったが、 不思議な事に切手は貼ってなかった。 それによると、近いうちに「リトル・ジョン」が 世界中のテレビを乗っ取るらしい・・・ まあ、彼にとってはたやすい事だろうけど、 問題は、彼が何を訴えるか?だ。 「楽しみだ・・・どんな事をやってくれるのか・・・」 僕は「その日」が来るのを待った。 モチロンただ待っていた訳じゃない・・・ 僕はある作戦を考えていた。 しかし「その日」は、なかなか訪れなかった。 数週間後、僕がいつものように学校の図書室 で誰も読まないような本を読みふけっていた時、 知らない奴から、手紙をもらった。 そいつは知らない奴に頼まれたのだと言う・・・ その知らない奴も知らない奴に頼まれたらしい・・・ そんな手紙がどういう訳か僕の元へと運ばれてきた。 なにげ無しに中身を見た僕は、軽くビックリした。 差出人は「サム・ブラボー」だったのだ。 一体どうやって僕まで届いたんだ? 「彼(サム・ブラボー)はそうとう警戒してるな?」 僕と直接会えない理由でもあるのか? やはり彼もウイルスなのだろうか? つづく |
彼(サム・ブラボー)の手紙によると、 「リトル・ジョン」は、もう既にテレビを乗っ取ったらしい・・・ そして、サブリミナル的に何かを訴えているらしい・・・ しかし奴も馬鹿じゃない・・・そんな事、あからさまに行えば、 すぐに、どこかの専門家や関係者などにバレてしまう。 だから実験的に行っているらしい・・・ なんせコンピュータ全てが彼の味方なのだから、 そこら辺の所は上手くやっているのだろう。 僕が推測するに、奴(リトル・ジョン)は 人間に、ある「意識」を植え付けようとしている・・・ それは例えば、ある時期に一斉に自殺させたり、 コンピュータの奴隷のような状態にさせたり・・・ あるいは、奴はもう「あれ」に 気付いているのかもしれない!? 「魂の存在」に・・・ 「いや・・・「魂の存在」・・・要するに「無い物」の 真理は、彼には絶対にわからないはずだ・・・ なぜなら、それは「無い」のだから・・・」 僕はそれでも不安を隠し切れなかった。 もし、それに気付いたら奴(リトル・ジョン)は 容易に解決法を見つけてしまうかもしれないからだ。 いや、見つけてしまうだろう・・・ そうなると、彼が唯一の人間になるよりも もっと恐ろしい未来がやってくる事になる。 それは全てが幻(データ)という虚構の時代だ! 記憶の全てが幻(データ)になってしまったら、 人生など一秒で終ってしまう・・・むしろ長いぐらいだ! つづく |