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連続ネット小説 リトル・ジョン(全30話)
第15話病室
第16話孤独な戦い

僕は頭に来た。
体中の血が逆流した。
頭の片隅では、まだ誰かのイタズラ・・・
あるいは、卓越した会話プログラムを備えた
ネット・ウイルスの戯言だと思っていたが、
完全にブチ切れた。
僕は警察に電話をかけると、こう叫んだ。
「リトル・ジョン!聞いているか?
お前の事だ・・・きっとどこかで、聞いているだろう!
お前は弱虫だ!・・・腰抜けだ!
「逃げているだけ」だという事がわからないのかぁ〜!?」
「もしもし・・・君・・・落ち着いて・・・」
落ち着いてられるはずが無い!
僕は電話を切ると、真夜中の町を走っていた。
なぜか弟が入院している病院に向かっていたのだ。

バーン!!!
病室を開けると、真っ暗な中に
メカニックな医療器具に囲まれた弟を発見した。
心臓の動きを補助する機械や脳波を調べる機械・・・
僕は機械系を見ると、どうしても奴(リトル・ジョン)
の分身に見えてたまらなくなった。
「弟は生きているんじゃない・・・
コイツら(機械)に生かされているんだ。
ああ、弟よ・・・僕が今、開放してやる!」
その時!?
僕は追ってきたガードマンにつかまった。
「坊や・・・こんな夜中に何のようだね?」
つづく

「はなせ!!!・・・僕は弟に会いに来たんだ!」
「もう面会の時間は終ったんだ・・・
それにこんな真夜中に出歩いてちゃあいけないな。」
僕は男に襟首を捕まれると、
ムリヤリ病院の外に放り出された。
「家に帰りなさい!でないと警察を呼ぶぞ!」
・・・
「チクショウ!・・・」
僕はこの時、自分の若さを憎んだ。
14才(当時11才)の少年の作ったウイルスが
「人類を危機に陥れるぞ」と、脅しているのだ・・・
こんな事、いったい誰が信用してくれるのか?
「ちょうどいい、警察を呼んできてくれ!
話したい事が山ほどある!」
僕はひらきなおった。
5分くらいたって、ようやく来た警察は
僕の言うことを全く無視しつつ、
極めて作業的に僕の身元を調べると、
頼んでもいないのに家まで送ってくれた。

「どうも、ご迷惑をおかけしました・・・」
母親があやまっている。
その後、僕が親に説教を食らったのは言うまでもない。
だけど僕は、弟に会いに行った理由は言わなかった。

その日から僕の孤独な戦いが始まったのだ。
だが・・・この後、思いも寄らない
展開が、僕を待ち受けていた。
つづく
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