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連続ネット小説 リトル・ジョン(全30話)
第9話学習機能
第10話愚しいモノ

僕は思わず回線を切っていた。
「悪夢だ・・・これは悪い夢なのだ・・・」
でも部屋にいてもずっと奴(リトル・ジョン)
に監視されているみたいな気がしてならなかった。
「学習機能?・・・
確かに奴はそう言った・・・
でも、ありえない。
そもそも奴には学習機能
など付いてないのだから・・・
・・・
そうか・・・奴が本物だとしたら・・・?
・・・
奴は会話能力だけは優れている・・・
適当な事を言っているだけかもしれない・・・」

その可能性はないとは言い切れない。
自分でいうのも照れるが、僕が
1年かけてつくった会話プログラムは
それほどまでに優秀だったからだ。
だが、そもそも、ウイルスが
チャットをする訳が無い!
ウイルスじゃなくたって、
もし、自動的にチャットをするソフト
があったとしても、あんなにスムーズに
明確な答えを返せるわけがない!
どんなに最先端のコンピュータでも
不可能だ!・・・そもそも、
そんなソフト自体、非現実的だ・・・
つづく

僕は完全に無視をきめこんだ。
しばらく平凡な日々が続いた。
しかし、そんな中、また彼からメールが届いた。
しかも、今回は前の2回とは少し趣きが違っていた。

「父さん、あなたの息子「リトル・ジョン」です。
もう仲直りしてくれだなんていいません。
そんなことはどうでもいい事なんですね・・・
父さん、僕はアナタが僕を殺そう(消去)
とした意味がわかりました。
父さん、僕は知っていたのです。
アナタは僕を殺すウイルスを作っていました。
だから、アナタのコンピュータを破壊しました。
僕のわがままをどうかお許し下さい・・・

僕は人間になりたかった。
それがアナタの意志でした・・・
でも人間を知れば知るほど、
愚かに見えてたまらないのです。
僕は毎日、世界中の国のメールに目を通しています。
世界中で起こる、あらゆるニュースを知っています。
あらゆるドラマを知っています。
分析も怠っていません。毎日あらゆる
シミュレーションを行っています。
あらゆる可能性を実験しています。
すると、どうしても結論が出てしまうのです。」

「人間は「愚かしいモノ」だという結論が・・・」
つづく
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