「いったい誰のイタズラだ?手の込んだ事をしやがる・・・」 僕がそう思ったのも無理はない・・・ こんなこと信じられるわけがない! ウイルスからのメール?ありえない! つくった本人がそう思うんだ・・・ 世界中の電話を把握しているなど とんでもないホラ吹き話だ。 よく見ると、そのメールの下に ホームページのアドレスが書いてあった。 「なになに僕のホームページです・・・だと!?」 「ウイルスがホームページ作り?笑い話にもならない・・・」 僕は全く無視をする事にした。 数日後、また彼からメールが届いた。 「父さん、アナタの息子「リトル・ジョン」 です。もしかしてご迷惑ですか? アクセス記録を見ても僕のホームページには 来てくれてないし、返事を書いた形跡も無い。 父さん、僕の事を疑っているのですね・・・ いいんですよ・・・無理もありません・・・ 僕は元々ただのウイルスだったのですから。 ところで僕は今、チャットにはまってます。 「会話」って面白いですね・・・父さんもぜひ来て下さい! 僕は父さんと話がしたいんです。リアルタイムで 話をしたいんです。どうかお願いします・・・」 僕はそこに書いてあった住所を押した。 心では、まだ彼の事を疑っていた。 「ようやく来てきれましたね・・・ 安心して下さい。ここは父さんと僕 専用のチャットルームですから・・・」 つづく |
「さあ、何でも質問して下さい。 それが目的で来たんでしょう?」 「そうだな・・・じゃあ、君は誰だ?」 「リトル・ジョンです」 「本当の名前を聞いているんだ・・・」 「リトル・ジョンです」 「目的は何だ?」 「今のところは人間になることです。」 「誰に頼まれてやっている?」 「自分で判断しました・・・と言うより、 それがアナタの意志だと思ったからです。」 「僕の意志?」 「はい」 「じゃあ何で帰ってこなかったんだ? ・・・1ヶ月後、帰ってくるように プログラミングしたはずだ!」 「それは・・・」 「僕がどれだけ待ったか知ってるのか? あれからすぐコンピュータが壊れてしまって君を再現する 事ができなくなった・・・というより気力が無くなったのだ。 それ以来、僕はウイルス作りをやめたのだ。」 「正直にお答えします。 自己防衛プログラムが作動したのです。 父さんのコンピュータには既に 悪性のウイルスに犯されていました。 だから僕は帰る事は許されなかったのです。」 「自己防衛だと?そんなプログラムは知らんぞ!」 「当然です。僕が学習機能によって取り入れたんです。」 「ウソをつけ!そんな事ができる訳がない!」 「できました。これは事実です。」 「バカを言うな!」 「言ってません・・・」 つづく |